早読み行政誌

海外で「市民参加予算」の取り組み広がる(10月3日〜7日号)

地方行政

【10月3日号】 地方議員選の投票率が低下傾向を続ければ、限られた市民による政治の意思決定が横行し、代表民主主義を揺るがしかねない。こうした危機感から海外では「市民参加予算」の取り組みが広がりを見せているという。明治大公共政策大学院ガバナンス研究科の教授陣がリレー形式で執筆する月曜連載「現代のガバナンスを考える」では、市民参加予算の代表例として、予算の半分を多くの市民が討議に参加できる形で策定することにしたブラジル・ポルトアレグレ市の挑戦を取り上げる。

【10月6日号】 人口が減少しても、豊かに安心して暮し続けられる社会で不可欠なものは何か。慶応大玉村雅敏教授を中心に執筆する木曜隔週連載「自治体経営の生産性改革」では、「(自治体がそれぞれの)都市構造を読み解いた上で、地域に密着した社会関係資本を醸成し、そのチカラを活(い)かせる空間形成を進めていく」必要性を指摘。全国的な優良事例として、富山県氷見市の取り組みを紹介した。

地方行政表紙 地方行政とは

内外教育

【10月4日号】 文部科学省が全国すべての小学校6年生と中学校3年生を対象に実施した2016年度の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果がまとまった。「学校間、都道府県間の無用な学力競争をあおる」「児童生徒の学力向上につながっている」と、賛否両論が絶えないこのテスト。その結果を3回に分けて紹介する。

【10月7日号】 学校の教員の忙しさが問題とされるようになって久しい。小野田正利大阪大学大学院教授による連載「モンスター・ベアレント論を超えて」は今回、改めてこの問題に焦点を当て、教職員の労働改善が進まない理由の背景に、実は教育委員会事務局職員の働き方の問題があるのではないか、と指摘する。佛教大学の原清治教授らのグループが、高校生のネットいじめに関する調査結果をまとめた。高校を学力階層別にみると、ネットいじめの発生率は学力3階層それぞれに山がある「W字型」になり、難関大学への進学者が多い「超進学校」でも発生。いじめ発生の背景はそれぞれ違うため、学校の実態に合った啓発活動が有効だという。

内外教育表紙 地方行政とは

厚生福祉

【10月4日号】 長期連載「第7次医療法改正をめぐって」は第16回。今回は、医療法人の貸借対照表の内容がテーマ。資産の部、負債の部それぞれについて、流動、固定に何が該当するかを取り上げている。

【10月7日号】 有料老人ホームが倒産した際の入居者の一時金保全措置が強化されると、厚生労働省担当記者が解説。現行では2006年以降に設置を届け出た運営事業者に一時金返還のための保全措置が義務付けられているが、厚労省はそれ以前のホームにも同様に義務付ける方針で、次期通常国会での法改正を目指す。

厚生福祉表紙 地方行政とは

税務経理

【10月4日号】 「ニュース詳報」は、働き方改革に向けた政府の動きを「実現会議」の初回会合を中心に報じた。「ぷろふぃる」欄では、国税庁長官の迫田英典氏を紹介している。税制改正などに関する大手新聞の論調を探る「社説を読む」は、所得税の配偶者控除廃止に各紙ともおおむね賛成していることをまとめた。ただ、安倍首相周辺が来年初めを射程とする衆院選の解散風を吹かせている中で、落ち着いた所得税改革が進められるだろうかという疑問も呈した。「都道府県・政令市の15年度税収決算見込みと特色」第16回は、福井県、和歌山県、京都市、福岡市を掲載。最終ページは今回、「私の苦心」に代わり「COLUMN(コラム)」として投稿記事を掲載。北九州市の小倉税務署長が、現行の申告納税制度を維持するため青色申告会など各種民間団体の協力が欠かせないとして、謝意をつづっている。

【10月7日号】 恒例の特集として、主要各省別に見た税制改正要望の連載が始まった。初回は総務省、文科省、経産省を取り上げた。もう一つ、新連載として「基礎からわかる家屋評価の仕組みと評価計算」がスタート。最近問題視されることが増えている固定資産税をめぐって、改めて資産評価の基礎から解説するシリーズだ。「ニュース詳報」は日銀短観を報じた。地方税収決算見込みは、香川県と愛媛県を掲載。「私の苦心」は、山形県の税政課を紹介している。

税務経理表紙 地方行政とは

金融財政ビジネス

【10月3日号】 「Vox Femina」は、米大統領選の共和党候補トランプ氏の躍進の秘密を分析。同候補を支えるのは中産階級の白人男性だが、支持に至った複雑な心境が興味深い。「経済東奔西走」は台湾の蔡英文政権の「新南向政策」を紹介。中国依存から脱却し、東南アジア諸国連合(ASEAN)やインドとの関係強化を目指しているが、なかなか思惑通りには進んでいない。海洋安全保障問題の論客である日本国際問題研究所の小谷哲男主任研究員には、南シナ海をめぐる中国とフィリピンの紛争で出された仲裁裁定を解説してもらった。

【10月6日号】 「日本再生への道(99)」では、「医療保険改革待ったなし」と題し、超高齢化が進む中、引退層も負担増が避けられないとする解説を掲載した。「本石町」は日銀が先に導入した「長短金利操作付き量的・質的緩和」の功罪を取り上げた。「探針」は地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」が一気に発効する見通しとなったことを伝えた。

金融財政ビジネス表紙 地方行政とは