【9月27日号】 連載「自治体のためのウェブサイト改善術」の11回目は「ルールは誰が決めるのか─自治体ウェブサイトの表記と著作権」。ウェブサイトの記述で気を付けなければならないことの一つに著作権がある。「インターネット上に公開されているものは、ダウンロードして自由に使えると思う人も存在する」が、「著作権の侵害は『犯罪行為』であり、告訴された場合は懲役や罰金が科される罰則規定がある」のだ。例外として「引用」もあるが、「他人の書いたウェブページの文章を、部分的に変えて掲載するのは、引用ではなく著作権法違反」になる。「そうそう見つからないだろうと思ってはいけない」と、筆者は警告する。「てにをは」などを変えただけの文章がネットに掲載されると、たちまち著作者に分かってしまうような便利ツールもあるという。
【9月30日号】 総務省の「自動車関係税制に関する研究会」は、自動車税(地方税)と自動車重量税(国税)を一本化し、二酸化炭素(CO2)削減につながる新たな地方税「環境自動車税」を創設すべきだとする報告書をまとめた。CO2排出によって環境負荷を与えていることに対する負担金のような性格を持つことが適当だとし、環境損傷負担金としてCO2排出量を課税標準とする「CO2排出量割」と、財産税として排気量などを課税標準とする「排気量割」を併用するよう提案している。同省は報告書を踏まえ制度案を検討し、政府税制調査会や民主党の税制改正プロジェクトチームに提案する。
【9月28日号】 聴覚障害の小学生が日本語の適切な表現をどのように獲得するのか。連載「筑波大附属の実践」では、聴覚特別支援学校の山本晃教諭が「お天気メソッド」という方法を紹介している。小学校2年生のクラス。テレビの天気予報で予報士が話した内容を要約し、黒板に一日中張っておく。例えば、「きょうは軽く30℃を超えます。サウナ状態になりそうな一日です」などと。音のない世界に生きる子供たちが体感しながら、正確な日本語表現力を培っていく。
【10月1日号】 電子黒板が学校に1台以上配備され始めた。黒板だから、本来は教室に1台は必要なのだろう。教師向けの指導者用デジタル教科書も来春には、現在の2種から28種にまで増える。2011年度は教育現場のデジタル元年と位置付けられることになるのだろう。官の側でデジタル化の事務局長を務める齋藤晴加文科省参事官に、その方向性を詳細に語ってもらった。
【9月28日号】 日本年金機構の薄井康紀副理事長へのインタビューを特集。発足8カ月余りの同機構の状況、課題を聴いている。アンケートで「相談に親切に対応してもらった」との声があるなど、「国民はお客様」の意識が浸透してきたようだが、自治体との連携、職員の能力などに課題がある。連載「揺れる障害者自立支援法と施設、事業所」の6回目は「違憲訴訟の和解と障がい者制度改革推進会議の対応」。今年1月に厚生労働省と違憲訴訟原告団との基本合意、6月の改革推進会議の意見を取り上げる。特集「自殺予防対策、秋田のキーマンに聞く」の4回目にNPO法人「蜘蛛の糸」理事長の佐藤久男氏が登場。秋田県で経営者の自殺を10年間で半減することを目標に活動していることが分かる。「インタビュールーム」には鹿児島県の下高原哲朗健康増進課長にCT肺がん検診による早期発見に尽力する狙いを聴いている。
【10月1日号】 時事通信ホールで開催された「がんから住民を守る」自治体実務セミナーを特集する。自治医科大学の高久学長、厚生労働省の高岡がん対策推進室長補佐、癌研究会の武藤常務理事、日本医師会の原中会長らの講演内容を分かりやすく紹介する。「自殺予防対策、秋田のキーマンに聞く」の5回目は秋田県の岩間健康推進課長。自殺予防の条文を盛り込んだ条例、医師会や大学との連携、地域のネットワークなどについて尋ねている。「インタビュールーム」では「すべての肝炎患者の救済を求める全国センターの児玉事務局長にセンター設立の経緯、活動方針、課題を質問している。
【9月28日号】 「地方税法総則─基礎から実務まで─」第34回は、引き続き「連帯納税義務」を取り上げる。税の徴収は、「納税の告知」が大前提となる。例えば一つの不動産を共有するA、Bが固定資産税30万円の連帯納税義務を負っていて、Bの負担部分15万円について納税の告知がないまま時効期間を過ぎた場合、納税義務が消滅してしまったBの負担部分をAから徴収することはできない。ただし、Bの持ち分を差し押さえていれば時効は進行せず、納税義務も消滅しない。
【10月1日号】 日本の消費税率(5%)は、経済協力開発機構(OECD)諸国中最低の水準にある。これに対して北欧諸国の税率は高く、特にスウェーデンでは25%にも達している。早大政治経済学術院の馬場義久教授による新連載「高福祉国家と消費税─スウェーデンからの教訓─」では、同国がこれだけの高税率を実現させ得た理由について、歴史的・経済的側面から解明を試みる。第1回は、同国の高福祉政策の特徴と国民の高負担について。スウェーデンの地方公務員の数は1965年以降の28年間で2.5倍に膨れ上がり、特に女性公務員の割合が増大した。筆者はこの経過の中で、地方政府による公的サービスの充足と女性の「社会進出」が同時に図られ、「家庭内で行われていた子供と高齢者のケアを公共部門に移行させたとも言える」と分析。また同国の高福祉─高負担政策は、必ずしも税金による豊かな者から貧しい者への再分配ではなく、同一の個人が勤労期に多額の税を支払い、高齢期に年金や福祉サービスを受益する「個人内での所得平準化政策」の色合いが強いとしている。
【9月27日号】 イソップ寓話を例に挙げながら、債券動向の観点から日米関係について分析した「いつまで続く日本勢の米国債買い」と題する記事を掲載した。それによると、「先進国経済の二番底懸念を背景に、国際的な資金が安全資産に逃避するため、日米欧の市場で国債買いが活発化し、長期金利が急低下している。これは、1990年代の土地バブル崩壊後に日本が経験した長期デフレが米国などで再現される兆しとも受け止められている。しかし、日本と米国ではその国民性、文化性に根差した本質的な相違がある。米国は日本型の長期デフレ経済を心配するどころか『日本にすらなれない』状況もあり得る。そして、こうした米国の行く末を見通した時、日本が今後も米国債を買い増し、保有し続けるにはよほどの覚悟が必要だと思われる。」などとしている。
【9月30日号】 連載企画・IPフロントランナーの一環として「来春にも事業適合性判定を開始」と題する、林いづみ・日本知的財産仲裁センター運営委員長へのインタビュー記事を掲載した。それによると、林運営委員長はJIPACの利点について「裁判に比べて費用が安い上、非公開性や手続きの柔軟性などが特徴であり、もっと活用してほしい」と強調。その上で、中小企業が持つ知的財産を有効に利用することを目的に、例えば取引先金融機関の融資の判断材料などにしてもらうための新業務「事業適合性判定」(仮称)を来春にも開始する意向を示した。