【7月23日号】 厚生労働省の2009年人口動態統計(概況)を特集。都道府県別の総覧、合計特殊出生率の表などと併せて詳しく解説する。06年から増加傾向にあった出生率が1.37と前年と同率になったこと、晩婚化の傾向が続き、初婚年齢が男性30.4歳、女性28.6歳で過去最高となったことなどが分かる。「海外トッピクス」では欧州連合が年金支給開始年齢の引き上げが年金崩壊を回避するために不可避との改革案をまとめたことを取り上げる。「インタビュールーム」では京都府高齢社会対策監の山口寛士さんが登場。福祉や医療の枠を超えて総合的、一体的に地域の高齢者ケアを推進する取り組みなどについて聞いている。「新刊図書の中から」では「現場が変える日本の医療PartII」「その『がん宣告』を疑え」などを解説する。
7月22日号の特集は、大阪府がまとめた財政構造改革プランのたたき台に関する記事。2011〜13年度が計画期間で、歳出・歳入改革、公務員制度改革、国への制度提言を3本柱に設定。このうち歳出・歳入改革をめぐっては、3年間で計475億円を確保するとしている。記事によると、このたたき台は、09年12月に設置された橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)が作成。各部局と議論を重ねる中で一定の結論を導き出したもので、知事も「PTが(府財政の)在るべき姿をとことん分析してきた。非常に良くできた報告書だ」と評価しているという。ただ、地方財政健全化法に基づく財政健全化団体の指定を避けるためには、16年度までの各年度で1000億円前後の収支ギャップを埋める必要があるとの試算結果が今春に示されており、これだけでは「まだ足りない」(府幹部)のが実情。このため、知事は「今までのしがらみで(事業を)やり続けてきたとか、一般の府民感覚からすれば到底理解できないようなことが山ほどある」と、さらなる切り込みを図る考えのようだ。
【7月23日号】 「教育長はこう考える」インタビューに全国学力テストで毎回、秋田とともにトップグループを形成する福井県教育長が登場。高い学力の要因を「地域が学校を支えるという一つの教育風土」と分析した。教員の社会的地位が失われず、教師と地域の人たちとの信頼関係や連携があることが、福井の教育の宝物らしい。
「地域が学校をつくる」連載4回目は、コミュニティースクール(CS)全国第1号の足立区立五反野小学校をリポートした。昔ながらの下町にある同校に英国型「学校理事会」がどのように機能するようになったのか。地域の人が入った授業診断を嫌い同校を去った教員も。学校と地域社会は、今も「協調と緊張」の関係にある。
【7月23日号】 2010年3月期決算から一定の上場企業の連結財務諸表に導入が認められた国際会計基準(IFRS)について、国内企業や経済界はどのような受け止め方をしているのか。「国際会計基準─見方・読み方」の第4回では、東京証券取引所と大和総研によるアンケート調査結果、関西経済連合会(関経連)が6月上旬に発表した提言を紹介している。東証の調査結果によると、IFRS適用への検討を開始している企業は約62%に上ったが、会社の時価総額が10億円未満の企業では約23%で、規模の小さい会社ほど検討未着手である傾向が顕著となった。また関経連の提言は、IFRSの国内導入について▽日本独自の社会的な背景の下で適用された場合の影響について十分な検討がなされていない▽極端な時価会計は、企業の経営ツール・評価尺度として会計情報が持つ使いやすさを損なう危険性をはらんでいる──などと指摘。その上で金融庁などに対し、日本国内の意見を国際会計基準審議会(IASB)へ発信していく機能の強化や、企業の事務負担軽減などを求めている。
7月22日号は「サルコジ氏の大統領再選に黄信号」と題して、フランスの政治状況を分析する記事を掲載した。それによると、「2012年のフランス大統領選まであと2年を切る中、サルコジ大統領の再選に黄信号が点滅している。サルコジ大統領の支持率は2割台に低迷。しかも、右派与党・国民運動連合(UMP)内では、ライバルのドビルパン前首相が大統領選出馬を視野に、事実上の新党旗揚げを宣言し、右派陣営が分裂状態に陥った。3月の地方選でサルコジ大統領率いるUMPは、左派の最大野党・社会党に惨敗したばかり。このまま大統領選が行われれば、サルコジ氏は社会党の重鎮で国際通貨基金(IMF)専務理事のストロスカーン元財務相または同党の女性党首・オブリ第1書記に敗れる、との世論調査結果も出ている」などと解説している。
また、「金融緩和で日本経済の再生を」と題して日本の経済政策を論じた解説記事を掲載している。それによると、「『財政赤字が世界最悪の水準にある』として、経済政策論争はもっぱら財政を中心に行われている。それは結局のところ、財政の負担過重に導くものでしかない。『増税しただけ歳出を増やせば同じだ』という奇説は、担税者と受益者は同一人ではないのだから、すぐに行き詰まる話である。今は金融を積極的に緩和して、市中の金回りを良くし、併せて資産効果によって消費・投資意欲を高める道を選択すべきである」としている。