早読み行政誌

自治体広報のポイント伝授―隔週で連載開始(12月5日―9日号)

地方行政

【12月5日号】 広報力の向上は、どこの自治体も課題として認識している一方で「完璧にうまくいっている」という自治体は多くないのではないか。筆者の小田順子氏は2013年9月から新潟県柏崎市で非常勤の広報担当職員として勤務している広報コンサルタント。PRのプロとして自治体広報のどこを変えたらよいか、そのポイントを伝授する月曜隔週連載「増殖する広報パーソン─こちょこちょ課の1000日戦争」がスタートした。来年夏までの18回の予定。

【12月8日号】 マイナンバー制度のプロは同制度が本格的に機能し始めれば、日本の行政サービスは劇的に進化すると言う。しかし、これまでのところ庶民レベルでは個人番号の取り扱いの「手間」ばかりが目立ち、大きなメリットを感じる向きは少数派なのではないだろうか。こんな問題意識から、マイナンバー制度のメリットを多角的に論じる木曜連載「国民生活を支えるマイナンバー」を企画、同日号から掲載を始めた。執筆者は総務省と内閣官房の若手官僚。6回連載の予定だ。

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内外教育

【12月6日号】 4月に発生した熊本地震。公立学校の教職員は、避難所の運営に関与すると同時に、学校再開へ向けたさまざまな作業に追われた。同県益城町の小学校に1カ月にわたって教職員を派遣した徳島県教育委員会が、このほど活動報告書を公表。同じ教育関係者の目から見た、被災地の状況、児童の様子、奮闘する教職員の姿を時系列で紹介する。

【12月9日号】 経済協力開発機構(OECD)加盟国などが参加した2015年の「生徒の学習到達度調査」(PISA2015)の結果が6日、公表された。日本の順位は「科学的リテラシー」「数学的リテラシー」の両分野とも順位が上昇する一方、読解力の順位は後退した。PISA2015の結果を2回に分けて紹介する。

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厚生福祉

【12月6日号】 地震などの被災地でボランティアを行うためバスツアーを仕立てる団体について、旅行業法に抵触せず円滑に実施できるような方法を観光庁が明示することになった。原則として旅行業の登録がないと参加者からバス料金や宿泊費を集めることはできないが、法解釈を見直し、災害発生から半年程度に限り実施できるよう特例を創設するという。災害頻発の折、タイムリーな措置と言え、国土交通省クラブの武司智美記者が報じている。
 三重県が10月末、精神障害や精神疾患への差別や偏見をなくす啓発活動の推進のため、「お笑いこころサミット」を津市で開催した。県から「こころのバリアフリー大使」に任命されているお笑い芸人コンビ「松本ハウス」が登場。コントとトークショーに観客は笑い、耳を傾けた。コンビの1人は中学生時に統合失調症を発症、お笑い活動中に悪化して入院したが、相方はその際「5年たっても10年たっても、また芸人をやりたかったら言ってこい。その時にまた一緒にやればいい」と声を掛けたという。津支局の横山晃嗣記者のリポート。
 「インタビュールーム」には、来年4月に京都で認知症に関する国際会議を主催する公益社団法人の高見国生氏が登場。京都総局の松岡一弘記者が、認知症について「予防というけれど、なってもいいやないかと。なっても安心して暮らせる地域社会をつくることが大事だ」という高見氏の思いを記した。

【12月9日号】 那覇支局の平原紀子記者が、少子化の現状を認識し、社会全体でできる若者の結婚支援について考える沖縄県主催のシンポジウムを取材した。「婚活」という言葉を提唱した相模女子大の白河桃子客員教授は基調講演で「広範囲から検索すればぴったりな人が見つかると誤解されている」と指摘し、「釣り堀の中で良い魚がいないからといって太平洋に出ていっても、太平洋で釣りをするほうが大変。それでは結婚は難しくなる」と話した。最近の婚活ブームへの警鐘を記事は捉えた。
 「インタビュールーム」は、岡山市に本部を置く国際医療NPO法人「AMDA」の菅波茂氏。世界32カ国の国と地域に支部があって災害や紛争が起きた地域で活動しており、南海トラフ地震への備えにも力を入れている。阪神大震災でも東日本大震災でも、特に発生直後に機能したのは行政以上に被災者自身や民間団体による活動であり、岡山支局の川村碧記者の記事はそれを改めて思い起こさせる。

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税務経理

【12月6日号】 「ニュース詳報」は、17年度税制改正に向けた動きを3ページにまとめた。併せて、トランプ米次期大統領が法人税減税を公約に掲げて当選したことから、「世界で法人税引き下げ競争が起こり得る」と財務省関係者が懸念していることを取り上げた。「税制・税務のコーナー」では、今年度税収見通しが予算計上額を割り込み、下方修正する方向となったことを報じた。具体的な税収状況は9日号に掲載した。「私の苦心」は、盛岡市の市民税課を紹介。人事評価制度が重視される中で、課長が各職員と面接する機会として通常の4月と11月のほかに9月の中間面接を加え、コミュニケーションの強化に役立っていると報告している。

【12月9日号】 17年度税制改正の骨格が固まり、97兆円規模とみられる予算編成作業が本格化したことを「税制・税務のコーナー」で報じた。7月末から連載してきた全国特集の「都道府県・政令市2015年度税収決算見込み」は、岩手県、宮城県を掲載して第24回で完結した。「私の苦心」には福井市の税理士・公認会計士が登場。地元の非上場中小企業が事業承継に苦しんでいるのは、資産が上場企業の株価を基準に評価され、税負担が過大になるためだと指摘し、事業承継税制の軽減を訴えている。

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金融財政ビジネス

【12月5日号】 「トランプ大統領と日本経済」と題し、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストに、米国の次期政権が今後わが国に与える影響について解説してもらった。特に、環太平洋連携協定(TPP)の頓挫は成長戦略への打撃が大きいと指摘。TPPという外圧を利用して貿易自由化を推進していた中国にとっても、頭の痛い問題であるとしている。

【12月8日号】 中央大法科大学院の森信茂樹教授が「アベノミクスはなぜ失速したのか」と題した解説記事で、金融緩和に偏重した経済政策を厳しく批判した。中間層の崩壊が始まるなど負の側面が出始めているとして、経済・社会構造を変えて、国民の抱える不安を解消する政策を早急に進めるべきだと主張する。「探針」では、ふるさと納税の見直し議論を取り上げた。「この制度がおかしいのはみんな分かっている」としながらも、有効な手だてが打てない都道府県の苦悩を浮き彫りにした。

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