早読み行政誌

海外の隠し財産(2013年7月16日〜7月19日号)

地方行政

【7月18日号】 「今後も、人口減少と少子高齢化の進展により、税収の伸びに大きな期待ができない半面、福祉関係経費はさらに高い伸びが見込まれ、さらに収支のギャップは拡大することが予測されます。抜本的な地方財政制度の見直しが待たれますが、座して待つのでなく、自らできることは、率先して取り組んでいくことが、これからの自治体経営には欠かせません。各費目の見直しの視点ですが、人件費の削減努力に多くの自治体が懸命に取り組んでいますが、公共施設の管理運営や現業部門の委託化だけでなく公共サービス全般にわたってまだまだアウトソーシング(外部委託)できる事務もあり、改めて点検することが必要です。また、既に委託化や指定管理制度を導入している施設の維持管理についても、委託等の仕様を精査するなど見直しが必要です」(自治体財政の健全度(1)「各種指標から施策を総点検」)

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内外教育

【7月16日号】 進学校を中心に文系、理系のコース分けをしている高校が多い。国立教育政策研究所の調査研究によると、高校の66%がコース分けを実施していた。コース分けの時期は大学入試を意識して、ほとんどの学校が2年生からで、3年生からは少数派。ただ、生徒の教科や進路に対する意識面から分析すると、「2年生の4月からコース分割するよりも、3年生の4月からの方がメリットが多い」のだという。また、進学校ほど進路意識の不明確な生徒が多いという結果も出ており、高校関係者以外にも、興味深い内容となっている。

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厚生福祉

【7月19日号】 診療報酬や介護報酬は2〜3年に1回の改定の度に制度が複雑化し、一般の国民には訳が分からない複雑怪奇なものとなっている。皆保険ならぬ“怪奇保険”とも。医療・介護の現場には大きな事務負担がかかっており、簡素かつ透明な料金体系を目指して、東京財団が6月14日にフォーラムを開催した。その内容を紹介する(特集「東京財団連続フォーラム② 簡素・透明な報酬体制の在り方を議論」)。非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分とした民法の規定が憲法に違反するかが争われた家事審判で、最高裁大法廷で弁論が開かれた。高裁までの合憲判断が変更される可能性が高く、主要先進国で日本だけに残っているとされる嫡出子と非嫡出子との格差是正につながるか、注目される(「婚外子側『法の下の平等を』」)。「地域を支える」は、広島県地域包括ケア推進センターを紹介。各市町での地域包括ケアシステムづくりをけん引する組織で、都道府県全域を網羅するこうした組織は全国で初めてという。原発の新しい規制基準が8日に施行され、電力4社が同日、原子力規制委員会に再稼働に向けた適合性審査を申請した。最悪の福島第1原発事故を経験し、廃炉を求める声も強い中、再稼働への動きをめぐって地元自治体は揺れている(「5原発10基を申請」)。

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税務経理

【7月19日号】 「ニュース詳報」では、国税庁が先に公表した2012年度強制調査(査察)実績の概要を報じた。摘発件数191件、加算税を含む脱税総額は約204億7000万円(前年度比約12億円増)。最近は、海外取引を仮装するなどした国際的な脱税への取り締まりを強化しており、マレーシアやシンガポールの預金口座、韓国の投資信託、ハワイの不動産などに脱税資金を隠していたのを10件摘発した。こうした海外の隠し財産は総額57億9000万円に上るというから、規模が大きい。国税庁は外国税務当局との連携を強めており、着実に実績を上げているもようだ。「私の苦心」は新潟県長岡市の徴収対策を紹介。少額滞納者への訪問催告、滞納整理班による高額・困難案件対策の強化、県庁との交流や国税OBの登用など、他の市町村と対策に大きな差はないが、10年度から3年連続で収納率がアップしたという。同市の特徴は昨年4月、JR長岡駅に市役所と5000人規模のアリーナ、市民ホールなどの機能が一体となった複合ビル「アオーレ長岡」をオープンさせたことで、こうした施設は全国初という。行政手続きの窓口を1階に集中させ、ワンストップサービスを土日や平日夜間も提供しており、施設整備が行政面の機能強化に役立っているのかもしれない。

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金融財政ビジネス

【7月18日号】 「いよいよTPP交渉に参加」と題して、連載「日本再生への道」の第2回を掲載した。同記事は「2010年10月に当時の菅直人首相が交渉参加の検討を表明してから2年9カ月を経て、いよいよ7月23日から日本は環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加する。交渉は難航していると伝えられているが、年内合意に向け、最終局面を迎えつつある。日本はいきなり『山場』からの参加となり、厳しい状況での交渉が予想される。TPP交渉参加という安倍晋三首相の決断は、国内外で高い評価を受けている。なぜなら、この決断が『日本の成長にとって必要な改革を政治的な困難を乗り越えて推し進める』という安倍政権の意志を示すメッセージとして受け止められたためである。安倍政権の成長戦略である『日本再興戦略』においても、TPP交渉の推進は重要な柱の一つに据えられている。TPP交渉参加を機に、これまで停滞していた国内の改革が進展し、日本の立地競争力が高まることにより、日本国内の空洞化の抑止や雇用の維持・創出、イノベーションの触発へとつながっていくことが期待される。これらを担うのは企業であり、TPP交渉の推進によって生じる環境変化に日本企業がいかに対応できるかが、今後の日本経済および日本企業の成長を大きく左右することになるだろう」としている。

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