【8月29日号】 諸外国と比べて遅れているカード決済の行政利用について、富士通総研の研究者が「政策提言」コーナーで論じた。筆者が所属するチームは、昨年5月から今年3月にかけ、大阪市と連携してプリペイドカードを用いた生活保護費給付のモデル事業を実施。その結果を踏まえ、プリペイドカードは「給付全般について導入が可能」と強調し、プレミアム商品券、災害見舞金、議員の政務活動費を例に、プリペイドカード利用の有効性を説く。プリペイド機能をマイナンバーカードの磁気部分に付すことで、マイナンバーカードの利用価値も大いに高まると指摘する。
【9月1日号】 木曜連載「市民用施設のサービス改善〜新潟市の挑戦」(上山信一慶応大教授ら執筆)は第3回で、子育て施設の改善活動を踏まえた考察をまとめた。施設ごとのサービス品質のバラツキの大きな要因は利用者側から寄せられる声の理解度にある、と指摘する筆者。例えば、「ボールは1人1個までのルールを作ってほしい」ではなく「ボールを1人でたくさん使う人がいて遊べなかったので、1人1個までのルールが欲しい」といった具合に、利用者の要望などを事実に基づく根拠と併せて聞き出す施設職員の対話力の重要性を訴えた。
【8月30日号】 文部科学省が設置した「道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議」は「『特別の教科 道徳』の指導方法・評価等について」と題した報告書をまとめた。小中学校で教科化される「特別の教科 道徳」(道徳科)の評価について、他の子どもと比較することなく児童生徒の成長を励ます観点からの「個人内評価」を、数値ではなく文章による記述式で行うよう提言。新たに道徳科の評価を記述する欄を設けた、指導要録の参考様式も併せて示した。報告書を受けて文科省は7月29日、都道府県教育委員会などに内容を通知し、各学校に周知を図っている。
【9月2日号】 全国高等学校教頭・副校長会はこのほど、東京都千代田区の砂防会館別館などで、3日間にわたり、第55回総会・研究協議大会を開催した。統一主題は「社会の変化に対応できる力を高める高校教育の推進〜未来を創造する人づくり」で、全国から約660人の副校長や教頭などが参加。総会では、瀧澤隆司会長(東京都立足立工業高校副校長)の後任に、千葉県立長生高校の小芝一臣教頭を選出した。東京以外からの代表選出は、理事長制時代の1964年度(茨城)以来52年ぶりで、会長制となった72年度以降では初めて。総会・研究協議大会の模様を詳しく紹介する。
【8月30日号】 エゾシカなど、有害鳥獣として駆除された野生動物の皮を利用し、かばんや財布などの製品にする「マタギプロジェクト」が進められている。製品化を担うのは、一般企業での就労が困難な障害者らの働くソーシャルファームだ。同プロジェクトの推進に取り組む済生会理事長・炭谷茂氏がプロジェクトの背景とその意義を解説する。
【9月2日号】 近年、福祉施設や医療施設の建設費が上昇している。東日本大震災以降の復興需要に加え、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた公共工事の増加なども影響している。独立行政法人福祉医療機構がまとめた2015年度の建設費の動向を同機構リサーチグループの守川美咲子氏が解説する。
【8月30日号】 先の人事院勧告は配偶者手当の縮小を提言し、政府税調などがこれから議論する配偶者控除見直しの先導役のような内容となった。「直言苦言」欄ではこれが見直しの追い風になるかについて考察し、社会保障制度や最低生活費非課税の考え方、事業所得者との公平などさまざまな課題を併せて整理できなければ、「増税目当てとの批判は免れない」とくぎを刺している。「ニュース詳報」は、9月26日召集の臨時国会に提出される第2次補正予算案の概要を報じた。ほかに8月の月例経済報告の概要を掲載。「ぷろふぃる」欄では、金沢国税局長となった橘光伸氏を紹介した。「都道府県・政令市の15年度税収決算見込みと特色」の第8回は、滋賀県と相模原市。「私の苦心」は、松江市の固定資産税課を紹介している。
【8月29日号】 インバウンド需要の拡大へ向けた課題などを探る連載インタビューを開始し、初回は日本旅行業協会の田川博己会長に聞いた。田川会長は、東京五輪までにインフラを集中整備すべきだと提言する。解説コーナーでは、安倍政権の経済運営の行き詰まりを指摘。コラム「三都物語」では英国の欧州連合(EU)離脱について、「英国が最初ではない」として、これまでの歴史を振り返りつつ、スコットランドが取り得る選択肢を示した。
【9月1日号】 「探針」は、リニア中央新幹線の全線開業前倒しを取り上げ、自力での資金調達にこだわってきたJR東海が突如、財投活用にかじを切った背景を探った。インバウンド連載インタビューの2回目は、JR東日本の清野智会長が登場。地方空港への格安航空会社(LCC)誘致が重要であるとの認識を示した。解説コーナーでは「第4次ベンチャーブーム」と呼ばれる現在、大学発ベンチャーの現状を紹介した。