早読み行政誌

離島が踏ん張った! Iターンと起業(1月4日〜1月8日号)

地方行政

 1月7日号から「若者Iターンと起業の島─島根県海士町」の連載が始まった。海士町は、日本海に浮かぶ小さな島だ。「平成の大合併」の下では近隣町村との合併をあきらめ、単独町政による生き残りを選択した。あれから3年余。深刻な財政危機に陥っていた離島の町は、Iターンの若者が移住して町おこしや起業など、さまざまな活動を展開している「Iターンと起業の島」になっていた。この間、島ではどのような変化が起こったのか。行政や住民、Iターン者らによる取り組みを紹介していく。

 同じく7日号に掲載されたのが、鳩山政権の「事業仕分け」を主導して一躍脚光を浴びた「構想日本」の異色フォーラム「酒の力を語り尽くそう─お酒を通した日本再発見」。日本酒は、消費量の落ち込みから国内の蔵元が2000軒を割り込み、ピーク時から半減。しかし、酒はその地の風土から生まれた文化の象徴ともいえる。文化としての日本酒の今後について、専門家らが話し合った。構想日本の加藤秀樹代表は「日本人がワインのうんちくを語ってもフランス人は感心するだろうが、尊敬はされない。日本酒はワインの比ではないことを語ってもなかなか世界には認められないが、日本酒を理解して誇りを持って語ることが大切ではないか」と述べ、土地、コメ、水、人が造り上げた固有の文化として日本酒を見直すよう提起した。

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内外教育

【1月5日号】 新年第一号となる本号のトップ記事は、改正学校教育法に基づき2007年4月にスタートした特別支援教育の「今」を紹介する特集「支援必要な子供はどこにでもいる─体制を整備し試行錯誤する学校・特別支援教育最前線」。特別支援教育のスタートに伴い、それまでの盲・ろう・養護学校(特殊教育諸学校)は特別支援学校に一本化され、一方、一般の学校は校内体制を整備した上、特別支援学校の応援を必要に応じて得ながら、支援が必要な子供たちの教育に当たっている。特集では東京都立青鳥特別支援学校、同調布特別支援学校、東京都三鷹市立第三中学校、神奈川県立田奈高校を取り上げ、各学校の関係者の特別支援教育に取り組む姿を紹介する。

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厚生福祉

【1月8日合併号】 連載「保育所の現状と課題」の7回目は「適正な面積基準について考える」を掲載。全国社会福祉協議会が昨年に発表した「機能面に着目した保育所の環境、空間に係る研究」の調査報告書などに基づき保育所面積の最低基準について詳述する。それによると海外の基準に比べ日本の子供1人当たりの基準面積は狭く、報告書は20%強の引き上げを求めている。背景に子育て文化の違いがあると指摘、食寝分離を基本にすべきだとしている。「地域を支える」では北海道立旭川肢体不自由児総合療育センターを取り上げる。日本最北にある同センターは最も広いエリアをカバー、発達障害児の受け入れにも力をいれ、母子入院用の病床も確保している。

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税務経理

【1月5日号】 名古屋市立大学名誉教授の牛嶋正氏が、「分権を支える地方税制」と題して新春論文を掲載。高度成長期に体系が固められてきた現行の地方税は、「国税のミニ版とみなされる税体系を持つだけに、税収に求められる普遍性・安定性・十分性の三つの条件のいずれも欠ける」と指摘し、今後地方分権改革を進める上では、地方税制の抜本改革が避けて通れないとする。

【1月8日号】 解説の「財源不足背景に増税規模1兆円」は、民主党マニフェスト(政権公約)と財源不足のはざまで最後まで難航した2010年度税制改正大綱について。焦点だったガソリン税などの暫定税率は実質的に維持と決まった。同党が「4年間で1兆円の財源捻出(ねんしゅつ)」の目標を掲げた租税特別措置(租特)の見直しも、純粋に廃止されたのは5%程度にすぎず、トータルでは増減税ゼロという結果にとどまった。石油化学製品の原料ナフサなど長年手付かずの税制優遇も存続が決まり、租特の整理には「今後も大きな困難が付きまとうことになりそうだ」と予測している。

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金融財政ビジネス

 1月7日号は、エコノミストとして人気の高いみずほ証券の上野泰也氏、中国経済に詳しい富士通総研経済研究所の柯隆氏、米国経済の精密な分析で定評のあるバークレイズ・キャピタル証券の高橋祥夫氏という豪華な執筆陣が、それぞれ日本、中国、米国の見通しを解説している。

 上野氏は「長期化余儀なくされる日本の超金融緩和」として、次のような見方を示した。日本経済の回復は、輸出主導の道筋をたどらざるを得ないが、頼みの米国経済は、巨大バブルの崩壊に伴う構造調整圧力のくびき故に、今年も引き続き低迷を脱することはないだろう。2009年11月分の米雇用統計では失業率が低下したが、平均失業期間の長期化や高水準の長期失業者数などから、急速な改善は期待できない。厳しい雇用情勢が続くと、米国経済のメーンエンジンである個人消費は不完全燃焼が続く。日本経済は(1)人口減と少子高齢化による国内需要の地盤沈下(2)世界的な金融・経済危機による需給ギャップの拡大(3)円高──の3要因が複合し、デフレが深化しつつある。日銀は、追加緩和として新たなオペレーションを導入し、資金を潤沢に供給する構えだが、デフレの継続は利上げに向けた動きを強く制約する。このため、年内の利上げ実施は考えにくく、実際には11年後半以降にずれ込むと予想される。

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