【12月15日号】 月曜連載「大阪の維新改革を検証する」第3回は、大掛かりな改革に取り組まざるを得なかった大阪の構造的な問題を、さらに掘り下げて解説する。ここ20年ほどの大阪では、経済力の低下による税収減と住民の貧窮化による支出増(社会保障など)が同時に起こった。それが大阪府市財政の硬直化を招き、都市力を再生するのに必要な投資にまで手が回らなくなった。かくして大阪の地盤沈下はさらに進行し、都市力の面で東京や横浜などに後れを取ってしまった─。筆者は具体的なデータを用いながら、大阪が陥った、貧困、財政赤字、都市力低下の三つの悪循環の構造を読み解いていく。抜本的な改革が遅れ、財政難の中「まちの将来ビジョンは考えないという一種の思考停止に陥った」と筆者が指摘するかつての当局の対応からは、都市経営上の教訓を読み取ることができる。
【12月18日号】 公務員が持つべき知見や心構えについて講義してきた木曜隔週連載「公務員講座」。最終回の第25回は「部下の役割」をテーマに据えた。組織では、トップ以外は全ての人が誰かの部下。部下としての役割をいかに果たすかが、組織人としての生涯の課題となる。筆者は「上司の立場で考える」「正しく諫言(かんげん)する」「後輩を育てる」「叱られる存在になる」「悪い情報を上げる」など、具体的な項目を挙げながら、理想的な部下の在り方について論を進めていく。公務組織の中で生きていく職員に対する、厳しくも温かいエールとなっている。特集「オープンデータ活用と地方行政」は、最近注目のオープンデータをめぐって行われた、坂村健東京大教授、三村申吾青森県知事、作家・高村薫氏の鼎談(ていだん)の模様を報告する。自治体の行政にどう生かすことができるのか、そして何が課題なのか、三者三様の視点が提示される。
【12月16日号】 日本教育事務学会(会長・浦野東洋一帝京大学教育学部長)がこのほど、東京都小金井市の東京学芸大学で第2回大会を開催した。昨年12月に創立された同学会は、学校事務はもとより、学校管理職や教育委員会事務局の業務も含め、授業や教育活動を支える「教育事務」の役割に着目。職業的研究者と実践的研究者の議論による研究の発展と情報の交流を図ることを目的としており、会員には学校事務職員が多い。大会では、「制度設計された共同実施を運営する統括事務長・事務長制度」「学校事務の共同実施による住民サービスへのアプローチ」「今日的生徒指導において果たす事務職員の機能」といった発表が行われた。
【12月19日号】 最近、学校や幼稚園、保育所からの「騒音」をめぐるトラブルが増えているという。子どもがたくさんいた時代には大目に見られてきた、子どもたちの出す音に対する意識が、急激に変化していることが大きな要因となっているようだ。学校や園が地域社会と共存できる道はどこにあるのだろうか─。小野田正利大阪大学大学院教授による連載「モンスター・ペアレント論を超えて」では、これから数回にわたって、急速に増えている学校近隣トラブルについて考察する。
【12月16日号】 三重大学と藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)が、南海トラフ地震などを想定し、大学病院同士の協力協定を結んだ。一方の病院がダメージを受けた場合、機器や医師、看護師など、人的・物的の両面で支援するという。長期連載「サ高住の現状と課題」は、サービス付き高齢者向け住宅の医療サービス関連の状況を紹介する。
【12月19日号】 脳卒中などの病気や交通事故などにより脳の機能の一部に障害が起こる「高次脳機能障害」。その支援に取り組んでいる東京都江戸川区が、スマートフォンを使って同障害や認知症の患者などを支援する新しいシステムについてのシンポジウムを開催した。また、厚生労働省がまとめた国民健康・栄養調査を2回にわたり詳報。1回目は肥満や食事の状況など。男性の肥満傾向は増加に歯止めがかかったが、痩せ過ぎの女性は依然増加している。20歳以上の国民のエネルギー摂取状況は前年並み。若年層では野菜不足が目立つ。
【12月16日号】 「税制・税務の動き」コーナーでは、14日投開票の衆院選による政治空白が明けて、2015年度税制大綱策定に向けて調整を再開する与党税制調査会の動きを展望した。焦点は今後数年間で20%台への引き下げを目指すことが掲げられている法人実効税率の扱い。引き下げの初年度として宮沢洋一経産相が「2.5%以上の引き下げ」を唱えているが、財源確保が難航していることなどを伝えている。「私の苦心」は、那覇税務署長が登場。全国特集「都道府県・政令市の2013年度税収決算見込みと特色」は、石川県、山口県を掲載した。
【12月19日号】 「私の苦心」は、新潟県の税務課を紹介。09年に設立した県地方税徴収機構について、引受額に対する収納率は同年度の18.0%から13年度39.2%へと上昇していると指摘。「設置当初のころ、機構の活動による効果は、滞納者に対するアナウンス効果も含め、初年度が一番大きく、次第に薄れていくものと予想していましたが、うれしい誤算となりました」と、同機構の効果をほめちぎっている。「ニュース詳報」の1本目は12月の日銀短観。大企業製造業の景況感はプラス12とまずまずだったが、中小企業ではマインドが悪化。景気回復はまだら模様となっており、市場関係者らは「回復を確認できる内容ではない」などと渋い表情だ。もう1本は与党が引き続き3分の2を占めた衆院選結果について。都道府県と政令市の13年度税収決算見込みは奈良県、札幌市を掲載した。