【6月18日号】 某一流企業が社員の仕事ぶりをエスノグラフィー(行動観察)した結果、電話や上司呼び出し等で、仕事が一度とぎれて、仕事を再開して「元の状態に復活するのに21秒(平均値)かかる」そうです。中断の頻度は数分に1回で、これでは仕事にならないと「集中時間帯、集中部屋」を設ける業務改革に着手しました。集中時間帯とは、電話・話し掛け・メールを禁止する時間帯をつくることです。この時間帯、外部からの電話は全てセクレタリーが「当事者は今、外出中と告げて(居留守にして)」対応します。集中部屋とは、集中時間帯以外に集中したい社員用の部屋を確保することです。わかりやすく言えば「集中時間帯、集中部屋」とは、オフィスに図書館のように静かで集中できる場所・時間帯をつくることです。この両制度は非常に好評で現在、一流企業にかなり普及しています。両制度の普及は、次のことを示唆しています。上司は部下を呼び付けたり指導したりする場合、人(部下)の仕事・思考を中断する弊害をもっと認識したマネジメントが求められています。(月曜連載「施策や施設をつくる前に『顧客を創る』地域再生」より)
【6月21日号】 財団法人地域活性化センターは、「ふるさと情報コーナー」(東京・日本橋)で2011年度に提供された市区町村パンフレットの「人気ベスト30」をまとめた。NHKの大河ドラマ「平清盛」にちなんだパンフを作製した神戸市が1位。また、江戸情緒あふれる浅草を紹介した東京都台東区のパンフは、隣接する東京スカイツリー(墨田区)の効果もあって4位に入った。同センターが市区町村別に集計するのは初めて。(中略)それによると、トップは神戸市の「KOBE de 清盛 2012」で668部。大河ドラマの放送に合わせて同市中央区のJR神戸駅近くに誕生した「ドラマ館」、同市兵庫区で清盛が生きた平安時代の歴史や神戸の港の歩みなどが学べる「歴史館」といった清盛関連の施設、イベントなどを紹介している。以下、金沢市の「金沢市観光マップ」(602部)、札幌市の「さっぽろ観光マップ」(545部)がベスト3。清盛人気に沸く神戸市は、「神戸・清盛隊と行く KOBE」が5位(508部)、「神戸DE清盛 1dayパス」も29位(319部)にランクインした。(「11年度の自治体『人気パンフ30』」より)
【6月19日号】 埼玉県教委が3.11の体験を集め、道徳資料集「心の絆」を作成した。津波で教われるまで防災無線で住民に避難を呼び掛け続けた宮城県三陸町職員の遠藤未希さんや、肉親を亡くした小学生らの悲しい体験などを基にした資料12編を収録した。悲しみや苦難に立ち向かった体験がつづられた資料集は、生命を尊重する心や他者を思いやる温かい心を養う「生きた教材」となっている。全国の教育関係者からも問い合わせが相次ぎ、反響が広がっている。その編集の舞台裏の苦労や配慮もまた興味深く再現されている。
【6月22日号】 学校にイチャモンをつける保護者とどう向き合うかをテーマに始まった大阪大学大学院の小野田正利教授による連載「モンスター・ペアレント論を超えて」。連載開始は2010年7月。間もなく3年目に入る。社会現象として全国の学校でトラブルが、今も続いている。不謹慎な言い方だが、その問題の広がり、根深さが長期連載につながっているのも事実である。いわゆるモンスター問題のフェーズは変わったのか、変わらないのか、という問題がそろそろ議論されなければならない。小野田教授は「セカンドステージに入った」と分析しているのだが。
【6月19日号】 特集「好転したのか、公立病院の経営状況」16回目からは、地方自治体一般会計からの繰入金がテーマ。民間病院と異なる公立病院の最大の特徴ともいえる繰入金の役割や内容、実態について、数回にわたり点検していく。「インタビュールーム」は、「ケア付きねぶた」を実行している青森県の長根祐子氏。受け入れ体勢をしっかり整えるため参加者は毎年30人までとし、ボランティアは300人以上に上るという。車いすでも、障害があっても、ねぶたに参加してもらいたい─。それによって高齢者や障害者に対する共通理解・ノーマライゼーションの理念が広がることを目指した活動は、これからの社会にとって重要な示唆に富んでいる。
