【11月17日号】 市民を国家によって統治される被治者としてではなく、自治の主体と捉える「自治体学」。その理論を実践につなげることを目的に、札幌市で「北海道自治体学土曜講座」が開講されている。運営に携わる筆者が「いま代表制民主主義が危ない」をテーマとした第4回講座の論点について解説する。情報公開条例、環境アセスメント条例、住民投票条例、パブリックコメント制度、政策評価制度、自治基本条例など「市民自治制度」を設ける自治体が増えている。筆者は「画期的な展開」と評価しながらも、「行政内で起案し決裁し議会で議決すれば、それで『市民自治制度』ができると考える安直思考が広がっている」と指摘する。それらが、市民のための「定着した制度」となっているか、改めて考えてみる必要があると訴えている(特集「北海道自治体学土曜講座」)。
【11月20日号】 国内有数のレタス産地として、また農家の所得が高いことでも知られる長野県川上村。農業が地域経済の中核として大きく育ち、耕作放棄地も空き家もまったくないという。農業後継者の結婚相手の6割が、東京など県外からの女性。高学歴の女性が多く、海外から来る人の通訳は、農家に嫁いだ妻たちが行っているそうだ。かつて農家は売り上げに走り、お互いが競争し、村の雰囲気が変わってしまった時期もあったといわれる。そこで川上村は、文化面や福祉面を充実させるなど、暮らしやすい環境づくりに力を注いできた。村の現状を、食総合プロデューサーの筆者が報告する(新・地域力と地域創造(8)「地域丸ごとコンパクトシティー」)。木曜隔週連載「公務員講座」のタイトルは「上司の役割(前編)」。公務職場において、上司が部下に対しどのように接するのが望ましいのか、実践的に論じている。
【11月18日号】 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で例年上位の成績を収めている秋田県。その中でも県南東部に位置する東成瀬村は、高水準の学力で知られ、その教育手法に学ぼうと、多くの教育関係者が視察に訪れる。村には小中学校が1校ずつしかなく、1学年20人程度という少人数での教育が特徴。インタビュー企画「教育長はこう考える」では、学力向上のためにさまざまな取り組みを行っている東成瀬村の鶴飼孝教育長にご登場を願った。
【11月18日号】 広島市の理学療法士の女性が、妊娠を理由に降格されたのは男女雇用機会均等法に違反するとして慰謝料などを求めていた「マタニティーハラスメント」訴訟で、最高裁は降格について「同法の目的に反しない特別な事情がなければ違法」との初判断を示して二審判決を破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。判決のポイントや、関係者の話を詳しく紹介する。日本生協連の「社会保障とくらしの助け合い」調査では、子育て支援や求職者への支援など、公的な社会保障に対し、国民が極めて厳しい評価をしていることが分かった。
【11月21日号】 内閣府の「女性の活躍推進に関する世論調査」について詳報している。「子どもができてもずっと仕事を続ける方がよい」と考える国民は、この20年で約2倍に増加。女性が社会で活躍する上で、家族の支援や、保育所など公的サービスの充実を求める声が強い。長期連載「サ高住の現状と課題」は、入居契約に応じた費用の支払い方法の違い、トラブル、法的規定などを詳細に解説している。
【11月18日号】 今回注目してほしいのは、基礎講座「事例演習方式でわかりやすい非木造家屋の評価実務」で、巻末に資料として掲載した「平成27基準年度の非木造家屋評点項目等変更箇所」。固定資産税評価額を算定するための家屋などの資産評価はこれまで平成24基準をベースに積算されているが、今年6月に新しい平成27基準が公表された。そこで、評点項目や評点数値の何がどう変更されたのか、6ページに及ぶ一覧表で表示しており、こうした比較対照表は他にない。昨年2月の連載開始以来、解説してきた計算方法も微妙に変更された部分があり、新基準への移行に向けて活用していただきたい。「私の苦心」は佐賀税務署を紹介。「ぷろふぃる」欄は、金沢国税局の伊藤雅規局長が登場している。全国特集「都道府県・政令市の2013年度税収決算見込みと特色」には、熊本県、横浜市を掲載した。
【11月21日号】 「ニュース詳報」は、注目された7〜9月期GDPと、47都道府県の地方公務員給与に関する人事委員会勧告のまとめを報告。GDPは年率1.6%マイナスと2期連続の悪化となり、安倍首相は消費税増税の1年半延期を決め、衆院解散に踏み切った。「税制・税務」のコーナーでは、来年度予算案が2年ぶりの越年編成となることの影響を取り上げている。「私の苦心」は秋田県井川町の総務課税務班を紹介。同町はかつて住民税、軽自動車税など4税目を合算し6期に分けて納付してもらう「集合徴収」を実施していたが、県内12町村の共同電算システム導入に参加するのに伴い、この方式を中止しなくてはならなくなった。慣れ親しんだ旧方式を変更するに当たり、意見集約をどう進めたかを説明しており、他の自治体の参考になりそうだ。
【11月17日号】 「アベクロニズム再見」と題した記事を掲載し、日銀による追加緩和を含めた昨今の大きな流れを解説した。「生粋の財務官僚」である黒田東彦・日銀総裁は、消費税率を10%に引き上げる決断を安倍晋三首相に促す意味合いも込めて「バズーカ砲を放った」が、「援護射撃は成功せず、事態は増税先送り、解散・総選挙へ」と筆者は述べている。
【11月20日号】 「大敗北のオバマ大統領に試練続く」と題する記事を掲載した。米中間選挙は、オバマ政権にとって極めて厳しい審判となったが、大統領は落ち込んでばかりもいられない。中国の台頭やイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の勢力伸長、危機の続くウクライナ情勢など、残り2年の任期に全力で取り組まねばならない課題が目白押しだという。詳細は本誌で。