【4月8日号】 「考えてみれば、日本の地域の町工場は不況を乗り切る名人。日本の町工場は、不況になると、研究開発に取り組む、新分野に挑戦する。他の国ではちょっと考えられないような時間の過ごし方をする。(中略)仕事に追いまくられたときは新しい技術は入れられない。(不況で)暇な時期は、例えば、あの鉄鋼会社がつくった金型を使ったらどうか。これまで油圧でやってきたが、電動モーターに変えてみたらどうか。いろいろやってみる。こんなもんだから、不況が終わったころには、技術レベルが上がっている」(特集「地域再生実践フォーラム」)
【4月11日号】 「世界は大変なスピードの時代となり、情報があっという間に世界を駆け巡る。日本も国家としてスピーディーに物事を決断していかないといけない。この世界のスピーディーな動きについていくためにも国の負担をもっともっと軽くする。言い換えれば、地方がその役割の多くを担わなければならないという時代に来たのではないか」「道州制はこの国の明治維新以来のフルモデルチェンジ、大改革。この議論を始めると、賛否両論、国論を二分する大変大きな議論になる。百花繚乱(りょうらん)、いろんな意見が出てくるのは間違いない。しかし、視点を見間違えないなら、必ずいい終着点を見つけることができる。良い道州制になったら、州知事や基礎的自治体の長が国に陳情や要望に行くことがなくなる。そういう姿を目指し、そういう道州制を目指してほしい」(村井嘉浩宮城県知事あいさつ、特集「道州制」)
【4月9日号】 財団法人日本青少年研究所が日米中韓4カ国の高校生に、職業観や将来の進路希望などについて聞いたところ、社会的ステータスを高め、「偉くなりたい」と思う日本の高校生は45.8%と半数を割り込み、4カ国中最少だった。また、「将来自分がどうなるか不安になる」と回答した日本の高校生は83.6%と、高校生の間で将来の進路に対する不安感が強いことが明らかに。他国に比べて明らかに「草食系」で、閉塞(へいそく)感に覆われる日本の若者たちの実態が浮き彫りになっている。
【4月12日号】 例年、春先にまとまる全国連合小学校長会(全連小)の研究紀要。全連小内に設けられた各研究委員会による調査結果などを収録しており、全国の校長先生にとって「必読」とも言える冊子だ。本誌ではその主な内容を12日号から5回シリーズでお届けする。1回目は、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に対する公立小学校長の考え方などを調べた教育改革委員会と、新学習指導要領の実施状況などをまとめた教育課程委員会の内容を紹介する。
【4月9日号】 巻頭言は、弁護士・佐野みゆき氏の「子どもの意見表明」。親の離婚等の家事事件手続きの際、裁判所が子どもの代理人として弁護士を選任できる制度ができたものの、啓発不足や費用等の問題により、実際の選任例はないという。家事事件手続きにおいて、子どもの意見表明を実現させる方法について議論を深めるべきであるとの指摘はもっともだ。中国で、H7N9型鳥インフルエンザの感染による死亡例が発生。低病原性であり、これまでノーマークだったH7N9型ウイルスの人への感染は世界初で、人から人へ感染しやすい新型への変異が懸念される。関連記事をまとめた。特集「都道府県・政令都市 2013年度厚生・労働・環境関係予算」10回目は、青森県、相模原市、三重県。3月後期の「社説拝見」は「成年後見制度の選挙権剥奪は不当」と題し、成年後見人を付けると選挙権を失う公選法の規定を違憲とした東京地裁判決や、障害者、高齢者の雇用問題、外国人看護師・介護士の受け入れ等をめぐる各紙の論調を取り上げた。
