6月7日号から連載「地域の面的再生を考える」がスタートした。面的再生とは、おおむね物理的・空間的な広がりの中で、企業単体ではなく複数の主体が連携して再生することを指す場合が多い。例えば、商店街や温泉街などで商業者が連携して再生事業に取り組むケースや、物理的には離れて立地していても相乗効果がある事業を有する複数の企業を組み合わせて同時に再生するケースだ。これらのほかにも、生産(第1次産業)、加工(第2次産業)、販売(第3次産業)といった複数の産業を手がけて付加価値を出す、いわゆる「6次産業化」も、複数の産業に面的にアプローチするという視点に立てば、面的再生の手法の一つといえる。連載ではこれらの事例を3回にわたって紹介し、面的再生のあり方を提案していく。
【6月8日号】 国立と私立の狭間で、影の薄かった公立大学がジワリ存在感を増している。少子化、財政逼迫化という逆風を、地域主権のスローガンに乗り、順風に変えようとしているようだ。北九州市立大学長で公立大学協会長の矢田俊文氏は「地域主権が進めば、負け組の地方国立大学が公立大学の仲間に入り、都道府県立化が起きる」と大胆な予言をした。
新連載「校長奮闘日誌」が始まった。文科省キャリア官僚から品川区立中学校長に転身した浅田和伸さん。本屋もなかった、故郷の香川県豊島での生活を振り返りながら、「子供に自信を持たせてやりたい」。行間に優しい人柄がにじみ出ている。
【6月11日号】 「小1プロブレム」という言葉がある。就学直後の子供が小学校の生活に適応できず、授業が成り立たない学級崩壊を引き起こす状況を指す。東京都教委に調査によると、小1プロブレムは都内の4分の1の学校で発生している。処方せんはある。品川区の小学校の空き教室を隣接する保育所の分室として活用、園児と児童の相互交流で保育所から小学校への接続をスムーズしようという試みについて詳しくリポートした。
「飛び級」制度は日本にもある。1998年度から千葉大工学部物理系で優秀な高校2年生を受け入れている。その学生たちはどうなったのか? 制度運用開始から10年以上を経過した総括リポートを独占入手した。
【6月8日号】 連載「2007年医療法人制度改革とその後」の6回目は「医療法人と社会医療法人の資金調達をめぐって」。医療機関債など債券発行と金融機関からの借り入れの違い、医療機関債の発行状況、社会医療法人債の内容など資金調達方法を点検する。「新刊図書の中から」では「食の安全と環境─『気分のエコ』にはだまされない」など3冊を紹介。都道府県政令市の2010年度厚生、労働、環境関係予算の特集22回目は和歌山県。
【6月11日号】 「シリーズ『医の安全を目指して』」の5回目は「マニュアルも院内標準と作業標準に分化─安全室の信頼高める地道な努力」。前回に続いて武蔵野赤十字病院の医療安全管理者へのインタビュー。医療事故防止に先進的な取り組みをしている同病院の具体的な安全対策の運営方法、課題、中小病院へのアドバイスなどを聞いている。都道府県政令市の2010年度厚生、労働、環境関係予算の特集23回目は相模原市。
【6月8日号】 入門講座「実務に役立つ鑑定評価」は引き続き第8章「賃貸借をめぐる今日的課題」で、建物の賃貸借期間満了に伴う更新料の問題を取り上げる。過去の判例では、賃貸借契約時の当事者間の合意に基づいて更新する場合、更新料支払いの特約はその金額が相当のものである限り有効とされてきた。しかし近年は、消費者契約法第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)に照らして妥当かどうかで判断が分かれるケースが出てきている。このため仲介にかかわる宅地建物取引業者は、賃借人に対して更新料支払い特約の趣旨を事前に十分説明し、理解を得ておくことが重要になっているという。
【6月11日号】 「これまでの民主党政治を続けていては、国際的にも、自国の財政面でも、早晩日本国家が立ち行かなくなることは明白である」─。菅内閣の発足に当たって、「直言苦言」は「指導者としての国家観」と題し、安全保障や国際競争への対応について注文を突き付けている。筆者は、日本の国際競争力が1990年の1位から2010年には27位にまで落ち込んでいることを「非常に深刻であり、国際競争を勝ち抜くための体制づくりが急務である」と指摘。さらに「米軍基地は国内にはいらない、平和な日本を、という日本独特な情緒的叫びは世界には全く通用しない」と切って捨て、「国家の安全保障上何が不可欠で、何を我慢しなければならないかを率直に国民に語りかけることが求められている」と強調している。
【6月7日号】 「名目2期、実質4期連続プラス成長」と題して内閣府が5月20日に発表した2010年1〜3月期の国内総生産(GDP)速報に関する解説記事を掲載している。それによると「物価変動の影響を除いた実質GDPは前期比1・2%増、年率換算では4・9%増と、事前の民間予測平均(年率4・7%)に近い数字となった。名目GDPも前期比1・2%増(年率4・9%増)だが、わずかながら実質を上回り『名実逆転』が5四半期ぶりに解消され、GDPデフレーターは前年同期比では1997年以降で最大の3・0%下落だが、前期比では0・01%の上昇に転じた」としている。
【6月10日号】 「5月総選挙で戦後初の連立政権」は、総選挙直後からこれまでの英国の政治情勢などを分析している。それによると「歴史的な政権交代に世界の注目が集まった今回の選挙だが、理念が異なる保革両党の『便宜的な結婚』にはさまざまな障害も予想され、政権運営の先行きを懸念する見方も少なくない」としている。