欧州、避難民へ迅速対応
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、5月末現在まで、実に680万人ほどのウクライナ人が国外に避難している(注1)。このうち、8割以上はヨーロッパ諸国に逃れている。最も多く受け入れているのは隣国のポーランドであり、363万人ほどを受け入れている。これに続き、ルーマニア(約99万人)、ロシア(約97万人)、ハンガリー(約68万人)、モルドバ(約48万人)、スロバキア(約46万人)、ベラルーシ(約3万人)が目下のところ主要な受け入れ先となっている(注2)。
一連の人の移動は、欧州連合(EU)による極めて迅速な対応を受けたものである。2月24日のロシアの侵攻を受け、EU加盟国の首脳会議体である欧州理事会は同日の特別会合を受け、3月2日に
(続)