早読み行政誌

「パチンコに税金」切り札になるか(2月1日〜2月5日号)

地方行政

 4日号から新連載の「農業を核とする地域再生ビジョン」が始まった。1回目は「農業は地域再生の核となり得るか」というテーマの下で、(1)農業にどのような可能性が広がっているのか(2)農業を核とした地域再生のビジョンはどう描くことができるか(3)ビジョン実現のための政策課題は何か──について解説している。この中で、国内に農業と食産業を核とした「総合食・農産業圏」を形成した場合の波及効果を試算。その結果は、(1)アジアにおける巨大市場の誕生(2)日本の農業の価値の再発見(3)世界的食糧需給の変化──を踏まえると、市場拡大効果が6兆〜11兆円、雇用創出効果は38万〜77万人に達する。77万人の雇用創出とは、経済危機発生以降失われた雇用数の8割を回復させる効果に相当するという。

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内外教育

【2月2日号】 文部科学省がまとめた「教職員団体への加入状況に関する調査結果」(2009年10月1日現在)によると、最大勢力である日本教職員組合(日教組)の加入者数は27万8733人、公立学校教職員(全体で102万9639人)の中の組織率は前年度より1.0ポイント減の27.1%で、いずれも過去最低を更新した。全日本教職員組合(全教)、全日本教職員連盟(全日教連)なども含む教職員団体全体の加入率も計42.3%で、前年度比1.8ポイントの減。34年連続の低下でこちらも過去最低を更新しており、教職員の「組合離れ」の動きに歯止めが掛かっていないことが明らかになった。

【2月5日号】 日本教職員組合(日教組)の第59次教育研究全国集会(教研集会)が1月23日から25日までの3日間、全国から延べ1万人の組合員が参加して山形市内などで開かれた。初日午前の全体集会には文部科学省の高井美穂大臣政務官があいさつのため出席。同省から来賓が参加するのは1951年の第1回全国教育研究大会(教研集会の前身。栃木県日光市で開催)以来59年ぶりのことで、同党の支持団体の一つである日教組にとって、同政務官の出席は、政権交代という大きな「変化」を感じることのできる歴史的な出来事となった。参加者は初日午後から計26の分科会、特別分科会に分かれ、最終日まで活発な議論を繰り広げた。

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厚生福祉

【2月2日号】 米国やオーストラリアで設けられている「子ども代理人」制度を特集。「『子どもの最善の利益』を守るために」と題して、法務省の法制審議会や日本弁護士連合会の動きなどについて紹介する。昨年12月に日弁連が開催したシンポジウムを通して同制度の狙い、仕組み、オーストラリアでの実施状況を点検する。子供の意思表明を保障するための制度で日本の導入は年内に方向性が決まるようだ。2009年後半(7〜12月)に「新刊図書の中から」で取り上げた図書から医療、福祉、環境をめぐる傾向を探る特集も掲載。(下)として「老いの生き方」「環境、食料」「労働、貧困」に関する傾向を見る。「社説拝見」は1月前期分の社説を取り上げて解説。年頭に当たって「共に」の精神をキーワードにしたものが目立った。

【2月5日号】 主要省庁の「2010年度予算案詳報」の連載を開始。最初は文部科学省で、高校無償化に3933億円を計上し、教員定数が7年ぶりに純増となっていることが分かる。連載「増加する有料老人ホームと高専賃」の2回目は「高齢者住宅整備で厚労省と国交省が『本格連携』」。増加傾向にある高齢者専用賃貸住宅(高専賃)など高齢者住宅の沿革、現状、安定確保に関する法制度、具体例について詳しく解説する。

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税務経理

【2月2日号】 「パチンコに何らかの特別税を課すと、たばこ税や酒税をはるかに上回る税収が期待できる」─。税務関係者からはこんな声が聞かれるという。シリーズ「業種別に見た税と会計」は、パチンコへの課税をめぐる近年の動きを取り上げている。日本では公営ギャンブル以外の賭博は認められておらず、パチンコは風俗営業法の規制対象。こうした中、自治体レベルでは、室内賭博を想定した「カジノ」の公認と、「カジノ税」徴収についての検討が盛んに行われていることに言及し、カジノが合法化されればパチンコも賭博ではないのかという議論が起きると予測する。「パチンコが名実ともにギャンブルと認められ、パチンコに関する法律が制定されると、経営はがっちり管理され、税金の徴収もきっちり行われるだろう」との見方もあるとか。

【2月5日号】 「主要省庁別に見た2010年度税制改正」(下)は厚生労働省と農水省。厚労省は、「国民の健康の観点」から2007年度以来4年連続でたばこ増税を要望。10年度税制改正大綱では、たばこ増税の目標を従来の「財源確保」から「国民の健康」に転換する考えが打ち出された。10月1日からたばこ1本当たり3.5円の増税が実施され、販売価格ベースで5円程度の値上がりとなる。

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金融財政ビジネス

 2月4日号は「穏健な地価上昇で閉塞感の打破を目指せ−『資産効果』活用の条件を考える」と題し、景気対策の在り方の見直しを提言する記事を掲載。それによると、政府が景気刺激のため需要の拡大を目指す限り、即効性では財政の拡大か外需に手掛かりを求めるほかはない。しかし、米国経済が低迷し日本の財政が窮乏している現状では、実際には打つ手に乏しい。このため、資産価格を増加させることにより、家計や企業の支払い能力と担保能力を増大させ、投資意欲を高める道を探るべきだ。この「資産効果」で金融を拡張させ、財政支出に依存せずに景気浮揚を進めることができるのではないか。そのためには、日銀や金融機関による豊富な資金供給のほか、地価上昇につながる政府の開発コミットメントや、バブルの行き過ぎを防ぐ的確な金融政策転換の判断、地価の許容される値上がり限度の明示が必要となる。

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