早読み行政誌

必要のないおむつ(2014年2月10日〜14日号)

地方行政

【2月10日号】 新連載「2030年 次世代の都市づくりと官民連携」(月曜号5回連載)がスタートした。現在1億3000万人いる日本の人口は、16年後の30年には8%減少して1億1700万人に。高齢化率も14年の26.1%から31.6%に上昇する。人口減少、超高齢化の傾向はその後も続き、筆者は「高齢者ケアサービスの供給量が追い付かないばかりか、社会保障費が増大することになり、都市づくりのための財政的な余力を持てない都市が続出する」と指摘する。では、未曽有の社会情勢の下、いかに都市経営に取り組めばよいのか。筆者は、都市の規模を縮小させながらも、都市機能の付加価値を高めていく「縮退戦略」が不可欠だとみる。そして、縮退戦略を進めていく手法として、「官民連携」の可能性に着目する。通常、官民連携というと、官の資金(税金)で行う公共事業というイメージが強いが、来るべき次世代の都市づくりでは、民の資金を活用しながら公的サービスを展開するといった、現実の状況に応じて官民の守備範囲を柔軟に変えられる連携の仕組みが求められるという。連載2回目以降は、これからの官民連携の具体像や、官民の対話の在り方が提示される予定だ。

地方行政表紙 地方行政とは

内外教育

【2月14日号】 日本政策金融公庫の2013年度「教育費負担の実態調査」によると、子どもが2人いる世帯の教育費は世帯年収の平均40%を占め、比較可能な過去7年間の調査で最高となった。教育費が家計を圧迫する中で、「節約している支出」を見ると、「衣料費」「食費(外食費を除く)」が、それぞれ増加。外食や旅行などの費用は既に削れるだけ削ってしまい、「衣・食」の削減にまで追い込まれている家庭が増えている。また、年収800万円以上の家庭でも「外食」の節約が45.3%から57.2%に急増しており、教育費の圧迫が高所得層にも及びつつあるという。

内外教育表紙 地方行政とは

厚生福祉

【2月14日号】 高齢者施設で「おむつ外し」が目標になっていることが少なくないという。おむつが必要ない人にまで、介護側の都合で一斉につけられるおむつが良くないのは当然だ。自尊心を損なうものでもある。しかし、本人が安心のために希望する場合は? 高齢生活研究所所長の浜田きよ子氏は、良いケアの結果としておむつが不要になるのだとし、おむつを外すことそのものが目標になってしまってはいけないと警鐘を鳴らす(巻頭言「おむつ外し」)。特集「多様化する保育所と経営」53回目は、「病児・病後児保育の現状と課題」がテーマ。病児・病後児保育のニーズは非常に高く、厚生労働省の補助事業や、主に都内の自治体の取り組みを点検する。「地域を支える」は、札幌市の「なんもさサポート」を紹介。路上生活者や刑務所出所者などの生活困窮者に対し、食事や住居の提供のほか雇用創出や就労訓練にも取り組み、総合的な「伴走型支援」で路上生活からの脱却を促す。

厚生福祉表紙 地方行政とは

税務経理

【2月14日号】 2月に入り、春闘が本格化している。今号では、「ニュース詳報」で経団連の労働政策担当副会長と労働側代表で連合会長のインタビューをはじめ、労務行政研究所の賃上げ見通しアンケート、厚生労働省の賃金に関する分析などを載せた。2013年の毎月勤労統計調査によると、物価変動を加味した実質賃金指数は前年比0.5%減と、2年連続のマイナスだったという。昨年冬のボーナス調査も資料付きで掲載。前年比2.99%増と2年ぶりで増えたものの、これでは景気回復を実感するには物足りないだろう。6割以上の企業で夏冬のボーナスを春闘で妥結させているだけに、今春闘の行方が気になるところだ。「私の苦心」は、岐阜県大垣市の課税課を紹介。12年7月にプロジェクトチームを立ち上げ、課税事務適正化について約50の課題の整理に一つひとつ取り組んだ結果、昨年末に市長から最も成果を上げた事務実績として表彰された。申請手続きの見直しでは、ドメスティック・バイオレンスの被害者の保護などでも正確性を確保できるようになったという。事務作業の点検の大切さを感じさせるリポートといえる。

税務経理表紙 地方行政とは

金融財政ビジネス

【2月13日号】 「長期化する貿易赤字」と題して、日本の貿易・経常収支についての解説記事を載せた。同記事は「2013年の貿易赤字は年間11・5兆円と、過去最大にまで膨張している。円安が続いて時間がある程度たてば、赤字幅は輸出拡大によって縮小していくだろうという楽観論が少し前は大勢を占めていた。しかし、実際はそうした動きは起こらず、赤字拡大が続いている。怖いのは、貿易赤字が進んでさらに経常赤字に発展することである。経常赤字になり、日本の国内資金が海外に流出すると、先々の国債消化が厳しくなる不安がある。既に『国際収支統計』では、季節調整値で13年9〜11月まで3カ月連続で経常赤字だ。海外で通貨危機に見舞われている国々は、経常収支が赤字であるという弱点が狙われて、投機筋から通貨売りを浴びている。日本がいつまでも安泰とは限らない」と述べている。

金融財政ビジネス表紙 地方行政とは