【4月17日号】 製造業で従業員20人以下、商業・サービス業で従業員5人以下の事業所を「小規模企業」と呼ぶ。その小規模企業の振興策について、中小企業政策審議会(経済産業相の諮問機関)の小委員会が報告書をまとめた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果を全国津々浦々まで波及させるには、中小企業の中でも従業員数が特に少ない小規模企業の改革が不可欠だといわれている。小規模企業の持続的な成長に向け、事業者に対するきめ細かな支援を求めた報告書の内容を解説する。小規模企業に焦点を当てた施策を再構築する経産省の「小規模企業振興基本法案」についても説明している(「特集・小規模企業」)。役所に寄せられる苦情や問い合わせ。言っていることが正論であっても、相手が分からない、あるいは名乗らない場合は、どう対応すればよいのだろうか。木曜連載「行政への苦情」(13)では、筆者の失敗例を紹介しながら、対応方法を教えてくれる。
【4月15日号】 文部科学省の「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」が、「論点整理」をまとめた。何やら雲をつかむような名前の検討会の取りまとめなのだが、実は次期学習指導要領の枠組みづくりの基礎となる内容が込められている。論点整理は、教科の内容中心だった従来の「縦割り」学習指導要領によって、学力についての認識が「何かを知っていること」にとどまりがちになり、知っていることを活用して「何かをできるようになること」にまで発展しないと指摘している。秋にも中央教育審議会への諮問が見込まれる次期指導要領の改訂では、21世紀型の資質・能力を育成するため、教科横断的な目標の設定や評価との一体化など、記述の大幅な変更が迫られることになりそうだ。
【4月18日号】 保護者の収入・学歴が高いほど、子どもの学力も高いという傾向が、文部科学省が2013年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の一環として実施した「保護者に対する調査」の分析から明らかになった。特に衝撃的なのは、親の年収・学歴別に分類した4グループごとに学習時間と正答率との関係を調べたところ、親の年収・学歴が高いグループの「全く勉強しない」児童生徒の平均正答率の方が、低いグループで「3時間以上勉強する」児童生徒の平均正答率を上回っていたことだ。分析に当たった研究チームは「学力の社会経済的格差は、児童生徒個人の学習時間だけで縮小させることには限界がある」と指摘している。
【4月15日号】 急速に高齢化が進む中、要介護・要支援状態の高齢者や独居高齢者の住まいとして注目される「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)。2011年度の制度化以降、急ピッチで整備が進み、粗製乱造につながるのではとの懸念もある。連載「サ高住の現状と課題」1回目は、制度を概観し、サ高住に関する二つの調査結果を取り上げた。「地域を支える」は、岩手県矢巾町の医療福祉多機能ビル「ケアセンター南昌」を紹介する。JR駅の目の前に立地し、診療所や訪問看護・介護、通所リハビリテーション、認知症対応型グループホームなど、医療・介護のさまざまな事業所・施設が入る。のみならず保育園も設置、幼老交流も盛んに行われている。地域包括ケアの取り組みの新たな形だ。特集「都道府県・政令都市2014年度厚生・労働・環境関係予算」13回目は、埼玉県、神戸市、大分県。「ワンコイン健診の現場から」は、川添氏の起業に最初は反対していた両親が、データ入力などの作業をボランティアで手伝う話。単純作業でも手を抜かず、事業の成長を楽しみながら作業にいそしむ姿に、息子は励まされる。母の日には少し早いが心温まるストーリーだ。
【4月18日号】 シリーズ「介護保険制度改革のゆくえ」2回目は、「認知症施策の推進」。高齢化はすなわち認知症高齢者の増加であり、認知症対策は極めて重要な課題だ。2013年度から17年度までの認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)に基づき、介護保険制度改革の内容や方向性について解説する。高病原性鳥インフルエンザが、熊本県の養鶏場で発生した。国内での発生は3年ぶり。今年は韓国で大規模に発生し、日本に広がる恐れが指摘されていたが、冬の流行期を過ぎての発生に関係者は戸惑いを隠せない(「鳥インフル、熊本で発生」)。特集「都道府県・政令都市2014年度厚生・労働・環境関係予算」14回目は、茨城県、福井県、大阪市。3月後期の「社説拝見」は、「『ネット託児』死亡事件が示すもの」と題し、インターネットサイトを通じてベビーシッターに預けられた男児の死亡事件や、消費増税と今後の社会保障制度などをめぐる各紙の論調を紹介する。
【4月18日号】 「私の苦心」は、茨城県土浦市納税課を紹介。2011年度の同県内44市町村の平均徴収率は90.5%と、全都道府県の中で42位(全国平均93.7%)。しかも同市は県内42位の85.7%とさらに厳しい状況だった。そこで組織体制を大幅に見直すとともに、月1回全員参加のミーティングを開くなど職員の意識改革に取り組んだところ、12年度には1.6ポイント改善。13年度もさらに2ポイント上昇して推移しているという。「さらなるアップを目指して最後まで課員一丸となって頑張っているところです」。悪いデータも率直に公表して取り組む姿にすがすがしさが感じられ、応援したくなるほどだ。全国特集「都道府県・政令市 2014・2013年度の税収見通し」は、岩手県、岡山県、相模原市、名古屋市を掲載した。
【4月17日号】 「非正社員、雇用安定化の課題」と題して、増加が続く非正社員についての解説記事を載せた。同記事は「グローバルな競争の激化や仕事の二極化をはじめとする環境変化の下、非正社員の増加が続いている。総務省『労働力調査』によれば、非正社員として働く人の数は1990年2月の881万人(雇用者の20%)から、2013年平均の1906万人(同37%)へと増加。非正社員の中には希望して選択する人がいる一方、『正社員の仕事がなかった』という不本意型も13年に341万人に上った。賃金や雇用が不安定になりやすく、職業能力開発の機会が制約される非正社員の急増は、労働生産性の伸びの鈍化や結婚しにくい男性の増加を通じて、日本の経済や社会に負の影響をもたらす懸念がある。非正社員の雇用安定化は、日本経済再生に向けた重要な取り組みの一つだ。実証研究の指摘に基づけば、非正社員の雇用安定には多面的な取り組みが必要である。国も幅広い方向から非正社員の雇用安定化に取り組んでいるが、非正社員として働く人や企業に十分届いていない。非正社員が支援を受けやすくするためのハローワークのサービス改善、民間事業者などとの連携による政策への誘導強化、企業が非正社員のキャリア形成に取り組むインセンティブの拡大などが必要だ」と述べている。