早読み行政誌

学校管理職のなり手がいない!(2011年7月4日〜7月8日号)

地方行政

【7月4日号】 一年を通して温暖で台風などの災害も少ない愛媛県は、かんきつ類の収穫量日本一を誇る。その「かんきつ王国」が一年中かんきつ類を出荷できる「周年出荷」体制づくりに挑戦している。特集記事によると、愛媛県では10月ごろから「温州ミカン」の収穫が始まり、12月ごろから翌年6月中旬にかけて「はれひめ」「デコポン」「いよかん」「せとか」「清見」「河内晩柑」などが順次、収穫時期を迎える。ほぼ10カ月間にわたってさまざまなかんきつ類を消費者に提供しており、周年出荷を目指すには夏季にも対応できる品種の開発や、長期保存技術の向上がカギになるという。しかし、こうした取り組みの一方で、王国を支える農家に目を向けると課題も少なくない。耕作地の多くが急峻な斜面にあるため、作業がきつく、生産者の高齢化が進むとともに耕作放棄地が増加。後継者不足も深刻だ。イノシシやヒヨドリなどの鳥獣被害も増えている。

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内外教育

【7月5日号】 東京学芸大附属の実践は、世田谷小学校の2年生の「たんけん」学習を紹介している。学校近くの探検に出掛けるため、まず、航空写真を手掛かりに学習はスタート。子供たちは学校の南側にあるくねくねした緑色の列に気付いた。「何だろう?」。その近くに住む子が「のみがわりょくどうっていうんだよ」。早速、探検に行く。その緑道に行くが、水がどこにもない!「川なのに水がない」。そもそもの水源に始まり、暗渠のシステム、暗渠になった理由、暗渠になったメリット、デメリット—子供たちの学びは尽きない。

【7月8日号】 全国の公立中学の校長で構成する全日本中学校長会。略して全日中。その会長に就任した大江近・東京都渋谷区立上原中学校長の巻頭インタビュー「あすの教育」が目を引く。教員免許更新制の廃止をいったん打ち出しながら、政権に就いた後は廃止もままならず、質の改善のためにと掲げた教員養成6年制に向けた動きも明確にはなっていない。大江会長は現場を預かる校長の立場から厳しい視線を注いでいる。「教員養成系大学の教員の質は、とても疑わしい」「問題は人材の枯渇だ」「学校の管理職になろうという人も、いない」。何がこうさせたのか。じっくり言い分を聞いた。

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厚生福祉

【7月5日号】 環境に優しい「エコ○○」「グリーン○○」は数多くあるものの、病院はまだ少ないだろう。医療機関・福祉施設の節電対策、今回は「次世代グリーンホスピタル」足利赤十字病院の例を紹介。国土交通省の住宅・建築物省CO2推進モデル事業に採択され、風力・太陽光発電などを取り入れた地域中核病院だ。実際の省CO2効果そのものよりも、取り組みを目に見える形で示すことによる意識付けが重要という。社会保障・税の共通番号制度の政府大綱案がまとまり、懸念される点などの解説と合わせて掲載。連載「進む営利法人の『福祉参入』」18回目は、引き続き介護事業の生産性に焦点を当てた。

【7月8日号】 紆余曲折を経てようやく決まった社会保障と税の一体改革案。政府・与党内での攻防の末、当初の案で示された具体策はかなり変更・削除、または時期をぼかすなどされ、先行きの不透明感が募る。政府内の動きを中心に、関連記事をまとめた。医療機関・福祉施設の節電対策では、電気使用量をリアルタイムに監視する装置の導入など、地道に省エネに取り組む社会福祉法人天竜厚生会の例を紹介する。このほか、臓器売買事件の続報や、東日本大震災被災地のハエ大量発生問題への対応などを掲載。

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税務経理

【7月5日号】 最終ページ掲載の「私の苦心」欄は、「希望の実現と次にとるべき行動」と題し、公認会計士・税理士の本塚雄一郎氏が寄稿。「Getting Things Done」の著者で知られる米国のデビッド・アレン氏が提唱するGTD(仕事を成し遂げる技術)を紹介する形で、経営者がリーダーシップを発揮して経営計画を推進するためには、「先のことより、まず今の状況(仕事)をしっかり把握することが大切であり、計画達成のため次に取るべき具体的な行動の設定とその着実な推進が重要」と強調している。

【7月8日号】 巻頭の「フォーラム」は、名古屋市立大学名誉教授の牛嶋正氏が「復興への臨時増税と所得税」と題し、政府の東日本大震災復興構想会議が6月末に首相に提出した「復興への提言」に関して寄稿。提言では「復興の財源を確保するため、基幹税を中心に臨時増税を多角的に検討すべきだ」としている点に触れ、基幹税の一つである所得税について「これまで増税のための税制改正をほとんど行ってこなかった所得税で、臨時増税とはいえ、増税を行うことができるか」と疑問を呈しながらも、「見方によっては、減税のための税制改正で少しずつ失ってきた基幹税としての風格ないしは規律を少しでも取り戻す絶好の機会」とも指摘している。

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金融財政ビジネス

【7月7日号】 「到来した『地球高齢化』時代」と題して、世界の人口動態に関するまとめ記事を掲載した。同記事は「従来、人口の高齢化は国内政策上の問題として考えられてきた。しかし、1990年代から加速したグローバル化によって、人口動態の変化が『ヒト、モノ、カネ』のストックやフローに与える影響が地球規模で駆け巡る『地球高齢化』時代が到来している。そうした中で日本は、地球高齢化の第1波を起こすだけにとどまらず、第2波を起こす可能性が高い中国と隣り合わせており、長期的な経済の低迷という『ダブルパンチ』を食らう時代が迫っていると言えそうだ」としている。

 また、「脚光浴びるシェールガス」と題して、米国で採掘が本格化しているシェールガスの現状説明と将来の見通しに関する記事を載せた。同記事によると、「原油高が世界経済の回復を妨げ、石炭火力発電所から排出される煙が人体や地球環境を蝕み続ける中で、輸送燃料や発電に果たす天然ガスの役割が一躍脚光を浴びている。近年、米国で採掘が本格化し、想像を超える埋蔵量で全世界に衝撃を与えた『シェールガス』が、潤沢なエネルギー源として、大気汚染や地球温暖化への現実的な対策として有望視されているためだ。東京電力福島第1原子力発電所の事故をきっかけに『脱原発』の機運も高まる中、シェールガスは自然エネルギーと共に、世界のエネルギー構造を大きく変える『革命』にもつながる可能性を秘めている」としている。

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