【11月29日号】 フェイスブックは、ツイッターのような文字数制限がないため、言葉足らずになってしまう心配がない。かといって、立派な文章を長々と書く必要はない。長い文章は、読んでもらえない可能性もある。筆者は、基本的に長文の投稿を読まない。むしろ、ほんのひとこと、「疲れたー!カンパイ☆」などと書くだけでもよいのだ。例えば、ビールの写真なども一緒に投稿すると、「友達」の目を引くことができる。そのような「人間的な側面」も、好意を持たれる要因となるだろう。ただし、そのような投稿は特に、「いいね!」(※6)が数件ついただけで、何が面白いのか分からない……ということもある。これは、フェイスブックを使い始めたばかりの人が、口をそろえて言うことだ。フェイスブックを楽しむには、「何を投稿するか」ではなく、他人の投稿をよく読み、「いいね!」やコメントをすることが重要だ。自分に関心を持ってもらうには、まず、相手に関心を持つことだ。自分の話を聴いてほしければ、まずは相手の話をよく聴くことだ。コメントをしてくれた人には、きちんとコメント(返事)をする。それがコミュニケーションであり、フェイスブックという「大人の社交場」でのマナーだろう。そうしているうちに、やがてフェイスブックが楽しくなってくる。(木曜隔週連載「続・ソーシャルメディアの活用」)
【11月30日号】 学校にイチャモンをつける保護者の心理の背後にあるものは何なのだろうか? 連載「モンスターペアレント論を超えて」(第108回)の筆者小野田正利・大阪大学大学院教授が「ルサンチマン」をキーワードに解明する。ルサンチマンというフランス語は、強者に対して弱い立場にある者が憤りや復しゅうなどの感情を抱くことを指す。今年8月15日朝、大津市教育長が市役所内で大学生に襲われたのは、ルサンチマンの暴走ケースである。小野田教授は「一部の政治家などがルサンチマンを巧妙に操って『敵』へと仕立てる動きが強くなっていることに最も危うさを覚える」と指摘する。教授の見解は、正しく腹を立てることこそが、丁寧な民主主義につながるというものだ。
【11月27日号】 「栄養問題の二重付加」という言葉があるそうだ。世界保健機関(WHO)が提唱しているもので、同じ国・地域・家庭の中に過剰栄養と低栄養が共存している状態を指す。先進国だけでなく、かつて低栄養のみが問題と考えられていた途上国でもみられるようになった現象であり、日本栄養士会名誉会長の中村丁次氏が巻頭言で、途上国における栄養学の普及や専門職養成の重要性を説いている。東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市で、被災者の健康・生活課題を考えるフォーラムが開かれた。応急仮設住宅、民間住宅を借り上げた「みなし仮設」など居住状況に合わせたきめ細かな支援の必要性や、高齢者の健康状態悪化といった問題が浮かび上がった(「被災者の生活・健康課題を議論」)。特集「多様化する保育所と経営」8回目は、2010年10月に愛知県碧南市の私立認可保育所で発生した幼児死亡事故を取り上げた。市の報告書から事故の概要を振り返りつつ、要因の一つとして浮かんでいる面積基準との関連に焦点を当てる。
【11月30日号】 特集「特定看護師」では、東京医療保健大学大学院を修了したクリティカル領域の特定看護師20人の活動の状況を順次紹介してきたが、今回は大学が開催した修了生との情報交換会についてお伝えする。日ごろの業務の中での不安や悩みを共有し、解決策を探る重要な機会となっているようで、修了生を今後送り出す大学や関係者にとっても参考になりそうだ(「修了生の活動を支える情報交換会」)。政局に翻弄され遅々として進まない社会保障と税の一体改革。払い過ぎの年金の特例を解消する改正国民年金法の成立など、関連情報をまとめた。「進言」は、青森県健康福祉部こどもみらい課長の鈴木日登美氏。喫煙率の高い同県では超低出生体重児の出生割合が高く、妊産婦の受動喫煙を防ぐため、県内各地でのキャンペーン・イベントや、希望する妊婦の夫を対象とする禁煙サポート事業をスタートさせたという。キャンペーン会場でさっそく禁煙指導の申し込みがあったそうで、成果に期待したい。
