早読み行政誌

日本を変えた大地震(2015年1月13日〜16日号)

地方行政

【1月15日号】 特集「阪神大震災20年」(中)は、この震災が社会に何をもたらしたのかについて考察する。筆者は、阪神大震災を機に「行政の限界が明白になり、行政依存の仕組みが破綻した半面、ボランティアら『市民の力』の必要性が広く認識された」と指摘。また、自助・共助・公助という言葉が普及し、震災関連死、孤独死、心のケア、災害時要援護者(災害弱者)などの概念を定着させたと述べる。その意味で「阪神」は、日本を変えた大地震と言うことができる。ただ「阪神」で浮き彫りになりながらも、東日本大震災では、また同じような問題が繰り返されている。「想定外」という言葉も、また聞かれることとなった。避難などで苦しい立場に置かれた災害弱者の問題も、依然未解決のままだ。阪神大震災から読み取るべき教訓は多く、筆者は、被災地以外の人々が「あすはわが身」と考えて対策を講じる必要性を訴えている。

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内外教育

【1月13日号】 今号から稲垣恭子京都大学大学院教授による連載「『師弟関係』の社会史」がスタートした。「女学校と女学生」(中央公論新社)などの著作で知られる教育社会学者の稲垣教授が、伝統的な師弟関係からメディアを介した「現代版『私淑』」まで、師弟関係の変容をたどる。隔週火曜日号に掲載する予定。

【1月16日号】 京都市南区の市立洛陽工業高等学校は、生徒が模擬の「株式会社」を設立し、間伐材の竹を使った弁当箱や照明の製造、販売に取り組む実践教育プログラムを推進している。昨年9月に設立した「洛陽ラボステーション」には、創造技術科の大学特別進学コースの1、2年生16人が入社。社の経営テーマは、森林資源の活用と放置竹林の問題解決、自然素材と技術の融合だ。近隣地域で間伐した竹を材料に利用し、会社の設置期限の今年3月下旬までに弁当箱やLED(発光ダイオード)スタンド、コップ、おちょこをそれぞれ100個程度製作するのが目標という。ユニークな取り組みをリポートした。

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厚生福祉

【1月16日号】 一定の研修を受けた看護師が、これまでより高度な医療行為を行うことができる制度が10月からスタートする。高齢化の進展に対応する在宅医療の要として期待されている改革で、「看護師の『特定行為』38項目決定」ではその内容を解説した。

連合が昨年まとめた調査の詳報では、労働者の4人に1人が「自分の会社はブラック企業」と考えており、そう考える人ほど心身の不調などを感じていることが分かったことなどを詳しく紹介している。

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税務経理

【1月16日号】 ニュース詳報で、9日に閣議決定された2014年度補正予算案を取り上げたほか、来年1月の運用開始まであと1年を切った社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度の準備状況や関連する動きを報告した。政府・与党がマイナンバーを18年度から金融機関の預金口座にも適用する方針を決めたことも報じているが、1月6日号の「直言苦言」欄が公官庁窓口で混乱が起きる懸念を指摘していたことも併せて読んでいただきたい。ニュース詳報ではもう一つ、総務省がまとめた地方公務員給与実態調査で、地方のラスパイレス指数が3年ぶりに国を下回ったことを記載した。「私の苦心」欄は、奈良県広陵町の収納課を紹介。納税者の意識を変えようと、かつて認めていた低額分納などをやめ、納期内納付の徹底と延滞金の完全徴収に取り組み、滞納者には行政サービスの制限まで実施してきた結果、13年度の現年度徴収率が99.5%にまで上昇したという。納税者の意識変革のきっかけは、まず行政側の意識改革だと納得させられる。

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金融財政ビジネス

【1月15日号】 「15年度の経済を考える」と題した記事を掲載した。筆者は、15年度の日本経済の標準シナリオについて「短期楽観・長期悲観」と述べている。特に中長期的には、「考えれば考えるほど難問山積である」と述べ、財政再建の行方を懸念している。詳細は本誌で。

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