早読み行政誌

嫌いな給食メニュー、トップは「魚」(2011年11月7日〜11月11日号)

地方行政

【11月7日号】 政府は、国家公務員給与を平均0・23%引き下げる2011年度の人事院勧告を見送り、同給与を平均で7・8%引き下げる給与臨時特例法案の早期成立を目指すことを決めた。東日本大震災からの復興財源を捻出するためで、人勧の実施見送りは1982年以来29年ぶり。同法案は、復興財源確保の一環として先の通常国会に提出され、継続審議となっている。成立すれば人勧よりも大幅に給与が引き下げられるが、連合の古賀伸明会長は人勧の実施を見送り、特例法案と公務員制度改革関連法案の成立に全力を挙げるよう野田佳彦首相に要請した。労組自らが人勧より大きな引き下げを求めるのには違和感があるが、これは同時に成立を求める公務員制度改革関連法案が労使交渉により給与改定や勤務条件などを決める「協約締結権」の付与を盛り込んでいるからだ。ただ、人勧の実施見送りに対し、人事院は合憲性に問題があると指摘。自民党も「(特例法案が)締結権付与と交換条件になっているなら論外だ」と批判しており、国会審議は難航する可能性もある。(内政フォーカス)

【11月10日号】 魚離れが進み、平成18年には初めて肉類の摂取量(1人1日当たり)が魚介類のそれを上回った──。これは、平成20年度版水産白書の報告である。小学生が嫌いな学校給食のトップは「魚全般」で、魚料理が嫌いな理由は「骨があるから」「食べるのが面倒」「食べるのに時間がかかる」「においが嫌い」などとするリポートもある。こうした中で、これから魚の需要をどう取り戻し、食文化としての魚をどう伝えていくか。魚離れは東京だけで起こっているのではなく、地方でも同様に起こっている。ただし、山口県萩市の道の駅「萩しーまーと」や愛媛県今治市の直売所「さいさいきて屋」など、全国には元気な店もある。こうした所では次のような共通項が挙げられる。(1)商品構成を人任せにせず、自分たちの視点でそろえている(2)地元の魚を知り、旬の料理をしっかり出している(3)既成の土産品などは仕入れず、オリジナル商品に主眼を置いている──などだ。(木曜連載「地域力と地域創造」)

地方行政表紙 地方行政とは

内外教育

【11月11日号】 児童虐待がさらに悪化の一途をたどっている。今回の11日号から五回に分けて、11月は児童虐待を集中して取り上げる。連載「学校が救える命」。児童虐待というと、家庭の問題でもあるのだが、家庭—学校—児童相談所、そして時には病院や警察まで、その問題に関係する機関は増える。その狭間で大事な命が失われているのではないのか。その視点から、振り返った。取り上げるのは、2010年1月に起きた東京都江戸川区の小学1年男児の死亡例。学校は虐待に気付けなかったのか。もう一度、関係者に取材し、綿密に検証した。

内外教育表紙 地方行政とは

厚生福祉

【11月8日号】 連載「12年度介護報酬改定の焦点」5回目は、引き続き「24時間対応の定期巡回・随時対応サービス」がテーマ。この新たなサービスを介護事業者はどう見ているのか、経営上の課題や収支は──といった内容を、これまでの議論や検討会報告書の中から点検する。「インタビュールーム」は、「日本一子育てしやすい街」を目指し、子育中の母親支援を行うNPO法人の理事長、宮澤由佳さん。子育ての悩みを共有できずに苦労した体験に基づく、地に足の付いた活動は力強い。10月31日に世界人口が70億人を突破した。先進国での社会保障制度の危機や、出生率の高い最貧国での貧困長期化などがあり、良い面ばかりではないが、東日本大震災の被災地にも「70億人目の赤ちゃん」が生まれたというのは心温まるニュース。

【11月11日号】 栃木県の社会福祉法人が、食べ物の飲み込みが困難な高齢者向けの「ソフト介護食」の開発・普及に取り組んでいる。ミキサーにかけて原材料が分からなくなった「ミキサー食」とは異なり、見た目や味を一般の食事に近づけたソフト介護職は、お年寄りに食べる意欲と喜びを取り戻させる。特集記事「嚥下障害の高齢者に手作り介護食」では、その取り組みを紹介するとともに、意義や普及への課題などについて行政担当者や識者に尋ねた。「進言」では、産官学が連携した佐賀県の「高齢者虐待防止ネットワーク」構築の動きを紹介する。

厚生福祉表紙 地方行政とは

税務経理

【11月8日号】 最終ページ掲載の「私の苦心」欄では、「滞納整理の『定石』」と題して、横浜市財政局債権回収担当部長の鷲巣研二氏が同市の取り組みを紹介。同市役所でのこれまでの仕事の約半分が滞納整理に関わるものだったと振り返りながら、「これまでの私の経験から、これだけは確信を持って言える滞納整理の定石」について、その一部を紹介。第一は、滞納整理は「組織として取り組まなくてはならない」。第二は、整理の方向性は「滞納者の話(主観)だけで判断しない」。第三は、滞納者との折衝では「言葉遣いは丁寧に、姿勢は毅然(きぜん)として臨む」。それぞれについて、さらに留意点などを示している。

【11月11日号】 巻頭の「フォーラム」では、弁護士の石黒清子氏が「銀行預金の差押え」と題して寄稿。高裁判断では二つに分かれていた債権差押命令の申し立て方式に関し、今年9月に示された「大規模な金融機関の全ての店舗または貯金事務センターを対象として順位付けをする全店一括順位付け方式による申し立ては、差押債権の特定を欠き不適法である」との最高裁の初判断を紹介した上で、最高裁判断を実効あるものにするためにも、財産開示制度など制度的な改善を提起している。

税務経理表紙 地方行政とは

金融財政ビジネス

【11月7日号】 「『流儀』へのこだわりとドイツ人の意識」と題して、ユーロ圏の債務危機に関する分析記事を掲載した。同記事は「日本の新聞が1面で欧州の債務危機を取り上げる日が増えている。欧州通貨統合に参加した国々(ユーロ圏)のうち、周縁国と呼ばれるギリシャやイタリアなどの財政悪化問題が、世界の経済や金融システムを揺るがす大きなリスク要因になっているからである。問題の所在と処方箋がはっきりしているにもかかわらず、欧州債務危機はなぜここまで長期化・深刻化してしまったのか。突き詰めて考えると、二つの問題点が浮かび上がってくる。それは『欧州の流儀』へのこだわりと、ドイツ人の『欧州人』としての意識の不十分さである」としている。

【11月10日号】 「米GDPの持ち直しは一時的」と題し、11月の景気動向と金融情勢についてまとめた分析記事を載せた。同記事は「7〜9月期の米国の実質GDP(国内総生産)は1年ぶりの堅調な内容となったが、貯蓄率を大きく低下させて実現した個人消費の伸びによるところが大きく、これを持続させることは困難だろう。先行き減速していくことは不可避とみられる。一方、日本の7〜9月期のGDPも、東日本大震災による落ち込みの反動でかなり好調なものだったと見込まれる。しかし先行きは、復興関連予算に支えられる公的需要と、復興需要が顕在化し始めた住宅投資以外、期待できる状況にない。日本経済も減速は必至と見込まれる」としている。

金融財政ビジネス表紙 地方行政とは