早読み行政誌

分かりにくい大阪維新(2015年1月5日〜9日号)

地方行政

【1月5日号】 月曜連載「大阪の維新改革を検証する」第4回は、一連の改革の政治的な背景について解説する。維新改革は、報道を追うだけでは理解しにくい。なぜ分かりにくいのか。例えば「大阪都構想」といっても、多くの人には前代未聞のテーマでなかなかイメージされにくい。また、改革を主導する橋下徹氏が国政政党の代表と大阪市長を同時に務めたため、次元の違うニュースが同時に流れ、人々の理解を遠ざけたことも背景にある。さらに、府議会・市議会の首長と野党の駆け引きがあまりに激しく、一般には何が起きているのかフォローできないこともその理由だろう。筆者は「この改革は、実は国政改革、地域再生運動、そして行政改革の3階層のそれぞれで同時多発的にさまざまなことが起こり、また、相互に影響し合って進んでいる」と述べ、従来の行政改革の枠だけでは捉えられないのが、大阪の維新改革だと指摘している(「地域政党」をテコに強力に改革を推進)。

【1月8日号】 阪神大震災の発生から1月17日で20年を迎えるのを機に、この震災がもたらしたものは何だったのかを考える「特集・阪神大震災20年」(3回連載)が始まった。第1回は(1)今も尾を引く被災地の苦悩(2)過去の教訓を生かした災害への備え(3)次世代への災害対応ノウハウの伝承─を取り上げる。木曜連載「地方創生に向けた地域エネルギー事業の創造」の第2回は、地域エネルギーをテーマに開催されたシンポジウムの模様を報告する。再生可能エネルギーやコージェネレーション(熱電併給)などによるエネルギー事業は、地域内での資金循環につながり、地方創生の有力な選択肢であるとの考え方が提示されている(「自治体主導でインフラ整備」)。

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内外教育

【1月6日号】 下村博文文部科学相は昨年11月20日、学習指導要領の全面改訂を中央教育審議会に諮問した。これまでの指導要領で主に示されていた「教育目標・内容」の見直しだけでなく、「育成すべき資質・能力」や「アクティブ・ラーニング」など具体的な学習・指導方法についても検討を要請。現行の指導要領の構造自体を転換する、抜本的な改訂となることが予想される。新年号の巻頭インタビューでは、諮問に当たっての基本的な考え方や問題意識、諮問理由で示された具体的な検討項目の議論の行方について、前川喜平文科審議官に聞いた。

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厚生福祉

【1月6日号】 一定の間隔で早歩きと普通歩きを繰り返す「インターバル速歩」。この運動を普及させ、産学官が連携して中高年の健康づくりに取り組み、成果を上げている松本大学(長野県)の取り組みを紹介。また、横浜市や東急電鉄などが同市青葉区で取り組んでいる地域包括ケアシステムづくりの取り組みについて、このプロジェクトを支援している株式会社メディヴァの責任者が紹介する。

【1月9日号】 長期連載「サ高住の現状と課題」は、前回に引き続き、サービス付き高齢者向け住宅における医療の問題に焦点を当てる。医療機関がサ高住に参入する意義などについて論じる。このほか、高齢者などを対象とした特殊詐欺の発生状況などを紹介している。

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税務経理

【1月6日号】 いわゆるマイナンバー制度の運用が来年1月から始まるが、「直言苦言」で、地方自治体の税務窓口で税法上の守秘義務が守られるか、不安があると指摘している。というのも、マイナンバーを含む特定個人情報について、情報照会者からの問い合わせにどこまで答えていいか、各省庁の関係法令が絡み、非常に分かりにくいためだ。公表を禁じた情報の範囲などはマイナンバー法の別表に記されているが、例えば、公営住宅の管理者は入居予定者の収入状況を官公署に問い合わせることができるが、官公署側は照会者と本人の関係をよく観察しないと回答していいのか判断できないという。番号の本人への通知は今年10月以降始まる。よく整理しておかないと現場で混乱必至だと感じる。他に12月の月例経済報告と、全国地方銀行協会がまとめた地方経済天気図の概要を掲載した。「私の苦心」は船橋市税務部を紹介。全国に先駆ける形で2008年度から市税と全ての公債権の徴収を一元化しており、債権管理の集約を検討している自治体にとって参考となりそうだ。なお、年明け1号は例年、翌年度の税制改正大綱を踏まえた新春巻頭論文を掲載しているが、今回は衆院の解散総選挙の影響で政府予算案が越年編成となったため、先送りした。今回の巻頭は平常通り連載物を掲載し、新春論文は1月20日号ごろに掲載する予定だ。

【1月9日号】 「ニュース詳報」で、先月30日にまとまった与党税制改正大綱について、ポイント解説などを掲載。併せて、地方財政対策をめぐる総務・財務両省の攻防、3.5兆円規模の経済対策をリポートした。「私の苦心」は、茨城県の租税債権管理機構を紹介。01年度の設立以来初となる女性の徴収第一課長が、しばしば指摘される「徴収は女性に向いている」との見方について肯定的に説明している。根拠法令が明確な税務職場は「育児や介護等家庭責任を負った職員への協力体制をつくりやすい恵まれた仕事」とも呼び掛けており、今後の女性進出に期待が持てそうだ。

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金融財政ビジネス

【1月5日号】 「日銀の金融政策は15年にどう動くか」と題した記事を掲載した。筆者は「さらなる追加緩和の有無」「審議委員の後任人事」「円安の進行度合いと政府との関係」が今年のポイントだと指摘する。特に円安については、コントロールできない円安が進む可能性もあるという。

【1月8日号】 「原油安の背景」との記事を掲載した。筆者によると、現在の原油安の背景に「相当に政治的な思惑」があるとの認識が市場に広がっているという。特に、世界最大の原油輸出国であるサウジアラビアについては、米国との関係が決定的に冷え込んだ可能性がある一方、同じイスラム圏で覇権を争うイランを原油安で追い詰めることを意識している感じが強いとも記している。詳細は本誌で。

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