早読み行政誌

料理は素材探しから(2013年7月8日〜7月12日号)

地方行政

【7月8日号】 「水・食料等の物資の備蓄については、特に大都市部での災害時が心配です。東日本大震災時には首都圏の都市部では一時的にスーパー、コンビニエンスストアから食料やトイレットペーパーなどがなくなりました。幸い、ライフラインに障害がなく、物流がしっかりしていたので、すぐに十分な補給があり落ち着きました。しかし、ほとんど被害を受けていない首都圏で、このような事態に陥ったことを忘れてはなりません。住民レベルでの備蓄の勧奨はもちろん、自治体はもとより企業、団体、町会・自治会、マンションなどあらゆる組織で備蓄の拡充を進める必要があります」(地域防災最前線(18)「避難所における良好な生活環境の確保について」)

【7月11日号】 「小さな農家、個性的で少量でも出せる生産者、野菜などの詳細なリスト、売り場などの情報が求められているということである。特に有機栽培といった、明確な安心安全な素材が求められているということだ。(中略)改めて思ったのは、レストランや飲食店の方向性や、素材の選択が変化してきているということだ。(中略)最近は、料理家になる人もイタリアやフランスで修業をしたという人が圧倒的に増えてきた。そういった料理家は、現地で教わった素材探しから料理を組み立てるということが当たり前になっている。また一般に流通される野菜では、力がないということも知っている。そこで、自分たちの素材探しをする料理家が若い世代で当たり前になってきた」(続・地域力と地域創造(16)「料理と素材」)

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内外教育

【7月9日号】 好評連載中のインタビュー企画「教育長はこう考える」。今号は全国都道府県教育長協議会会長も務め、全国の教育長の中でもとりわけ影響力の強い比留間英人東京都教育長が登場。教育改革の焦点の一つとなっている教育委員会制度の見直しについては、「現行の教育委員会制度が果たしてきた役割をきちんと評価した方がいいと考えている。政治的な中立性、継続性・安定性の確保や、『レイマンコントロール』により、外部の意見を取り入れながら運営していく今の制度は、かなり貴重なもの」と指摘し、現行制度の骨格を維持するよう求めている。詳しくは本誌で。

【7月12日号】 全国都道府県教育長協議会は、各研究部会の調査結果などを集めた2012年度「研究報告」をまとめた。本誌では、その内容を4回にわたって紹介するが、今号は第2回目。家庭教育や学校支援などのための人材育成の状況をまとめた「生涯学習における人材育成について」の内容を紹介している。

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厚生福祉

【7月9日号】 全国学童保育連絡協議会が、学童保育の実態に関する5年ぶりの詳細な調査の結果をまとめた。政府は子育て支援の一環として学童保育の拡充を図っており、着実に数は増えている一方で、まだ不十分な整備の状況や課題が浮かび上がる(調査・統計「学童保育 施設や職員、整備必要」)。愛知県は、1歳4カ月の男児がおやつを喉に詰まらせて死亡した事故を受け、保育所での事故の未然防止や発生時の対応について示した対応指針をまとめた。こうした指針の作成は全国初で、保育所編と市町村編の2部構成となっている(「保育所の事故で全国初の対応指針」)。「インタビュールーム」は、いわてこどもケアセンターの八木淳子副センター長。被災した子どもの心のケアに長期的に取り組むための拠点施設だ。6月後期の「社説拝見」は、「iPS臨床研究許可をめぐって」と題し、世界初となるiPS臨床研究や、子宮頸(けい)がんワクチン問題などに関する各紙の論調を取り上げた。

【7月12日号】 厚生労働省の事務方トップである事務次官に、村木厚子氏が就任した。女性の次官は16年ぶりで、女性の登用を進める安倍政権の姿勢を反映した形。旧労働省出身ながら、政府の子ども・子育て施策や生活保護など社会保障の分野でも手腕を発揮しており、就任会見では、縦割りを廃し他省庁とも連携を取って仕事をする必要性を語っている(「脱『縦割り』で仕事を」)。特集「多様化する保育所と経営」32回目は、認可保育所の施設整備に対する国・自治体の補助金や寄付金の会計処理の方法、また運営費収入の財源などにスポットを当てる。「インタビュールーム」は大阪後見支援センターの山上時津子所長。同センターは市民後見人の養成・登録に取り組む府内市町村から一括して事業を委託されており、判断力が低下した認知症高齢者や知的障害者を地域で見守るという意味でも、市民後見人の養成は必要だと訴える。

