早読み行政誌

米粉普及の妙案(2014年9月22日〜26日号)

地方行政

【9月22日号】 連載「新・地域力と地域創造」第5回は「ベトナムの農村から(下)」。筆者の金丸弘美氏が、訪問先のベトナムで、日本の農業や経済支援の在り方に思いを巡らせる。日本の政府開発援助(ODA)は都市部を中心とする大型経済支援に偏っているが、ベトナム農村部の現状に照らすと、むしろ「個々の小さい経済の向上が、全体の経済を豊かにする早道ではないか」と筆者は考える。例えば、水の浄化や再生可能エネルギーに関する技術支援、地域の市場の充実、直売所のノウハウや加工技術の導入など、「小さな経済の向上」のためのサポートはいくらでもある。一方、近年日本で普及に力を入れている米粉。日本ではロールケーキやパンなどに利用は限られているが、ベトナムでは対照的に、フォー(麺類)やライスペーパーなど米粉を使った食品の種類も豊富だ。こうしたベトナムの多彩な食文化を輸入したらどうかという筆者の提案には、説得力がある。月曜連載「地域防災最前線」第64回は、関東大震災(1923年)からの復興事業の経過を概観する。

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内外教育

【9月26日号】 新聞や一般誌、教育専門誌の論調、特集を紹介する「評の評」は、隠れた人気コーナー。今回は9月号の教育専門誌が対象だが、筆者の教育ジャーナリスト、斎藤剛史氏が真っ先に取り上げたのが、「子どもの睡眠の重要性」を特集した「教育と医学」(慶応義塾大学出版会)だ。同氏によると、「食育」や「生活習慣改善運動」に続いて、関係者や保護者の注目を集めそうなのが、「睡眠教育」や「睡眠衛生」など睡眠に関する教育についてだそう。この他、「総合教育技術」(小学館)、「月刊教職研修」(教育開発研究所)といった各誌の特集についても論評を交じえて紹介している。

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厚生福祉

【9月26日号】 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜の細胞を患者に移植する世界初の手術が行われ、iPS細胞を使った再生医療は新たな段階に入った。安全性や効果を慎重に見極める必要があり、期待のしすぎは禁物だが、他の病気への応用にも弾みがつきそうだ(「iPS世界初の移植」)。「インタビュールーム」は、宮崎市保健所長の坂上祐樹さんを紹介する。離島医療や、厚労省で医療行政に携わった経験を生かし、介護と連携した将来の医療体制構想の取りまとめに奔走している。社会保障と税の共通番号(マイナンバー)の運用開始を控え、自治体の個人情報保護対策の事前評価に関する調査結果がまとまった。都道府県と市区町村の61%が今年度中の実施を予定しているものの、33%は「未定」だった(「事前評価、自治体の3割『未定』」)。8月後期の「社説拝見」は、介護報酬、国民健康保険の財源、国内でのデング熱感染などをめぐり、各紙の論調を紹介した。

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税務経理

【9月26日号】 税制・税務の欄で、財務省がまとめた税収実績によると2014年度7月は5兆4975億6500万円で、前年同月比17.9%増となったことを資料付きで報じた。景気回復を背景にボーナスの伸びや3月期決算企業の配当増なども反映され、所得税が15.8%増と大幅に伸びた上、消費税も4月から税率8%に引き上げられた影響が表れて17.5%増となったことが要因。今年度の累計でも、所得税は8.6%増、消費税は40.4%増、法人税は実に14.5倍にもなっている。これだけ税収の伸びがあれば消費税の再増税を先送りしようとの議論も出そうだが、所得税の伸びを企業決算に伴う一時的なものとみるかどうかだろう。年末に向けて税収動向からも目が離せない。「私の苦心」は、兵庫県西宮市納税課を紹介。税務職員が短期間にプロに育つための課題を三つにまとめているのが参考になりそうだ。「ぷろふぃる」欄は、大阪国税局長の岡田則之氏が登場。全国特集「都道府県・政令市の2013年度税収決算見込みと特色」は、北海道、埼玉県、富山県、川崎市を掲載している。

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金融財政ビジネス

【9月25日号】 「理念なき地方創生」と題して、鳴り物入りで始まった「まち・ひと・しごと創生本部」についての記事を掲載した。問われるのは当然、政権の本気度だが、筆者は「?」をつける。特に、「理念なき予算のばらまき」になりかねないことに警鐘を鳴らす。詳細は本誌で。

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