早読み行政誌

キューバは教育大国!その秘密は?(2010年7月5日〜7月9日号)

内外教育

【7月6日号】 盲ろうとは、視覚障がいと聴覚障がいを併せ有する障がい。目が見えず、耳が聞こえない、しゃべれない状態で、ちょうどヘレン・ケラーと同じ障がいを持つ筑波大附属視覚特別支援学校の高等部3年の生徒が、「一人で買い物に行きたい」と要望し、学校から250メートルほど離れたスーパーマーケットに買い物に行くことに挑んだ。仮に店にたどり着いたとしても、買いたい商品をどう伝えるのか。連載「筑波大附属の実践」は、その詳細をリポートした。

「キューバは教育大国」と言うと、意外に思われる方も多いかもしれない。いや、まぎれもない事実だ。2006年に実施されたラテンアメリカ学力国際比較調査で、キューバの児童は抜群の好成績だった。高い学力を支える秘密を国立教育政策研究所総括研究官が分析した。

【7月9日号】 「新しい公共」を具現化したコミュニティ・スクール。地域の人が学校に入り、運営に参加するその先進地は東京都三鷹市。同市の貝ノ瀬滋教育長にコミュニティ・スクール成功の秘訣を聞いた。「最大の抵抗勢力は教員だった」と振り返る。校長とは「地域との良好な関係を築くタウンマネジャー」なのだと言う。

理不尽な要求を突きつける保護者対策特集「モンスター・ペアレント論を超えて」は 毎週金曜日号に連載の第2回。阪大の小野田先生はイチャモンが横行する時代背景にいら立ちやすい社会状況があると分析。大事なことは、いら立ちをどう伝えるかを見定めること、だと主張する。

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地方行政

 7月5日号では、今後の地域主権改革の方向性を示す政府の地域主権戦略大綱を特集記事に取り上げている。大綱は先月22日に閣議決定され、国庫補助負担金を廃止する代わりに、自治体が自由に使途を決められる一括交付金を来年度から段階的に創設することなどが盛り込まれた。ただ、大綱取りまとめに向けた各府省との協議では、地方の自由度拡大に歯止めを掛けるような変更点が複数あったという。例えば、▽「(一括交付金は)地域が自己決定できる財源」との文言が削除された▽「(一括交付金の制度設計では)関係府省とともに検討する」との文言が挿入された──などだ。政策目的を達成するために補助金を活用してきた府省が、一括交付金化によって政策誘導の手段を失うのではないかという懸念を抱いていることが分かる。

 地方の高速道路37路線50区間を対象にした無料化社会実験が始まった。7月8日号の記事によると、今回の無料化実験で国土交通省は、物流コストの引き下げや観光振興などを通じた地域経済の活性化への効果などを分析し、2011年度以降の無料化の扱いを決める。しかし、高速無料化に対しては、渋滞発生や環境へのマイナスなどを懸念する声も根強い。対象区間拡大に向けた財源確保も容易ではなく、完全無料化に向けた長期的な展望を打ち出せるかどうかは不透明なままだ。

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厚生福祉

【7月6日号】 政府の「年金制度に関する検討会」が6月29日の関係閣僚会合で決めた新制度の基本7原則を盛り込んだ「中間まとめ」を特集する。年金一元化、最低保障、持続可能、負担と給付の明確化などの原則で参院選後に民主党が野党に協議を呼び掛ける方針。「新刊図書の中から」で取り上げた図書から「2010年前半期の傾向を探る」を特集。介護や老いの生き方、環境などに分けて紹介する。「海外トピックス」では英国、ドイツ、フランスが財政再建を本格化させ、フランスが年金の受給開始年齢をひきあげようとしている動きを取り上げる。「インタビュールーム」では子宮けいがんワクチン費用の助成で成果を上げた山梨県福祉保健部長の古屋博敏氏が登場する。

【7月9日号】 連載「2007年医療法人制度改革とその後」の11回目は「相続税をめぐって」。医療法人の理事長の高齢化などに伴って課題となる医療法人の存続、相続税などについて見直しも含めて解説する。「地域を支える」では仙台市にある介護ヘルパー付き個人旅行会社の「旅日記」を紹介する。要介護者や障害者の「旅行したい」との夢をかなえる会社の取り組みを見る。

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税務経理

【7月9日号】 入門講座「実務に役立つ鑑定評価」の最終回は、第8章「賃貸借をめぐる今日的課題」の第3回として、土地建物の賃料の自動増額改定特約を取り上げている。バブル崩壊後の地価下落に伴い、同特約の有効性をめぐって土地の貸し手と借り手の間に紛争が生じた最高裁の判例では、貸し手の地代増額請求が棄却され、借り手の減額請求部分を高裁に差し戻すという判断が下された。ただし、貸し手が借り手の要望や仕様に応じて建物を建築して賃貸するようなケースでは、建築資金回収のため、経済情勢の変動にかかわらず同特約を付しておかなければ貸し手が投下資本の回収を図れない事態も生じ得ると指摘。「継続賃料の鑑定評価は極めて個別性の強いそれぞれの契約を対象に行われるため、画一的な考え方を当てはめることは難しく、この点にも賃貸をめぐる今日的課題が潜んでいる」としている。

【7月6日号】 市町村アカデミー紙上研修「地方税法総則─基礎から実務まで─」第31回では、信託財産を滞納処分の対象とし得るか否かについて解説している。信託法下では、基本的に委託者の滞納に基づいて信託財産を滞納者(委託者)の財産として差し押さえることはできないが、・自治体が委託者に代位して信託を終了する・公益確保のため、法務大臣や利害関係人の申し立てによって裁判所が信託の終了を命ずる─などが差し押さえの手段として取られる場合もある。

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金融財政ビジネス

 7月5日号は「民主失速、与党過半数は困難か」と題して、11日に予定されている参院選の投開票を直前にした情勢分析に関する記事を掲載した。それによると、「焦点は民主党、国民新党の与党が過半数を維持できるかどうかで、菅内閣の支持率は『消費税率10%』発言などの影響もあってじわじわ下がり、民主党の勢いは失速した。消費増税をめぐる菅直人首相の発言もトーンダウンし、与党の過半数確保は困難との見方が出てきた」としている。

 同7月8日号は「異質なミクロの経済主体をとらえる」と題する経済物理学入門の第12回を掲載した。それによると、「現代マクロ経済学は『代表的消費者』『代表的企業』を想定し、効用最大化・利潤最大化などミクロ経済主体の最適化行動を詳細に分析した上で、それを相似拡大すればマクロ経済の動きを把握できる、という前提に立っている。ところが、その結果として、景気循環というマクロ経済学にとって最大の研究課題についても、全く有効性を失うに至った。マクロ経済学は、多数の異質な経済主体が存在することを認め、それを正面から分析する方法を統計物理学から学ばなければならない」などと指摘している。

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