【2月7日号】 菅再改造内閣で、経済産業相に就任した海江田万里氏のインタビューを掲載。環太平洋連携協定(TPP)への対応をはじめ、法人税減税、レアアースの確保策などに対する取り組み方針を聞いた。このうち、TPPについては、日本が参加するメリットを問われ、「今の世界経済の成長の原動力はアジア太平洋地域にある。少子化、高齢化が進む日本にとって、このアジア太平洋地域の成長をどう取り込むかということが非常に大きなキーポイントになる」と指摘。その「包括的な枠組みとしてTPPを捉えている」と強調した。TPPに対しては農業関係者の反対も強いが、同氏は「私は決して農業を犠牲にして世界に物を売るという発想ではない。農業もこれをチャンスと捉えて、自己改革をしていただきたい」と訴えた。
【2月10日号】 「プレ統一地方選」として注目された名古屋市長選と愛知県知事選は、事前の予想通り、河村たかし前市長と大村秀章前衆院議員連合が圧勝した。これに合わせて行われた名古屋市議会解散の是非を問う住民投票も河村氏の思惑通り成立し、3月13日に出直し市議選が行われる。「名古屋の乱、全国へ波及必至」の解説記事によると、知事・市長ダブル選は、河村、大村両氏の「首長新党」対自民、民主両党の「既成政党」の図式となったが、河村氏らが圧勝したことで、統一地方選では他の地域の「首長新党」の急伸も予想され、将来的には「地域政党連合」が国政をも動かす存在となる可能性が出てきた。また、全国一の「民主王国」でいずれも同党推薦候補が敗れたことで、菅直人首相(党代表)と岡田克也幹事長の責任問題も浮上しているという。
【2月8日号】 筑波大学附属は、進学校と特別支援と簡単に割り切らないでほしい。40〜50代のおとうさん世代にとって、高校は普通科と職業科、という認識かもしれない。違います。もう一つ、「総合学科」がある。1994年に第三の学科としてスタートした先進研究校に筑波大学附属坂戸高等学校がある。連載「筑波大附属の実践」は今後4回にわたって、その坂戸高校のリポートが続く。生徒の意欲とキャリア教育をどうマッチさせるか。その現場での試行錯誤は、具体的で、興味がそそられる。
【2月8日号】 主要省庁の2011年度予算案詳報の2回は経済産業省。「生活支援ロボットなど医療・介護産業を育成─環境・エネルギー関連も重点」と題して太陽電池やエコカーなど低炭素産業の育成、人工多能性肝細胞の関連技術開発など医療・介護・健康関連産業の育成などの重点施策を紹介する。連載「〝最貧国〟の最新事情」の最終26回目は「まとめに代えて『バングラデシュ的五つの事柄』」。バングラデシュのイスラム教徒の日常生活、トイレ事情の改善、防犯の心得、隣国ブータンとの関係、子供の増加を取り上げている。「地域を支える」には静岡県沼津市でスルガ銀行が県や市とともに設立した特例子会社「エイ・ピー・アイ」(API)を紹介。同社が重度障害者を正社員として雇用して封筒、名刺などの印刷、製本に取り組み、作業を通じて技術習得を図っている状況が分かる。
新連載「ビギナーのための『中小企業会計指針の基礎』」は、2005年8月に日本税理士会連合会などの検討委員会が公表した「中小企業の会計に関する指針」の内容などを織り込みながら、中小企業が適正に会計処理を行う上での留意点を解説していく。会計表記の統一化・国際化が進む中で、中小企業に対しても、取引先や資金調達先の信頼を高めるために適切な会計基準に基づいたディスクロージャーが求められ始めている。上場企業には10年3月期から国際会計基準(IFRS)が任意適用され、数年後には強制適用となる見通しであることから、中小企業にもIFRSの強制適用があり得るのではないかという憶測が広がった。金融庁が昨年4月、「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」という文書を公表するに及んで、こうした懸念は一定程度払拭(ふっしょく)されてはいるが、中小企業の実態・特性に合った会計基準はどうあるべきかという関心は一層高まり、官民それぞれで検討が重ねられている。
【2月7日号】 「ユーロ圏の弱点象徴するソブリンリスク」と題して欧州でのソブリンリスクに関する特徴についてまとめた記事を掲載した。それによると、「現在のユーロ圏は、ドイツやフランスなど強大な国家を含む連合体であり、国際収支面からの通貨危機の懸念は今のところ指摘されていない。単一通貨を導入し、政治プロセスを統合する方向にありながら財政主権は加盟各国に残され、財政統合が進んでいないことや、加盟国間の財政支援メカニズムが不完全であるといった弱点に起因する個別国の財政信認の喪失が『ユーロ圏ソブリンリスク』の本質だろう。アイルランドでは財政危機が顕在化する前に資本の逆流が起きたという点で、アジア通貨危機と同様の『資本収支危機』を想起させる。ギリシャ危機はアジア危機のような資本収支危機ではなく『財政主導危機』である点で、1980年代の中南米での経済危機に近い。ユーロ圏ソブリンリスクは、こうした『資本収支危機』と『財政主導危機』のハイブリッドであるという特徴がある。21世紀型経済危機の新しい形態と言えよう」などとしている。
【2月10日号】 「米経済の中心は個人消費へ」と題して日米の経済動向を分析した記事を掲載した。それによると、「これまで米国の景気回復において牽引役の中心だった在庫投資は2010年10〜12月期に大幅なマイナスに転じ、これに代わって個人消費がその主役となった。株価の上昇を主因に10〜12月期は『出来過ぎ』の感もあるが、減税に下支えされて個人消費は堅調な伸びを続けよう。新興国での金融引き締めが相次ぎ、これら諸国での景気の下押しが懸念され、日本の輸出の先行きには不透明感が漂っている。個人消費も需要を先食いしてしまっており、失速が避けられない。日本は景気のリード役を失うことになろう」などとしている。