【4月12日号】 特集「多様化する保育所と経営」22回目は、「自治体による借地料補助と施設整備」がテーマ。前回は国有地や市有地を活用した保育所整備にスポットを当てたが、このほかに事業者が民間から用地を借りた場合の借地料を自治体が補助するケースもあり、静岡県菊川市や埼玉県富士見市などの例を見ていく。「進言」は、障害を持った受刑者の出所後の支援を行う岸恵子・千葉県地域生活定着支援センター長。障害によるハンディキャップで社会に居場所を失い犯罪に及ぶ人たちに、刑務所の矯正教育は有効ではなく、福祉の目が入って地域に居場所と役割を見つけることこそが重要だと説いている。「地域を支える」は、東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた宮城県名取市で、子どもたちの心のケアに取り組むNPO「地球のステージ」を紹介。震災の体験を語ってもらう手法に批判もあるものの、「忘れて葬るのではなく、語って癒やすこと」が心のケアでは重要だという。特集「都道府県・政令都市 2013年度厚生・労働・環境関係予算」11回目は、山形県、栃木県、鳥取県。
【4月9日号】 2013年度税制改正の連載第6回として、地方税の改正点と地方財政計画の概要を記載。総務省自治総務局の担当者が税収見通しのポイントを詳しく解説しており、各自治体の参考にしていただけるだろう。「私の苦心」欄は、愛媛県の最西で高知県と接する愛南町税務課長が執筆する「田舎役場の“いなかっぺ課長”」。人口2万数千人の町での徴収努力を楽しく読ませる。自治体の13年度税収見通しは、徳島県、熊本県、さいたま市、大阪市を掲載。
【4月12日号】 「巻頭言」では、日本不動産学会の三橋博巳会長が「空き家ストックの利活用」を訴えている。少子高齢化の進行に伴い、全国の住宅の空き家率は2008年時点で756万戸、13%を超えた。これらは治安の低下、環境衛生上の問題などを招いているが、「セーフティーネットの住宅」として活用すべきだと提案。つまり社会的弱者や災害時の被災者への住居や生活の場として活用できれば、地域の資産にもなるので、空き家をいつでも利活用できるように整備しておくためのハード、ソフト両面など対策を講じるべきだという。「私の苦心」欄は名古屋市の固定資産税課長が語る市民税担当係長時代の苦労話。市民、主に高齢者から「市のホームページで税額計算の試算はできないのか」などの問い合わせを受け、解決するために新システムを導入した経緯など、興味深く読ませる。自治体の13年度税収見通しは、石川県、滋賀県を掲載。
【4月8日号】 「舵取り難しい今後の金融政策」と題して、4月の景気動向と金融情勢について分析した記事を載せた。同記事は「米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和策はこれまでの景気回復に大きく貢献してきた。現在は、いつ引き締めに転じるかに金融市場の関心が向かい始めており、そのシグナルを出すタイミングについてFRBは難しい判断を迫られよう。一方、日本経済に関しては円安の進行、株価の上昇、長期金利の低下が期待先行の形で進み、明るさが出てきている。今後、現実に物価が上昇に向かい始めた時、長期金利の上昇が景気にダメージを及ぼさないようにするための政策が必要になる。このため、日銀には難しい舵取りが求められそうだ」としている。
【4月11日号】 「変革に身を委ねてきた英王室」と題して、最近の英王室の動向について解説した記事を掲載した。同記事は「2011年のウィリアム王子とキャサリン妃のご成婚、翌12年のエリザベス女王在位60年記念行事の挙行、そして今年7月のウィリアム王子夫妻の第1子誕生予定と、英王室ではここ数年慶事が続いている。そして、それぞれの節目で英王室は国民にとって親しみやすい、21世紀にふさわしい王室の在り方を示すことに成功していると言える。制度面においても、性別にかかわらず直系の長子継承を可能とする法案が現在議会で審議されており、世論もこの変革を当然の事として受け入れている。しかし、このような状況は、エリザベス女王自身が『annus horribilis』(ラテン語で『恐怖の年』)だったと慨嘆した21年前には想像もできないことだった。王室の存亡すらも疑問視された状況からの再生を可能にしたのは、女王自らが王室の仕事の進め方、お金の使い方、広報、国民との付き合い方について変革を主導したからに他ならない。このような英王室の在り方は、伝統継承の旗手としての王制を存続させるためには自ら変革を進めることが不可欠であることを示している」としている。