早読み行政誌

とんがった子のサポート(2015年4月13日〜17日号)

地方行政

【4月13日号】 国家公務員の超勤を減らすため、政府は今夏から「朝型勤務」の普及に取り組む。可能な人は始業時刻を1〜2時間早め、原則として残業せずに退庁するという内容だ。定時に帰る人を増やし、退庁しやすい雰囲気をつくるのが主な狙い。霞が関では超過勤務が常態化しているが、果たして公務員のライフスタイルの変化につながるか(総務省トピックス)。月曜連載「大阪の維新改革を検証する」(16)は、大阪府立中之島図書館と大阪市中央公会堂の改革を取り上げる。隣り合わせた両施設は共に歴史があり、貴重な文化遺産として知られている。しかし、府と市の縦割り行政などが原因で、その価値を十分に生かす取り組みや連携は行われてこなかった。街の宝をよみがえらせようとする一連の改革について詳述する。

【4月16日号】 北海道下川町が、アロマセラピーの普及・啓発活動を手掛ける日本アロマ環境協会と「まち・ひと・しごと創生 友好・交流に関する基本協定」を結んだ。面積の約9割を森林が占め、森林を生かした地域づくりを進めている下川町が、協定締結を機に展開する活動とは(「森林を生かしたまちづくり=アロマ協会と『交流協定』締結」)。地域活性化に向け「地域間競争」に勝ち抜くことが必要だ、といわれている。そんな世に流布する「常識」からすると、虚を突かれる指摘かもしれない。「地方創生へ、公務員が創造すべきコト」(11)で、筆者は「強者になれない大勢の『弱者、地方都市、中小企業』には、競争しない生き方があることに、気が付いてほしい」と語り掛ける。「『競争しない』で成長する」、そんな方法があるという。

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内外教育

【4月14日号】 学力トップの秘訣(ひけつ)は「当たり前の徹底」─。全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)や全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)で、例年好成績を収めている福井県。その秘訣を探ろうと、同県に教員を派遣し、学校現場で研修させる都道府県が増えている。そうした茨城、熊本など6県からの派遣教員による自主研究会がこのほど、1年間の研究成果を教育委員に報告。「教員同士の同僚意識の高さ」や「当たり前のことの徹底」などが、高い学力のベースになっていると結論付けた。研究会に参加した8人の派遣教員は、4月に派遣元の県に復帰したが、福井での研修の成果を自県での教育に生かしたいと意気込んでいる。

【4月17日号】 特定の分野で、先天的に平均よりも顕著に高い能力を持っている「ギフテッド」の人たちの教育について考えるセミナーがこのほど、都内で開催された。ギフテッドの子どもは、全体の2〜3%の割合(クラスに1人程度)で存在し、常に多様な知的刺激を切望して満たし、興味ある分野を自分の好む学習方法で極めて深く掘り下げ探究する傾向があるという。記憶力が高く、論理に優れ、感性も豊だが、一方で、納得できないことには我慢できず、学校でトラブルを引き起こすケースもある。こうした「とんがった」子どもたちの生活、学びをどうサポートしていけばいいのか─。参加した小中学校教員や医師、保護者ら約70人が耳を傾けた。

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厚生福祉

【4月14日号】 国連が定めた世界自閉症啓発デー(4月2日)と発達障害啓発週間(2〜8日)に合わせたシンポジウムが4日、東京・霞が関で開かれた。村木厚子厚生労働事務次官や國定勇人新潟県三条市長などが参加したこのシンポの模様をお伝えする。「地域を支える」は、引きこもりの人々を支援する秋田県藤里町社会福祉協議会の「こみっと事業」にスポットを当てた。引きこもりの若者たちが開発したヒット商品などを紹介している。

【4月17日号】 長期連載「サ高住の現状と課題」は第38回。介護報酬が大幅に引き下げられた2015年度改定に対する老人福祉施設側の意見や見解を紹介する。「インタビュールーム」は、総合眼鏡フレームメーカー「シャルマン」(福井県鯖江市)の堀川馨会長が登場。眼鏡フレーム作りで培った金属加工技術を生かし、脳外科用の手術機器など精密な医療機器の開発で実績を上げている同社の取り組みを聞いた。

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税務経理

【4月17日号】 9回にわたって連載した「2015年度税制改正と今後の展望」が、国税関係で完結した。総務省、財務省幹部が税制改正のポイントを解説する恒例の連載で、新聞報道で伝えきれない部分まで報じられたのではないかと思う。ニュース詳報は、10日に15年ぶりの日経平均2万円に乗せた東京株式市場についてリポート。景気回復を印象付けたが、2人以上世帯の金融資産に占める有価証券の割合は2割を下回っており、株高の恩恵は富裕層ら一部に限られていることを忘れてはならない。「私の苦心」は、大分県津久見市の税務課を紹介。10年ほど前は訪問が中心だった徴収活動は、今では自主納付中心に転換。市の徴収率はここ数年、県内上位をキープしているが、人員減少の流れの中で、「一人ひとりのモチベーションをいかに上げるか、効率よく滞納整理をできるかが課題となってきている」との指摘は、多くの自治体に共通するようだ。連載中の全国特集「都道府県・政令市の税収見通し」は第10回で、富山県と島根県、広島県を掲載した。

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金融財政ビジネス

【4月13日号】 日銀のいわゆる出口戦略について解説する「『出口』局面に向けての政策課題」との記事を掲載した。筆者は、日銀の国債保有残高が大きく膨張したことなどから、日銀が出口戦略に着手した場合、日銀のバランスシートが「逆ざや」となって損失が発生し、政府が補填(ほてん)する必要が生じる可能性を指摘している。詳細は本誌で。

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