【11月18日号】 「身近な避難場所の重要性は、いくら強調しても強調しきれません。身近であることは、時間的に早く避難できることはもちろんですが、正常化の偏見を弱めて避難行動をとるインセンティブになります。また、平常時からの訓練にも参加しやすいため、避難行動を体で覚える効果もあります。支援者も短時間の避難であれば、支援がしやすくなります。すなわち、効果的な避難をするためには、避難場所の近さは非常に大きな要素です。また、安全な立地で一定の広さがあり、多くの人に知られている『道の駅』など公的な施設を、災害時には一時避難所として活用するのは有効な方法と言えます」(地域防災最前線_「防災白書を読み解く12=避難経路等のバリアフリー化と情報提供のあり方に関する調査研究2」)
「安倍内閣が依然として高い支持率を維持している中、10月27日に投開票された川崎、神戸両政令市長選では自民、公明、民主3党が相乗り推薦した無所属候補の敗北と苦戦が注目を集めた。昨年の衆院選、今夏の参院選で大勝し、政権復帰と衆参のねじれを解消した自民党も、地方の首長選は勝手が違うようだ」(内政フォーカス「秋の地方選」)
【11月19日号】 教員の来院者が日本一多いといわれる、東京都教職員互助会三楽病院精神神経科の真金薫子部長による好評連載「先生の心のカルテから」。今回取り上げられたのは、若い教師の多い、ある小学校の「ホープ」だった30代半ばのA先生のケース。頼りになると見込まれて、2年連続で難しいクラスを受け持ったが、親の入院など思わぬ事態も起きて…。「ついに出勤できなくなったA先生は、病院を受診して休み始めた。その後、A先生の本格復帰までには、3年近くかかった」と結ばれる文章を読んで、人ごととは思えない教員も多いのではないだろうか。
【11月22日号】 教職員の1カ月当たりの平均時間外勤務は、69時間32分─。全日本教職員組合(全教)が、組合員の教職員を対象に実施した調査で、こんな実態が明らかになった。職場で行う時間外勤務とは別に、自宅などへの持ち帰り仕事時間も計21時間41分あり、両方を合わせた総「残業」時間の平均は、月91時間13分に上っている。教員の多忙化が問題となる一方で、「民間企業だって忙しい」という反論の声もある。ただ、この数字が額面通りとすれば、学校に子どもを預ける親の立場からは、やはり何らかの対策が必要と思わざるを得ない。
【11月19日号】 シリーズ「医療・介護業が知っておきたい最新トラブル情報」4回目は、今年4月に改正施行された高年齢者雇用安定法と労働契約法を取り上げる。具体的なトラブルはまだこれからだが、有期労働者の保護に重点が置かれた改正であり、パートタイマーなど有期労働者の多い職場では特に注意が必要だ。「進言」は、山口県赤十字病院眼科部長の山内一彦氏。アトピー性皮膚炎に伴い、眼表面の疾患は想像されやすいが、眼底部の疾患、例えば網膜剥離との関係はあまり知られていないとし、アトピーの人は定期的な眼底検査を受けるよう忠告している。徳田毅衆院議員をめぐる公職選挙法違反事件で、東京地検特捜部などは医療法人「徳洲会」グループの幹部6人を逮捕した。過去にも選挙違反での摘発が相次いでおり、組織ぐるみの違法行為と判断された場合、へき地・離島医療など地域医療に貢献している同グループの経営への影響が懸念される(「徳田議員親族ら6人逮捕」)。10月後期の「社説拝見」は「医師不足、社会保障制度改革にどう取り組むか」と題し、福岡市の診療所火災や社会保障制度改革プログラム法案、雇用規制緩和などをめぐる各紙の論調を紹介する。
【11月19日号】 「私の苦心」は、神奈川県緑県税事務所長の石川正巳氏が登場。この方、かつてS県税事務所の関税課長だった時に軽油引取税の反則事件摘発に乗り出した経験を持つ。建材会社が輸送トラックに使用する軽油に灯油を混和させて脱税している疑いがあったが、調査に向かうと暴力的な行為で阻止されていた。そこで専従チームを設けて内偵を進め、100通以上の臨検・捜索・差し押さえ許可状を取って、警察との合同捜査や地方税違反の告発に踏み切る道筋をつけたという。「悪質滞納者に対しては、正義感を持って告発も見据えた滞納整理を行うべきである」と断言する。罰則適用にはちゅうちょする向きも多いだろうが、納税義務の実現に向けたこうした体験談は、他の自治体にも大いに参考になるだろう。
【11月22日号】 「直言苦言」欄で、S氏が国の行政指導と地方自治体の課税権について論じている。最高裁から違法判決を受けた神奈川県の「臨時特例企業税」は、条例制定前に総務大臣の同意を得ていたが、総務省の見解によれば同意は手続き的なもので、新税が法律に抵触していないかどうかを解釈する権限は同省にないと理解される。その一方で、総務省の通達を受けて、税の滞納者に対する納付催促の民間委託が全国の自治体で広まっているが、「税の守秘義務との関係で疑義」も指摘される。仮に納税者から「未納がなぜ漏れたのか」と訴訟が起こされた場合、「国の指導を得て民間業者に委託したという理屈が訴訟で通るかどうか」と切り込んでおり、「国の行政指導には限界がある」と警鐘を鳴らしている。「私の苦心」は群馬県の館林行政県税事務所を紹介。管内に外国人比率が約15%に達する文化共生の町もある中で、自動車税の仕組みなどを理解してもらう取り組みなどを披露している。