【1月26日号】 この10年間の大阪のGDP(域内総生産)成長率は、全国の主要都市の中で唯一マイナスを示している。大都市の勢いは経済状況に左右されやすい。貧困などの社会問題の解決にも経済再生が近道だ。このため大阪の維新改革では、2008年からさまざまな経済再生策を講じてきた。国の国際戦略総合特区制度を活用し進出企業の地方税をゼロにする特区税制、観光集客に向けたイベント戦略、成長産業の育成・集積など、経済再生の取り組みを具体的に見ていく。こうした経済政策をめぐり、筆者は「府市連携がなければ大都市大阪の成長戦略は描けない」と強調している(月曜連載「大阪の維新改革を検証する」〈6〉=府市が連携して成長戦略を推進)。
【1月29日号】 木曜連載「地方創生へ、公務員が創造すべきコト」(2)は、「市民の声を正しく聞けば、政策は正しくなる」の第2回。全国的に見られる首長選の投票率低下は、地方行政に「無関心、無共感」な層が広がっている実態を端的に示している。行政にとって、住民の無関心は非常に深刻な問題だ。例えば「この人はダメ」「この施策はダメ」などと、否定的な意見をもらえれば、改善策を講じられるし、相手との溝を埋めることもできるから、まだ何とかなる。そこから自治体が目指す「協働」に持ち込む端緒も得られるだろう。しかし「自分に無関心な相手とは溝を埋める手掛かりさえ見いだせないので、協働へ持ち込むことは不可能に近い」と筆者は指摘する。では、住民に関心を持ってもらうために、自治体が根本的に改善すべき課題とは何だろうか。
【1月27日号】 今号の巻末匿名コラム「ラウンジ」のテーマは、下村博文文部科学相が16日に発表した「高大接続改革実行プラン」。同プランは、中央教育審議会が昨年12月に出した大学入試改革など高大接続答申の具体化に向けたスケジュールを示したものだが、「大学関係者に大きな衝撃を与えたようだ」という。これまでは中教審が大学入試改革を答申しても、その具体化が見送りになったり、関係者の意見を反映した大きな修正が入ったりしたが、極めて詳細に日程が書き込まれたプランからは、答申の実現に向けた、政府の揺るぎない決意が示されているからだ。答申は、大学入学者選抜、大学教育、高校教育を「三位一体」で改革することを狙っており、筆者は、高校、大学関係者に「改革は、もう既に始まっているという覚悟が必要」と説く。
【1月30日号】 いじめを受けた大津市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した事件から3年が過ぎたことを受け、いじめとの向き合い方を考えるシンポジウム「大津いじめ事件のあと〜止められない暴力と向き合う社会へ〜」が1月15日、龍谷大学瀬田キャンパス(同市)で開かれた。同大社会学部の有志学生らでつくる「社会学部学会」の主催で、学生ら約500人が参加。教育評論家の尾木直樹氏らが、いじめの現状と対策について語った。
【1月27日号】 介護報酬や生活保護費の引き下げ、子育て新制度の実施など、前年度に比べて大きな変化があった厚生労働省関係の予算を解説した。また、日本家族計画協会が実施した調査「男女の生活と意識に関する調査」を詳報。セックスレスの既婚男女が増え、若年男性の「草食化」に拍車がかかっている、といった調査の結果を紹介する。
【1月30日号】 長期連載「サ高住の現状と課題」では、2014年度診療報酬改定で実施された在宅医療の診療報酬改定を詳説。「内閣府がん対策世論調査」では、緩和ケアなどがん医療に関する認知度が上がり、痛みの緩和に用いられる医療用麻薬についても、7割の人が使用を希望していることが分かった。
【1月27日号】 「解説」面で、2015年度予算案と地方財政計画の全体像についての解説記事を掲載した。また「ニュース詳報」では、日銀が政策決定会合で15年度の消費者物価指数見通しを1.7%から1.0%へと大幅下方修正したことを特集した。長期金利は0.2%を割り込む状況となり、日銀の大規模金融緩和政策は曲がり角に立たされている。「私の苦心」は、長野県の地方税滞納整理機構を紹介。スキー客が減少傾向にある中で、ホテルなどで固定資産の滞納が発生しているが、売上金を差し押さえても滞納額に遠く及ばず、不動産を公売にかけても買い手がつかないといった苦悩をつづっている。
【1月30日号】 与党税制調査会担当記者が執筆した15年度税制改正大綱の解説記事を掲載した。4ページの力作で、解散総選挙のために実質審議は5日間の短期決戦となり、衆院選圧勝を背景に安倍首相サイドが法人税減税などで、財政再建を重視する自民党税調や財務省を押し切った経過などを伝えている。今後の最大の焦点は、公明党がこだわっている消費税への軽減税率導入の是非。秋までに制度案を作ることで与党は合意しているが、事業者に負担が大きい軽減税率を政治判断だけで決定するのか、気掛かりだ。このほか、1月の月例経済報告の資料を掲載した。「私の苦心」では、金沢市の平野豊税理士が北陸3県のお国柄などを紹介している。
【1月26日号】 「社会保障が左右する日本の財政」と題した記事を掲載した。日本の財政の在り方を議論する場合、「国と地方を合わせた」財政収支の動向が注目されることが多い。しかし筆者は、国・地方という形で財政をまとめてしまうと、社会保障をめぐるお金の動きのかなりの部分が抜け落ちてしまい、「社会保障が財政に及ぼす影響が過小評価されることになる」と指摘する。詳細は本誌で。
【1月29日号】 「四つの視点から考える15年の日本経済」との記事を掲載した。筆者は、「緊急経済対策」「日銀法改正」「日銀の金融政策」「原油安」という四つの視点から日本経済を分析、政府・日銀が追加対策を迫られる可能性について説明する。