【5月17日号】 特集記事によると、公共施設に置く自動販売機の設置料を入札などの価格競争方式で決めたことがある地方自治体は95団体に上り、1台当たりの平均収入は22倍近い50万円以上に跳ね上がったという。競争前の設置料は平均で2万3000円程度だった。調査は、地方自治研究機構の「自治体マネジメント研究会」が昨年10月に1844の全都道府県・市区町村を対象に実施。回答した883団体の公共施設に置かれた自販機は計5万7808台あり、すべての自販機で価格競争を行うと、さらに265億円程度の増収につながると試算している。
【5月20日号】 東京都江戸川区の多田正見区長のインタビューが掲載された。特別区長会の会長を務める重鎮で、区政運営では下町の人情を軸に地域づくりを展開する。インタビューでは、学校改築を通して地域産業の活性化を狙った「公共調達基本条例」と、保護者、地域ボランティアの協力で児童にさまざまな体験をさせる「すくすくスクール」について、施策の内容や意義などを語っている。
【5月18日号】 日本の将来は今の子供たちに懸かっている。良い教育を受け、善い日本人になってこそ、グロバリゼーションが進行する中、国際社会で生き残る日本になれる。日本の教師の力は落ちたのか?全国の小学校長会を束ねる全国連合小学校長会の向山行雄会長に聞いた。「30数年前の教師集団を今の学校に持ってきてやらせたら、1週間も持たないのではないか」。学校を取り巻く社会の急速な変化もある。「そんなに単純な話ではない」。教育現場のリーダーの指摘は、重い。
【5月21日号】 「教育長はこう考える」インタビューシリーズに、横浜、川崎、相模原の3政令市を抱える神奈川県の藤井良一教育長が登場。教員の人事権は政令市に、給与負担だけが県に残っていることを「ねじれ」と指摘。人口規模としても似ている大阪府が、教員の人事権を市町に移譲することに踏み込んだことについて、まずは「ねじれ」を解消する立場から、人事権も給与負担もすべてセットで移譲するべきだと主張した。民主党政権の掲げる教育委員会改革のリアリティを問う、改革プロセスの問題がもう一つ浮かび上がった。
【5月18日号】 公共施設などを禁煙や分煙とする条例を施行した神奈川県など受動喫煙による健康被害防止の最新の動きを特集する。厚生労働省の通知、東京都千代田区の路上喫煙禁止条例、兵庫県の防止指針などを取り上げる。「新刊図書の中から」では「〈医師〉〈看護師〉〈患者、家族〉による認知症の本」などを紹介。2010年度の都道府県政令市の予算特集では群馬県と北九州市を取り上げる。
【5月21日号】 新連載「2007年医療法人制度改革とその後」の2回目は「社会医療法人の創設の背景、認定要件などを見る」。救急医療、へき地医療など公益性の高い医療を担う法人として創設された社会医療法人の認定要件などを詳しく解説する。
【5月21日号】 入門講座「実務に役立つ鑑定評価」は、第8章「賃貸借をめぐる今日的課題」に入る。建物の賃貸借について期間の定めがある場合、期間満了後の更新料の支払いをめぐって、賃貸人と賃借人の間でしばしば紛争が起きるが、更新料が有効か否かについて正反対の見解が示された判例もある。昨年、大阪高裁で更新料特約について、「無効」(8月27日)「有効」(10月29日)と正反対の判決が相次いで下された。8月の判決が、更新料は▽更新拒絶権放棄の対価▽賃借権強化の対価▽賃料の補充─のいずれにも該当せず、消費者契約法第10条にも違反するとしたのに対し、10月の判決は、「単に消費者にとって不利益というだけで、事業者の経済的利益を図った契約条項を一切無効とするものではない」「仮に更新料が存在しなかったなら、月額賃料は当初から高くなっていた可能性がある」といった理由から、更新料特約を有効とした。ただ、10月の判決はあらゆる場合に有効性を認めているとは読み取れず、更新料の金額いかんによって無効とされる可能性も秘めているという。
【5月18日号】 巻頭言「フォーラム」では、成蹊大学名誉教授の武田昌輔氏が、消費税増税の論議に対して「現行の財政支出そのものを減少せしめる必要がある」との立場から異論を呈している。税金の使途は社会保障費を第一義とし、「業界に対する補助金等は、この際、すべて廃止すべきである」と主張。「現時点の財政状況のみを前提として、(中略)ほとんど消費税のみを中心として増税を行うという手法については、根本的に検討する必要がある」としている。
【5月17日号】 「『小鳩』体制で中央突破を図る民主政権」と題し、鳩山由紀夫首相、小沢一郎民主党幹事長を軸にした7月の参院選前の政局動向などを分析した。それによると「鳩山政権最大の懸案となっている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題は、鳩山首相が『最低でも県外』としてきた『公約』が崩れ、自ら課した『5月末決着』も絶望的な状況になった」という。ところが、首相自身は辞めるつもりは全くなく「小鳩体制」のまま7月の参院選を乗り切る覚悟だという。しかし、このままでは参院選での与党の大敗は確実、との見方も出る中「政界再編へと発展する可能性もある」と解説している。
【5月20日号】 「再選危うし─揺らぐ保守の基盤」と題して、今春の地方選挙敗北などで苦境に立たされているフランスのサルコジ大統領をめぐる事情を解説した。この記事は「地方選敗北が野党だけでなく、与党の内部でも不満を噴出させる結果となった」と指摘。その上で「2008年秋のリーマンショック以来、フランス経済の立ち直りは鈍い。公約である雇用・購買力は上向かないままで、年金改革は依然として合意に至っていない。明快さを身上としてきた『サルコジ流の政治』が結果を出せないでいる」と分析している。