早読み行政誌

公務員の8割も「定年後は不安」 (3月29日〜4月2日号)

地方行政

地方公務員と自治体に関する二つの調査報告を掲載。一つは、地方公務員とその退職者を対象にした「くらしと生きがい」に関するアンケート結果(地方公務員等ライフプラン協会、3月29日号)で、定年退職後の生活について、在職者の8割超が「不安を感じる」と回答した。景気低迷による自治体の厳しい財政事情などを背景に職員らの待遇も年々厳しさを増しており、多くの地方公務員が将来に経済的不安を抱いている実態が浮き彫りとなっている。

 もう一つは、「ワンストップ化」の推進に関する調査報告書(地方自治情報センター、4月1日号)。ワンストップ化は、住民が市役所や町村役場などで複数の行政手続を1カ所の窓口で行えるようにするサービスだ。それによると、行政続きをワンストップ化する「総合窓口システム」を導入した自治体は約2割にとどまる一方で、導入していない自治体と導入の検討をしていない自治体は合計で6割を超えており、こうしたサービスがほとんど進展していない現状が明らかになった。

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内外教育

【3月30日号】 大阪府池田市にある大阪教育大学附属池田小学校が、安全な教育環境づくりに努力する学校を対象にした世界保健機関(WHO)の「インターナショナル・セーフ・スクール(ISS)」に日本で初めて認証された。2001年6月に児童8人が犠牲となる殺傷事件が発生した後、安全な学校を目指し、保護者や地域と一体となってさまざまな取り組みを続けてきたことが評価された。先ごろ同校で行われた認証式では、児童の代表(6年生)が「わたしたちは学びます。大切な命を守ることを」と、学校安全宣言を行った。

【4月2日号】 小学校1年生の子供を持つ母親1500人を対象にベネッセコーポレーション(本社岡山市)が実施した調査の結果によると、小学校入学に当たっての母親の心配事のトップは「新しい生活にスムーズに移行できるか」(全体の76・1%)で、次が「通学の安全」(同74・7%)。7割を超える回答があったのはこの2つだけで、学校生活への適応と通学時の安全が、わが子の小学校入学に際しての母親の大きな心配事であることが分かった。ただ、「とても心配」と回答した母親の割合だけを見ると、「通学の安全」33・9%、「新しい生活にスムーズに移行できるか」28・9%で、より深刻な心配事はやはり通学の際の安全問題のようだ。

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厚生福祉

【3月30日号】 2月に都内で開かれた「精神障害者」の呼称と表記を考えるシンポジウムの特集を掲載。NPO法人「地域精神保健福祉機構」が主催したもので、「害」の字に「さまたげ」と「わざわい」の意味があるため当事者からの「障害」から「障碍」への表記見直し要望を踏まえ、政府や自治体の動きも含めて解説する。連載「「増加する有料老人ホームと高専賃」の9回目は「有料老人ホームの入居一時金の返還をめぐって」。トラブルで1番多い入居一時金について東京都消費者生活総合センターの相談データを基にトラブルの具体例を示して課題を探る。2010年度の都道府県政令市の予算特集では青森県、石川県、山口県、大阪市を取り上げる。

【4月2日号】 連載「医の安全を目指して」の3回目は「急変時に即応できる院内体制の構築を─患者本位の医療の確立に向けた8行動目標」。医療安全全国共同行動の行動目標(後半部分)を詳しく紹介。「海外トピックス」では経済協力開発機構の雇用に関する緊急提言、ドイツでの夜間(午後10時から翌日午前5時)の小売店などでのアルコール販売禁止の動きなどを取り上げる。2010年度の都道府県政令市の予算特集では神奈川県と福岡市が登場する。

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税務経理

【3月30日号】 都道府県間の税収格差を是正する手段として、法人事業税の一部を国税化し、人口や従業者数を基準として地方に再配分する「地方法人特別税」の仕組みが2008年に創設された。リーマン・ショックを経て総務省が09年2月に試算した同税の09年度税収見込みは1兆7000億円程度だったが、実際の税収はこれを1兆円余り下回った。「直言苦言」は、東京都や大阪府など、格差是正の標的となった大都市の都府県で税収が大きく落ち込んだとして、これら都府県が「この(再配分)措置の継続は極めて不合理であるとして撤廃を求めているのは当然だ」と強調する。筆者は、鳩山内閣が消費税の税率引き上げを封印していることを踏まえながら、「早くも制度疲労を起こした地方法人特別税をどうするのか改めて問いたい」と結んでいる。

【4月2日号】 シリーズ「業種別に見た税と会計」は「鉄道業界」の第2回で、1987年に旧国鉄から民営化されたJR各社の経営状況を解説している。JR東日本などの本州3社は、利用者が多いこともあって営業黒字を確保しているが、北海道、四国、九州の「三島会社」とJR貨物の経営は苦しい。三島会社の経営は、政府が設けた経営安定基金を「この低金利の時代では考えられない」高い金利で貸し付けることで維持されている

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金融財政ビジネス

【4月1日号】 「ゴルディオスの結び目」と題し、紀元前にアレキサンダー大王が、誰一人として解けなかったゴルディオスの結び目を剣で断ち切ったという言い伝えを例に、日本経済の問題点などを分析した.それによると、日本経済にとっての「ゴルディオスの結び目」は、デフレ問題に当たると指摘。今まで歴代政権の政策当局者がこの問題にチャレンジしたが、いまだに解決されていない。おそらく、世界経済の追い風を待っているだけではデフレ問題は解決せず、追い風がなくなると繰り返す。結局、誰かが剛腕をもって切断しなくては解決できない。この結び目が解けた時、日本経済が復活して、国民が豊かさを取り戻すだろうと結論付けている。

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