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税務経理

【7月9日号】 地方銀行協会の情報提供を受けてほぼ毎月1回掲載している「地方経済天気図」が、今回掲載の6月分から若干の衣替えを行った。景気判断指数(DI)の「全国評価一覧表」を掲載したのと、全国11ブロックの業況報告のバランスを変更したことが主な修正点。全国評価は従来リード分で触れるのみだったが、過去3カ月分のDIの推移を表で載せたことで、大きな流れが把握しやすくなった。また、地方ブロックの経済状況は従来、各ブロックに誌面1段ずつ固定的に割り当てていたが、1自治体で占める北海道や沖縄がある一方、関東や九州のように個性ある7団体がひしめき合うブロックもあり、著しく不均衡な構成だった。誌面配分の格差是正により、必要な情報をきちんと伝達できるようになったと言える。「私の苦心」欄は、北海道南西部、函館市を除く周辺17市町で、困難案件の滞納処分に当たる滞納整理機構を紹介。難航している場合でもベテランからの指示を待つこともなく、若手が各市町とも連絡を取って滞納整理方針を決め、事務局長の了承を得ながら処理していくという望ましいチームワークで、滞納繰越分の徴収率約50%を保っているという。

【7月12日号】 剰余金1兆2946億円という黒字になった国の2012年度決算の詳報を、決算概要資料とともに掲載。そのほか、ニュース詳報として(1)日銀の地域経済報告(2)原発新規制基準の施行を受けた電力4社の安全審査申請(3)参院選の各党政策比較──の三つが並んだ。主要9党の経済政策など主な公約を一覧表でまとめて掲載。このあおりで今回、「私の苦心」欄が休載となった。編集部は苦心欄について「一部で入稿の遅れなどがあり、無理に連載を続けるよりもニュースを優先した。苦心欄は各地の徴税事情を知ることができるため人気があり、今後も存続する。税に関係する方々から自主的な投稿をいただければ、もちろん歓迎し掲載したい」としている。

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金融財政ビジネス

【7月8日号】 「FRBの政策転換時期で思惑交錯」と題して、7月の景気動向と金融情勢について解説した記事を載せた。同記事は「米国では、金融緩和策の転換時期をめぐって思惑が交錯している。これを背景に長期金利が上昇、株価も乱高下している。資産効果の剥落で今後個人消費は弱含む恐れがあり、住宅ローン金利の上昇でようやく堅調になってきた住宅投資の先行きにも不透明感が広がっている。一方、日本経済は株価の調整による個人消費の伸びの減速から、中だるみ状態になろう。ただ、消費税率引き上げ前の駆け込み需要で個人消費、住宅投資が次第に盛り上がり、復興関連で伸びる公的需要と共に2013年度の景気を力強く牽引することとなろう」としている。

【7月11日号】 「政府・企業・家計の共同作業が鍵」と題して、新連載「日本再生への道」の第1回を掲載した。同記事は「第2次安倍政権が昨年12月26日に発足してから半年が過ぎた。この間に打ち出された経済政策『アベノミクス』は、内外から広く注目を浴びてきた。アベノミクスは大胆な金融緩和(第1の矢)、機動的な財政政策(第2の矢)、民間投資を喚起する成長戦略(第3の矢)という『三本の矢』から構成される。このうち、6月14日に閣議決定された『日本再興戦略』は第3の矢に当たり、これで三本の矢が出そろったことになる。日本経済は1990年代初頭のバブル崩壊以降、『失われた20年』とも呼ばれる長い停滞が続いてきた。こうした中で登場した安倍政権は、わが国経済の再生を最優先課題に掲げ、その手だてとしてアベノミクスを打ち出した。その出だしは『快走』と言うに近く、市場は円安と株高で応えたが、足元ではやや不安定な動きを示し、切り札とされた成長戦略はその中身の評価が分かれる。ここからの半年〜1年は、日本経済が本当に再生へと向かうのか、それとも期待外れに終わるのかという重要な局面になると考えられる」としている。

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