早読み行政誌

発達障害者の視覚世界(2015年4月6日〜10日号)

地方行政

【4月6日号】 月曜連載「地域防災最前線」(83)は、防災行政無線について引き続き検討する。東日本大震災の発生時、防災行政無線は津波避難行動を促す上で一定の役割を果たした。しかし「聞き取れる人が少なかった」「はっきりとは聞き取れなかった」「情報が不十分だった」といった課題も指摘されている。同震災で茨城県大洗町は津波の犠牲者を一人も出さなかったが、これは防災行政無線で的確な放送を行ったことが背景にあるといわれている。この事例も参考に、住民に効果的に伝えるためのサイレン、呼び掛け、放送文などの運用方法を提示する。

【4月9日号】 例えば、自治体が公共施設を運営する場合、地域の内外を問わず誰でも利用できる「グローバル」型か、市民に限る「ローカル」型か、明確に設定するはずだ。ローカルかグローバルか、対象とする顧客は、自治体が意図する政策目的に応じて決まってくる。さて、商店街再生の成功事例として知られるある自治体の取り組み。筆者はこれを「観光地化事業としては成功したが、(目的とする)商店街再生事業としては失敗」と指摘する。それはなぜか。グローバルかローカルか、の視点から読み解く(木曜連載「地方創生へ、公務員が創造すべきコト」〈10〉)。

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内外教育

【4月10日号】 文部科学省は、2014年度教科書検定の結果を公表した。今回は中学校の教科書が対象で、島根県の竹島と沖縄県の尖閣諸島を「我が国の固有の領土」と明記した中学校学習指導要領解説の改訂が反映される初めての検定となる。その領土問題に関する記述は、前回検定で合格した現行の社会科教科書に比べ、平均2倍程度に増えている。今号から2回連載で、14年度教科書検定の結果を詳報する。

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厚生福祉

【4月7日号】 長期連載「サ高住の現状と課題」は第37回。2015年度介護報酬改定で、高齢者住宅に適用される介護報酬が引き下げられた。その背景には施設の経営状況が相対的に「良好」だったという政府の判断がある。その判断の裏付けとなった2014年介護事業経営実態調査の内容を紹介する。各地の医療・福祉関連団体などを紹介する「地域を支える」は、宮崎市で演劇やダンスなどを通じた子どもの活動支援を行っている「NPO法人みやざき子ども文化センター」にスポットを当てる。

【4月10日号】 医師不足とともに深刻な看護師不足。特集では、その現状を改善するため、看護師確保に奮闘する山梨県ナースセンター、横浜南共済病院などの取り組みを紹介する。大阪大と東大の研究グループが、自閉症やアスペルガー症候群など発達障害者の視覚世界を体験できるシミュレーターを開発した。発達障害者の中には、知覚が鋭敏すぎるため、例えば急に大きな音がしたり、頭を動かしたりしたとき、いろいろな色が見えたり、ものがまぶしく見えたりすることがあるという。発達障害者の見ている世界を体験することで、社会の一層のバリアフリー化に役立つと期待される。「地域を支える」は水戸市の「じゃぁまいいかねっと」が登場。東日本大震災、福島第1原発事故で水戸市に避難してきた人々を、相談会や交流会で支援している活動を紹介する。

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税務経理

【4月7日号】 地銀協がまとめた地方経済天気図の概要を掲載。景況判断DIは前月比1.5ポイント低下し、「個人消費が盛り上がりを欠き、景気回復の動きは緩慢」という判断だった。ニュース詳報で取り上げた3月の日銀短観も、前回(昨年12月)に比べ大企業製造業の景況判断DIは横ばいだったが、中小企業製造業で低下。デフレ脱却はまだ道半ばと言える。連載中の全国特集「都道府県・政令市 2015・2014年度の税収見通し」の第8回は、埼玉県と岡山県、浜松市を掲載。「私の苦心」では宮城県岩沼市の収納対策室を紹介。太平洋岸の市で、滞納者から「東日本大震災の影響で納税できない」との言い分をよく聞かされるが、そもそもの滞納原因などを十分調査し、是々非々で対応する心掛けについて語っている。

【4月10日号】 ニュース詳報では、日銀の異次元緩和が3年目に突入したことをリポートした。消費税増税を先送りした安倍政権は、2%上昇の物価目標達成を急がない姿勢に転じており、あくまで早期達成を目指す日銀との間で隙間風が吹いている、と分析している。都道府県・政令市税収見通しは、福島県と大分県を掲載。「私の苦心」には、兵庫県尼崎市の納税管理課が登場している。

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金融財政ビジネス

【4月6日号】 「改めて考える円安」との記事を掲載した。筆者は、為替相場を政策的にコントロールすることは難しく、また、円安が持続的な成長に結び付くとは限らないと述べている。詳細は本誌で。

【4月9日号】 「財政健全化と社会保障改革」との記事を掲載した。筆者は「厳しい状況にあるわが国の財政を立て直すには、歳出の抑制、中でも最大の支出項目である社会保障分野の見直しが欠かせない」と説いている。特に、2050年には高齢者1人を現役世代1.2人で支える「肩車型」社会が到来する見通しであり、持続可能な社会保障制度を構築するためにも、社会保障改革において大胆な給付の見直しは避けられない、との見方を示している。

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