【11月27日号】 「わたしの苦心」欄は、「新たな税務組織構築への道のり」と題して、川崎市の取り組みを紹介。同市は2011年12月、効率的、効果的な業務執行の推進を目的に、7区役所に置いていた税務組織を再編して市税事務所を設置する改革を実施した。検討に当たり、特に重きを置いたのは事務所の設置場所と組織体制。このうち組織体制については、市民税(特別徴収)課税業務の本庁からの切り離しなどにより、懸案だった本庁機能と出先機能の明確な切り分けを実現させ、本庁は純粋に企画・調整・指導を行う部署、市税事務所(市税分室含む)は課税・徴収実務を担当する部署と、それぞれ位置付けた。これにより、すべての市税事務所は共通して、市民税(普通徴収)、固定資産税・都市計画税の課税や、滞納処分を含めた徴収の実務を担う一方、市民税(特別徴収)、法人市民税、事業所税、大規模償却資産に係る固定資産税の課税、市外在住者に係る滞納処理等については、一括して一つの事務所が担当することにした。市税事務所を開設して1年。同市では「今回の組織改革は一つの通過点であり、時代に即応した組織体制を構築していくという意識を常に持ち続けていく必要がある」としている。
【11月30日号】 「わたしの苦心」欄は、「総合県税事務所のスタート」と題して、秋田県の取り組みを紹介。同県では、2012年度から県税の現場組織を県内八つの地域振興局から分離し、総合県税事務所として一元化した。改編の狙いは、(1)簡素で迅速な業務運営を図る(2)全県の課税業務を1カ所に集約し、効率的な事務執行(職員の縮減)と職員の税務専門能力の向上のための環境整備を図る—こと。事務所は本所と県内7カ所の支所から成り、本所には納税部と課税部を、支所には県税班一つを置いている。職員数は125人(うち本所73人)。事務所の運営に当たっては、(1)事務処理ミスの防止(2)納税者への「丁寧」「迅速」「的確」な対応(3)計画的、効率的な徴収対策により、少しでも収入率を向上させる—の三つの方針を立てている。スタートして半年が経過。課題も少なくない。支所との関係に限ってみても、軽油免税証交付に関する運用見直し、減免等の課税情報の迅速な提供、支所別の課税収入状況データの提供、課税窓口業務に関する職員研修など。同事務所では「これらの中には工夫次第で対応できるものもあれば、予算措置やシステム改修が必要なもの、事務集約の目的からして割愛せざるを得ないものなどもあり、全員で一つ一つ丁寧に議論しながら、少しでもよい方向に持っていけるよう努めている」としている。
【11月29日号】 「オバマ大統領は指導力を発揮できるか」と題して、オバマ氏再選後の米国の経済・外交課題について解説した記事を掲載した。大接戦の末、民主党の現職バラク・オバマ大統領(51)が、共和党候補のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(65)を振り切って再選を果たした米大統領選挙。得票率はオバマ大統領が51%、ロムニー氏が48%で、その差は約330万票だった。4年前の選挙が圧勝だったとはいえ、再選された大統領が初当選時より得票率を下げた例は過去にほとんどない。南北戦争中の1864年に行われた選挙でエイブラハム・リンカーン(共和党)が再選されて以降、2期目を勝ち取った全ての大統領が初当選時より高い得票率で再選を決めてきた。10月初めに行われた第1回討論会でロムニー氏の攻勢を許し、最後まで接戦となった事実は、オバマ大統領の2期目の苦難を暗示している。雇用の回復など待ったなしの経済再建や山積する外交案件にどう取り組むのか。米国の力に陰りが見え始めた世界で『オバマ時代』と後世に評価される指導力を発揮するのは容易ではない、としている。