【6月22日号】 「エコモビ」という言葉がある。エコロジー(環境)とモビリティ(移動)を結び付けた造語だ。環境に配慮した移動手段を考え、マイカー依存のライフスタイルを見直すことは、高齢者にとって安全・安心な社会づくりにつながる。悲惨な交通事故が相次ぐ昨今、日本福祉大学学長の加藤幸雄氏が巻頭言で、高齢社会を見据えてエコモビをもっと真剣に考えるべきだと提言している。臓器移植法改正から2年近くが経過し、ついに6歳未満の幼児からの脳死臓器移植が実現した。国内で小児脳死移植が可能となるよう活動してきた医療関係者や難病の子の親らにとっては待望のニュース。しかし、小児救急医療やドナー(臓器提供者)家族のサポート体制が整っているとはいえない中で、子どもの脳死移植には慎重論も根強く、十分に検証する必要がある。重い決断をしたドナー両親のコメント全文を含め、関連記事をまとめた。社会保障と税の一体改革で、ようやく民主、自民、公明の3党が合意。「総合こども園」など民主が看板政策としていたものについて、ことごとく後退、妥協した印象が否めない。合意文書の全文を併せて掲載した。(了)
【6月19日号】 連載「国際会計基準─見方・読み方」は、本号から3回連載で「連結会計」を取り上げる。日本では、2000年3月期決算から会計ビッグバンといわれる会計制度の大改革が実施されたが、その柱となったのが連結会計の導入だった。1回目は、日本の連結会計の概要、連結納税・グループ法人税制との関連などを解説。国際会計基準(IFRS)が規定する連結会計に関しては次回から、税制面の詳細は3回目に取り上げる。「私の苦心」は、「信頼される税務行政の推進」と題して、鳴門税務署の取り組みを紹介。
【6月22日号】 私の苦心は、「個人県民税対策」と題して、宮崎県の取り組みを紹介。それによると、同県では、県税決算の収入未済額(約21億円)の約8割を個人県民税が占めている。対策の柱の一つとして、県と県内26市町村が「個人住民税特別徴収制度の適正化に向けた行動プラン」を策定し、県内全事業所の特別徴収義務者指定を2011年度から3年間で行うことを目指している。個人住民税の特別徴収制度は古くから地方税法に明記されているが、「いろいろな事情・課題があって、これまで徹底されてこなかった。それでも現状を打破すべく、宮崎県ではともかく一歩を踏み出した。プラス思考でできることは、まず挑戦していくことが重要だ」としている。
【6月18日号】 「原発の役割は限定的にとどまる」と題して、東京電力福島第1原発事故後の世界のエネルギー情勢について解説した記事を掲載した。同記事は「2011年3月11日の東日本大震災と、それに伴う巨大津波が引き起こした福島第1原発の大事故は、世界の原発事情を大きく変える引き金となった。欧州では、ドイツ、イタリア、スイスが脱原発に踏み切り、原発維持を表明したフランスでも大統領選挙で争点の一つとなった。安全性への懸念が高まるとともに、建設・維持費だけでなく、使用済み核燃料への対応や廃炉に巨額のコストが掛かるとの認識が広まり、欧米などの先進国では原発への熱意が薄れた。一方、中国やベトナム、中東諸国では依然として原発の建設が続いている。『原発はなくならないが、その役割は限定的なものにとどまるだろう』(英国の科学ジャーナリスト、オリバー・モートン氏)という見方(英誌エコノミスト)が、福島原発事故から1年後の世界のエネルギー事情を示している。本稿では、リリーフ役が期待されている再生可能エネルギーへの移行の現状と併せて概観する」としている。
【6月21日号】 「『維新八策』で注目される参院廃止論」と題して、最近起きている参院の廃止論についてまとめた記事を掲載した。同記事は「今年中にも衆院選が行われると言われている状況下で、大阪市長の橋下徹率いる地域政党『大阪維新の会』が、幕末の志士・坂本竜馬の『船中八策』をもじって次期衆院選向けの公約を『維新八策』とし、その骨格を発表した。『日本再生のためのグレートリセット』をスローガンに、統治機構の再構築、財政・行政改革、公務員制度改革、教育改革、社会保障制度、経済・雇用・税制、外交・防衛、憲法改正の8項目を柱に掲げている。その内容は実に刺激的だ。その中で、首相公選制や道州制と並んで特に目を引くのが、参院の廃止である。地方分権改革を推し進めるため、今の参院を廃止して、現職の地方自治体の首長が国会議員を兼職することのできる新たな『第二院』を創設する、というものだ。当然、これには与野党を問わず当事者である参院議員たちが猛反発しており、永田町では新たな政策課題として急浮上している」としている。