早読み行政誌

時事通信「教育奨励賞」を特集(9月28日〜10月2日号)

地方行政

【9月28日号】 鍵屋一跡見学園女子大教授の連載「地域防災最前線」は、阪神・淡路大震災復興誌を読む(23)で、阪神大震災での教員の対応を取り上げた。自宅が全半壊であろうと、その日のうちに、本能的に勤務校に向かった教員ら。震災当日、神戸市では市長部局の出勤率が3割程度だったのに対し、市教委では92%に上った。鍵屋氏は、子どもたちの安全を確認し保護したいという教員たちの「熱意」が、避難所運営での地域住民からの絶大な信頼感につながったと指摘。教員らに改めて敬意を表し、防災拠点としての学校の機能強化を訴える。

【10月1日号】 予算の裏付けが乏しく「絵に描いた餅」となりやすい自治体の総合計画を、いかに「政策の仕様書」に高めるか。慶応大の玉村雅敏教授の研究グループの連載「自治体経営の生産性改革」は、市政基本条例と財政に関する条例で総合計画を明確に位置付けて実効性を持たせた、岐阜県多治見市の取り組みを紹介する。

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内外教育

【9月29日号】 第30回時事通信社「教育奨励賞」(文部科学省後援)の受賞校が28日に公表され、今号はその特集号。最高賞に当たる「優秀賞・文部科学大臣賞」のほか、「優秀賞」「特別賞」(各副賞100万円)に選ばれた計3校の実践リポートを掲載している。教育の今日的課題にそれぞれ取り組んでいる各校のリポートは、読み応え十分。日本の学校教育の神髄にぜひ触れていただきたい。

【10月2日号】 国立青少年教育振興機構はこのほど、日本、米国、中国、韓国の高校生を対象とした「高校生の生活と意識に関する調査」の結果をまとめた。それによると、「自分は駄目な人間だと思う」と回答した日本の高校生は7割以上に上っており、4カ国中で突出して高いことが分かった。日本の子どもの「自己肯定感」の低さは、かねて大きな問題となっていたが、調査結果は改めてそれを裏付けた形だ。その一方で、過去の調査結果と比較すると、日本の高校生の自己肯定感は上昇していることも明らかになった。依然として課題は多いものの、日本の子どもたちの自己肯定感の低さは、改善の兆しを見せているとも言えそうだ。

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厚生福祉

【9月29日号】 巻頭では厚生労働省の2016年度概算要求について詳しくお伝えする。また、香川県高松市で開かれた内閣府の「輝く女性応援会議」の模様を紹介。「地域を支える」では、3Dプリンターなどのデジタル工作機械を一般開放し、ものづくりを通じた世代間交流の場を提供している工房「ファブラボ ヤマグチβ」にスポットを当てた。

【10月2日号】 長期連載「サ高住の現状と課題」は第55回。全国有料老人ホーム協会の調査などをもとに、全国のサ高住の居室数や居室面積、共用施設の現状などについて解説する。インタビュールームは、長野県こども・若者担当部長の山本京子さんが登場。子育てや児童虐待などに対する同県の取り組みを聞いた。

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税務経理

【9月29日号】 ニュース詳報では、間もなく番号通知が始まるマイナンバー制度を取り上げた。政府は「個人番号カードの取得はメリットが大きい」と呼び掛けるが、流出や「成り済まし」問題への懸念はなお拭えない。もう一つは、国交省が公表した7月1日現在の基準地価を報じた。「ぷろふぃる」欄は、小原昇仙台国税局長を紹介。全国特集「都道府県・政令市の2014年度税収決算見込みと特色」の第14回は、宮城県、秋田県、大阪府と千葉市を掲載した。「私の苦心」には、鹿児島市の松元支所税務課長が登場。1970年代半ばから3回にわたり固定資産税の家屋評価を担当した中で、かつての木造家屋中心からバブル時代を経て複雑で高機能な家屋へと構造物が変化したのにつれて、資産評価のノウハウが様変わりしてきたことを解説しており、興味深い。

【10月2日号】 ニュース詳報は、自民党総裁に無投票再選し、3年の任期を得た安倍首相がアベノミクスの第2ステージとして新「三本の矢」を掲げたことを報じた。また、与党税制協議会では財務省の「日本型軽減税率」が不評で、秋にまとめるとしてきた消費税の軽減税率の具体案づくりを断念した動きをまとめた。また、9月の月例経済報告は、基調判断で「緩やかな回復基調」の認識を残しながらも、前月あった「改善テンポにばらつき」の表現から「一部に弱い動きもみられる」に変更し、実質的な引き下げとなった。首相が第2ステージと宣言した経済状況の足元はどこかかみ合っていないようだ。「ぷろふぃる」欄は、藤田博一名古屋国税局長を紹介。都道府県・政令市の税収決算見込み第15回は、兵庫県と横浜市を載せた。「私の苦心」は、群馬県藤岡市の納税相談課長が登場している。

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金融財政ビジネス

【9月28日号】 「消費税、TPP、コメめぐる国民不在の政治」と題する解説記事を掲載した。元農水官僚の筆者は、消費増税に伴う負担軽減策が導入される一方で、コメの値段について「10%以上引き上げる政策が推進されている」と、古巣の農業政策を厳しく批判。減反を直ちに廃止して米価を下げれば、零細な兼業農家が農地を手放すことで主業農家への集積が進み、規模拡大、コスト削減が可能になると主張する。

【10月1日号】 インフレ目標に黄信号がともりつつある中、「追い詰められた日銀の強気シナリオ」と題する解説記事を掲載。筆者は日銀の政策について、信認を維持するため、近く、追加緩和に追い込まれると予想。一方で、2%のインフレ目標を掲げる限り、金融緩和がどんどん強化され「副作用や水面下で蓄積されるリスクが膨らむ」と警鐘を鳴らす。

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