【3月18日号】 東日本大震災では、多くの福祉施設が被災しました。自らの命を守るのも大変だったときに、施設が津波に流されながら、知的障がいのある利用者(入所者)、職員の命を守り、福祉支援をやり遂げた「はまなす学園」(岩手県山田町)の芳賀幸一施設長に話を伺いました。避難生活の困難さについて、次のように話しています。「とりあえず3日間は水と乾パンの生活をして、3日目以降は自衛隊が入ってきたり、日赤が入ってきたりして健康管理をしてくれました。ただ、3日もすると、はまなす学園の利用者も熱を出したり、嘔吐したり、てんかん発作、下痢、せきといった症状が出たりしました。(医者に)診てもらったのですが、やっぱり専門の精神薬は持っていなかった。風邪薬とか傷薬しかなかったですね。そのとき、インフルエンザとかノロ(ウイルス)とかも発生し、隔離めいたこともしました。当初は体育館で一般の人と一緒でした。(利用者は)どうしても徘徊する、奇声を上げる、そこで失禁はする。いろんな形で迷惑を掛けたので、『別の部屋を貸してくれませんか』とお願いし、会議室をお借りしました。床はコンクリートにビニールを敷いてあるだけの会議室だったので、持ち込んだ布団をその上に敷いて寝ました。一晩寝ると布団が汗で濡れます。それを折り畳み椅子に掛けて、乾かないうちにまた夜が来てという生活。冷たい濡れた布団で休むといった生活でした」。(月曜連載「地域防災最前線」)
【3月19日号】 全国の先生が注目する「視学官・教育課程調査官の講義ノート」の41回は高校の工業科。工業科における授業においても、思考力や判断力、表現力を育成するために、言語活動の充実を図る必要がある。単に知識の伝達にとどまってしまわないために、図面の提示から加工工程までのグループ作業を通じての実践的授業展開を検討した。工業科の内容に詳しくない読者にも、その実践内容が手に取るように示されている。
【3月22日号】 東日本大震災で被災した東北3県で、地域住民に対する心のケアの必要を感じている医師の割合が67%に上るという。日本医師会総合政策研究機構が3県の医師を対象とする調査結果をまとめたもので、心のケアが必要な人(複数回答)では「高齢者」が8割に達した。「幼児または児童」は全体では24%だったが、診療科別に見ると小児科医の8割以上がケアの必要性を訴えている。(特集「東日本大震災 心のケア、67%の医師が必要性認識」)。特集「多様化する保育所と経営」20回目は、保育所を立ち上げるための用地確保や施設整備などのテーマに移る。特に大都市部では土地の確保が大きな課題となっており、大阪市や川崎市などを例に、市による貸し付けなど国や自治体の施策を取り上げた。「インタビュールーム」は、在宅医療と介護の一体的ケアをモデル事業として進める福井県あわら市・坂井市で、医療機関同士や各職種間の連携に中心的な役割を担う坂井地区医師会会長の藤田博明氏。特集「都道府県・政令都市 2013年度厚生・労働・環境関係予算」5回目は、新潟県、京都市、愛媛県。
【3月19日号】 「私の苦心」欄は、「同じ目線で理解していただくこと」と題し、長崎税務署長が寄稿。それによると、税務職員の使命は、「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」ことであり、そのために「広報」「相談」「指導」「調査」という4本柱を職員一人一人が適切に行っている。そして、この「適切に行う」時に、一番重要なことは、100%とはいかないまでも、こちらが思っていること伝えたいことを、同じ目線として納税者の皆さまに理解していただくことではないかと思っている。そこで、「覚えさせたいこと、理解させたいことは何か」「要領よく話せるか」「抑揚をつけた話し方をしているか」の3点に注意して話すことに努めている。このことを、自分自身だけではなく、職員一人一人が理解し、実行していければ、われわれの使命・目的の実現に大きく近づくのではないかと考えている。そして、納税者の皆さまから支持され、信頼される税務行政を目指していきたいと思っている。
【3月18日号】 「GDPに占める金融の割合引き上げへ」と題して、個人資産の動向について分析した記事を載せた。同記事は「昨年12月の衆院選で自民党が大勝して以来、市場のセンチメントは一転した。同党が選挙前に発表した選挙公約や政策集によると、金融および経済規模の拡大を目指すとしており、市場は景気回復への期待を高めている。その中でも、目新しい政策目標として、金融関連の国内総生産(GDP)の全体に占める割合を現在の5%程度から10%程度へ引き上げることが掲げられている。確かに、現在の日本の金融関連GDPが国全体のGDPに占める割合は、財政・金融危機に見舞われている欧州主要国とは同等かそれ以上だが、米国や英国に比べると低く、アジアでも韓国などに比べて劣後している。金融GDPは付加価値の合計、すなわち、貸し出しレートや預金レートからそれぞれコストを差し引いた金額や手数料収益を加除したものである。日本の場合、銀行のこうした収益は市場金利が低いことから相対的に低水準だ。このため、GDPに占める金融の割合が低いのも不自然ではない。しかし、自民党がこの割合の引き上げを政策目標の一つに掲げるということは、産業としての金融業を盛り上げ、また金融機関による企業や個人に対する貸し出しやサービスがより活発になることを支援するという姿勢の表れとしてポジティブに捉えたい」としている。