早読み行政誌

巨大広域震災、災対法の想定外!(2011年3月28日〜4月1日号)

地方行政

【3月28日号】 連載「自治体の防災危機管理」で、3月11日に発生した東日本大震災を取り上げている。同震災は複数の都県が同時被災した戦後初めての超巨大・広域災害で、これまでの震災と著しく異なる点として次の五つを挙げている。すなわち、(1)都道府県の枠を超えた巨大かつ広域災害(2)太平洋岸の津波被害(3)福島原子力発電所事故(4)鉄道停止による帰宅困難者や長周期地震動による東京の被害(5)支援の遅れ──だ。災害対策基本法の枠組みでは、災害対応の中心は被災した市町村であり、それを県が支援し、県単位で完結することが想定されている。しかし、今回は市町村そのものが壊滅的な被害を受け、支援の受け皿にすらなれない状況に。また、支援の遅れも著しく、地震後10日たっても多くの被災地では通信が途絶えたまま。ガソリン不足でボランティアも十分な活動ができない。市町村への支援も、誰も調整せず組織だっていないため、全く応援を受けられずに職員は疲弊していった。

【3月31日号】 愛知県大村秀章知事が就任1カ月のインタビューに応じた。「盟友」と呼び合う河村たかし名古屋市長と共に住民税減税や県・名古屋市を合体させる「中京都」構想という共通政策を掲げ、「世界と戦える大都市、愛知・名古屋をつくる」と強調。目線の先には中国・上海やシンガポールなどアジアで発展を遂げる大都市があり、そうした大都市に競り勝つには減税と規制緩和を進め世界からヒト・モノ・カネを集める戦略が必要と訴える。また、「民主主義では議会での多数決が最後の勝負」と語り、次は4月10日の愛知県議選で、自身が率いる「日本一愛知の会」と「減税日本」の公認・推薦候補で過半数獲得を目指す。

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内外教育

【3月29日号】 巻頭の「あすの政策インタビュー」は、中央教育審議会メンバーに加わった北城恪太郎日本IBM顧問。教育事情に最も詳しい財界人と言われるだけに、的確な指針を示している。「大学入試がゆがみの原因「校長に権限委譲を」と提言。「多くの大学では、教員は評価なしで、一律昇給している」と特に、大学への厳しさが目を引く。

【4月1日号】 コミュニティー・スクール。民主党政権の文教政策のキーワードである。必ずしも、各方面に浸透しているとはいえないが、文教行政の鍵を握る鈴木寛副大臣が、自著の中でも何度も言葉だ。地域に根差し、学校のガバナンスを明確にし、その中で子供たちに先生との縦の関係だけではなく、地域の人たちとの斜めの関係も結ぶ「学びの場」だ。実際の学校現場ではどうなっているのか。大阪市池田市の市立池田中学のリポートは、その実態を浮かび上がらせている。見出しは、「性善説の学校づくり」である。あなたはこの学校をどう受け止めますか?

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厚生福祉

【3月29日号】 3回連載の「中国医療ルポ・ビジネスと交流の可能性」は最終回。近い将来、日本以上に深刻化するという高齢化社会を見据え、不動産企業による1万2000床の高齢者施設など、高齢化にビジネスチャンスを見出す動きをレポートする。3月前期の社説拝見では、「東日本大震災に支援の手を」として被災者の救命・救援や原発事故、計画停電をめぐる各紙の見解を紹介したほか、主婦年金救済問題などを取り上げた。

【4月1日号】 連載「進む営利法人の『福祉参入』」5回目は、前回に引き続きニチイなど介護企業の事業展開について、決算書の内容や有価証券報告書に表れる今後の取り組みからひも解いていく。水道水から放射性物質が検出された問題を受け、各学会が冷静な対応を呼び掛けた見解を紹介。インタビュールームは、山形県高次脳機能障がい者支援センターの豊岡志保副センター長に、支援への思いを聞く。2011年度厚生・労働・環境関係予算の連載8回目は、新潟市、香川県、愛知県。

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税務経理

【3月25日号】 シリーズ「中小企業会計指針の基礎」の第3回では、会社法の計算書類のうち、損益計算書について詳述している。「損益計算書は、企業の一定期間における収益と費用の状態を表すために複式簿記と呼ばれる手法で貸借対照表などと同時に作成され、その企業の株主、債権者その他利害関係者に経営成績(収支状況)に関する情報を提供する財務諸表である」と、その概要を説明した上で、損益計算書の項目、表示すべき損益項目、税効果会計について解説している。このうち、税効果会計では、その定義を説明した後、通常、企業会計上の利益と税法上の課税所得とは一致しない点を指摘し、税効果会計を適用しない場合と適用した場合のメリットなどを紹介している。

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金融財政ビジネス

【3月29日号】 「検証・租税判決から見た不動産の時価」の第11回では、固定資産税の評価対象となる土地が、平たんな宅地だけでなく、傾斜地そのものや、傾斜地を含む宅地をはじめ、地勢の状況だけでもさまざまな形態のものがあることに着目。こうした特殊案件の中から、がけに隣接した宅地が評価対象になるケースについて、固定資産税の評価に関して下された判決事例を紹介している。

【4月1日号】 近年注目度が高まっている家屋評価について、部分別の解説と評価計算を行う基礎講座「固定資産税の家屋評価実務・初級編」の第3回では、固定資産評価基準による評価および価格等の決定と、その評価事務を取り上げている。評価事務の解説では、固定資産税のような固定資産評価員制度を持たない不動産取得税の評価についても触れている。

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