【12月8日号】 月曜連載「大阪の維新改革を検証する」の第2回は「なぜ抜本改革が必要とされたのか」。周辺部も含めると大阪は西日本最大、国内でも東京に次ぐ巨大都市だ。かつては東京を上回る経済力を誇ったが、1970年代以降は次第に経済が停滞し、今や犯罪、雇用、離婚、自殺などの社会指標は軒並み全国ワーストレベルにある。さらにそれらが複合して他の指標をいっそう悪化させる悪循環に陥っている。地域の経済力の衰退に伴い、個人の生活レベルでも、街全体でも、さまざまな問題が発生しているのが現在の大阪の姿なのだ。「単なる役所内の行政改革の域」を超えた、大阪改革の動機と背景が浮かび上がる。
【12月11日号】 地方分権に伴い、自治体では、住民らとの協働のまちづくりをいかに進めるかが課題となっている。協働を前提に、従来型の業務の改善も求められている。そのための研修なども行われているが、知識を学んでも、実際の業務に応用できなければ、改善の成果を上げることは不可能だ。業務改善にまつわるさまざまな障害を克服し、ノウハウを積み重ね、成果志向の組織風土を築くための具体的なアプローチについてレクチャーする(特集「再挑戦・業務改善〜職場主導の業務点検アプローチ」)。急な病気やけがの際に、頼りになる119番。ところが通報を受けて駆け付けた救急隊員に対し、苦情を言う人が意外にも多いという(木曜連載「行政への苦情〈41〉〜外部機関、消防署」)。
【12月9日号】 独立行政法人大学入試センターは11月29日、都内の東京工業大学でシンポジウム「大学入試の日本的風土は変えられるか」を開催した。大学入試をめぐっては、中央教育審議会が12月中にもまとめる答申で、大学入試センター試験を廃止して年複数回実施の「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を創設し、将来的にはCBT(コンピューターを使ったテスト)方式に移行させたい考えを示している。シンポでは、教育測定論の専門家から「中教審答申案の理想実現には教育測定論からの課題解決が不可欠」「そもそもテスト結果には『誤差』が含まれる。大学入試の『日本的風土』を変える必要も」といった興味深い指摘があり、大学や高校、教育産業の関係者ら約240人の参加者が耳を傾けた。
【12月12日号】 「ESD」をご存じだろうか。環境保護や防災など、地球規模の課題解決に向けて人材を育てる「持続可能な開発のための教育」のことだ。2002年に南アフリカで開かれた環境開発サミットで日本政府が10年計画で取り組むよう提案。05年から世界各国の小中高校や大学などで実践されている。このESDをテーマとした国際会議が11月10〜12日に名古屋市で開かれ、2015年以降の推進方策を示した「あいち・なごや宣言」を採択した。世界150カ国・地域から1000人以上が参加した会議の模様のほか、学校現場への普及など今後の課題も併せてリポートした。
【12月9日号】 来春の大学卒業予定者の就職内定率は10月1日現在で前年同期比4・1ポイント増の68・4%。高卒は8・8ポイント増の54・4%増だった(9月末現在)。各都道府県別、男女別の内定率などを含めて詳しく伝える。長期連載「サ高住の現状と課題」はサービス付き高齢者住宅への企業の参入状況を紹介。出版取り次ぎ大手のトーハン、フラワーショップの経営などを本業とする日比谷花壇など、異業種からの参入も相次いでいる。
【12月12日号】 「1 more Baby応援団」などによる「少子化・子育て対策シンポジウム」を前号に引き続き詳報。東京都三鷹市、島根県邑南(おおなん)町の取り組み報告などをお伝えする。「社会保障、財源なき『充実』」では、与野党ともに消費税増税見送りの代替財源を明確にしないまま、社会保障の充実を訴える選挙戦の模様を解説する。
【12月9日号】 「ニュース詳報」は、衆院解散・総選挙に合わせて日本記者クラブが開催した党首討論会における経済論争の部分を報告したほか、この2年間でアベノミクスが経済状況にどのような変化をもたらしたかを総ざらいした。大手企業はアベノミクスを絶賛するが、消費税8%による買い控えと円安の打撃を受ける中小企業からは悲鳴が漏れる。消費税増税の先送りを受けた日本国債の格付け引き下げに伴う波紋も取り上げた。「私の苦心」は、福岡県北九州東県税事務所を紹介している。
【12月12日号】 「ニュース詳報」は2本あり、まず予想外の下方修正となった7〜9月期GDP改定値を取り上げた。もう1本は地方自治体財政健全化法の見直し作業が始まったことで、これまで捕捉されていなかった第三セクターへの貸付金や三セク債などについてもチェックできる仕組みづくりが検討されているという。資料では、財務省がまとめた10月の税収実績を掲載。4〜10月の累計額は前年度同期比10.4%増の18兆1358億円強となり、増収幅は約1.7兆円に拡大した。もっとも、今年度当初予算では16.0%増となる50兆10億円の税収を見込んでおり、これを上回る余剰財源がどの程度生じるか、これからの見極めが重要となる。「私の苦心」は、京都市右京区役所の税務長が登場している。
【12月8日号】 「これが中国の『法治』なのか」と題した記事を掲載した。中国は現在、法に基づく統治(法治)を強めることに取り組んでいる。従来の「人治」政治とも言える不透明さを排除するためだ。しかし、実際の運用面では大きな課題がある。具体的には、「政策(法律)に対応するための対策がまた違法行為を生み出す」ことが起きているという。詳細は本誌で。
【12月11日号】 「『攻めの農業』は実現できるのか」と題し、農業をアベノミクス「第3の矢(成長戦略)」の中心の一つと考える安倍政権が取り組んできた施策を解説する記事を載せた。現時点においては、既存の農業者からも、新規に農業に参入しようとする企業からも、これまでの具体的な取り組みに対する不満の声が聞こえてくると筆者は述べる。ただ、「攻めの農業」の考え方や方向性は決して間違ったものではなく、いかにそれを実現するかに問題があると指摘している。