早読み行政誌

全国がん専門病院の全データ(2011年8月1日〜8月5日号)

地方行政

【8月1日号】 民間シンクタンクの「東京財団」(加藤秀樹理事長)が開講している市区町村職員向け「週末学校」で、公開講座の模擬事業仕分けが7月17日、東京・赤坂の同財団で行われた。事業仕分けは提唱者である「構想日本」が手掛ける手法を踏襲し、研修生29人が4班に分かれ、各班がそれぞれ二つのテーマについて仕分けを実施。出身自治体が取り組む事業の課題や意義を研修生が説明し、他の研修生が問題点を指摘しつつ意見を戦わせた。対象事業の一つとなった山口県萩市の定住促進対策事業の仕分けでは、大方の議論が事業の目的は何かという「そもそも論」に集中。説明者は分かっているつもりでも、行政経験のある他自治体の職員から突っ込まれて初めて気が付いた点もあるようだ。ちなみに、判定員(研修生)による仕分け結果は「不要」2人、「再検討・見送り」1人、「要改善」4人で、結果は「要改善」だった。

【8月4日号】 連載「ソーシャルメディアの活用」の3回目は「ツイッターのメリット」がテーマ。ツイッターの効果的な使い方としては、まず「対話ツール」として使うことが考えられる。対話を通して情報を共有し、共感を得てお互いに好感を抱く。すべての住民と対話することは物理的に不可能だが、ソーシャルメディアはそれを可能にしてくれる。「行政=伝える人・統治する人、市民=伝えられる人・統治される人」といった関係ではなく、まるで友だちのような信頼関係を築くことができれば、一方的な行政批判も減少するのではないか。そして、東日本大震災のようなクライシスでは便利な情報発信ツールとなる。この場合は、とにかく迅速に情報を発信することが先決である。ツイッターは140文字以内で情報を伝える仕組みなので、瞬時に内容を把握できる。そのため、RT(リツイート)機能で多くの市民が情報を拡散させてくれた。

地方行政表紙 地方行政とは

内外教育

【8月2日号】 元読売巨人軍の選手だった福王昭仁氏は7月の半ばの猛暑の放課後、東京都世田谷区立東深沢中学のグラウンドに立っていた。元プロ野球選手がなぜ?同校の野球部を指導する外部指導員の立場で中学生を指導していた。部活の指導は現場教師にとって大きな負担になっている。東京都世田谷区は技術指導のできる外部の人材を招くことを2006年から制度化した。全ての問題がこの制度化で解決した訳でもない。部活動指導の問題を今号から3回に分けて考える。

【8月5日号】 ちまたで使われる言葉がやたらと丁寧になっていないか。電車に乗ると、異常なまでの低姿勢の車内アナウンスもある。たった2、3分程度の遅れで「到着が遅れまして誠に申しわけありませんでした。皆さまに深くおわび申し上げます」。「バカ丁寧化する日本語」というタイトルの新書まで登場した。「お客さま」という言葉が絶対敬語化していくことで相手との人間関係を推し量ることをできにくくしてはいないか。好評連載「モンスターペアレント論を超えて」は、丁寧さの裏側に潜む教育現場での落とし穴を指摘した。

内外教育表紙 地方行政とは

厚生福祉

【8月2日号】 国立がん研究センターが、全国のがん診療拠点病院約360施設の「院内がん登録」データ(2008年分)を公表。約43万人分を分析、その年のがん罹患者全体のおよそ6割を網羅するという。施設名入りの公表は初めてで、それぞれの特性などが見て取れる。施設の一覧表と併せて掲載した。「地域を支える」は、母親目線で編集された岐阜県の子育て情報紙「にらめっこ」を取り上げる。7月前期の「社説拝見」は「玄海原発、早期再稼働は困難に」と題し、再稼働問題や菅直人首相の脱原発宣言、さらに肉牛のセシウム汚染問題、社会保障と税の一体改革案決定などをめぐる各紙の論調を紹介した。

【8月5日号】 三重県地域医療研修センター・奥野正孝センター長による「進言」のタイトルは「へき地は医者をステキにする」。限られた行数でへき地医療の魅力を語るステキな文章である。連載「進む営利法人の『福祉参入』」22回目は、3回にわたり利用料金と平均単価の決定要因を探った最終回。特定施設入居者生活介護(特定施設)、介護老人福祉施設(特養)などの介護報酬体系を、多くの表を用いて解説している。東日本大震災関連で、労災申請が想定の半数未満にとどまるとのニュース。制度や手続きを理解していない人が多いとみられ、周知が課題となっている。

厚生福祉表紙 地方行政とは

税務経理

【8月2日号】 総務省が地方税制度の改革に向け、研究会を設置して検討を始めた。2012年度税制改正での実現を目指し、10月をめどに中間報告をまとめる。具体的な検討事項や改正方向などに関する解説記事を掲載。それによると、地方税に関する政策減税の適用の是非を自治体が条例で決定できる「法定任意軽減措置制度」の創設、法定外税の新設・変更に関する国の関与の見直し、消費税・地方消費税の賦課徴収に関する自治体の役割の拡大─の3項目について、中間報告で提言する

【8月5日号】 巻頭の「フォーラム」は、衆院議員で税制に詳しい滝実氏が「消費税の仕組みを変えよう」と題して、寄稿。政府が決定した社会保障と税の一体改革案などで検討課題となっている消費税増税に関連し、年間売上額3000万円から1000万円に変更された小規模事業者に対する免税基準の在り方など、現行の消費税制が抱える問題点を指摘。「小規模事業者の範囲が絞られた結果、消費税を取引価格に転嫁できない事業者が多くなり、こうした事業者は自腹を切って消費税を納付せざるを得ない状況に追い込まれている。このような実態を無視して消費税増税を進めることにでもなれば、廃業せざるを得なくなる事業者が少なくないのではないか」などとして、具体的な提案をしている。

税務経理表紙 地方行政とは

金融財政ビジネス

【8月1日号】 「白紙に戻ったIFRS論議」と題して、国際会計基準をめぐる最近の動向を分析した記事を掲載した。同記事は「2011年6月30日。この日付は、日本の会計界にとっても世界の会計界にとっても特別な日になるであろう。国際的には、これまで国際会計基準審議会(IASB)の議長として国際会計基準(IFRS)と時価会計を世界に広めることに全身全霊を注いできたトゥイーディー氏が任期を満了して退任した日である。トゥイーディー氏と二人三脚でIFRSをリードしてきた米財務会計基準審議会(FASB)のハーズ議長は2期目の任期を2年残し、理由も明かさず10年9月末に電撃的に辞任した。これにより、『国際線のジャンボ機』(IFRS)は、パイロットを、それも機長と副操縦士を共に失った形になった。この日を境に、IFRSが大きく『失速』してもおかしくないだろう」としている。

【8月4日号】 「問われる金融機関と政府の距離」と題して、欧州で顕在化しているソブリン危機が金融システムなどに及ぼす影響などについてまとめた記事を載せた。同記事は「先進各国が構造的な問題を抱える中で、欧州で顕在化しているソブリン危機の金融システムへの波及リスクが依然として残っている。リスク回避を狙った『マネー』は限られたリスクフリー資産に向かうため、それ以外のクレジット商品と化した国債のリスクプレミアムは上昇しやすい。現在の世界的な金融規制の強化は、金融機関と政府の距離を広げる面があり、マクロの視点からは社会全体のコストを増加させる可能性にも留意すべきであると筆者は考える」としている。

金融財政ビジネス表紙 地方行政とは