【1月16日号】 前復興事務次官岡本全勝氏の月曜連載「明るい公務員講座(中級編)」が、役所内での難しい交渉について論じた。対立する部署の立場を「100」と「0」とすれば、その間のどこかに交渉の合意点があり、予算折衝のような場合はどこに落ち着いても許容範囲内。だが、要注意なのは双方の上司や応援団の存在だという。所属部署より役所全体の利益を考えて「落としどころ」を探ることはもちろん、時には、厳しい交渉を重ねているという「演技」で、周囲を納得させることも重要だと説く。
【1月19日号】 スポーツは、コミュニティーの共感や感動を生み出すなどまちづくりの基盤となる力を持っている。2020年東京五輪・パラリンピックを控え、これに着目する自治体も多い中、参考になりそうなのが秋田県能代市の「バスケの街づくり」だ。木曜隔週連載「自治体経営の生産性改革」で市民、関係団体と連携して成果を挙げた同市の取り組みを解説した。
【1月17日号】 岡山理科大学(岡山市)の「恐竜研究の国際的な拠点形成プロジェクト」は、独自色のある私立大学を支援する文部科学省の私立大学研究ブランディング事業に採択されている。全国で初めて開設した「恐竜・古生物コース」は、古生物学や比較解剖学、体積学など、恐竜研究を志す若者にとって魅力的な内容が学べる。同大は、モンゴルの研究所と協力協定を結び、ゴビ砂漠での恐竜化石の共同調査などを開始している。
【1月20日号】 小和田正利大阪大学大学院教授による人気連載「モンスターペアレント論を超えて」、今回のタイトルは「浮かれてていいのかアクティブ・ラーニング」。次期指導要領で注目を浴びるアクティブ・ラーニングだが、実際の授業展開で児童生徒同士のグループディスカッションなどを多用した場合に、発達障害を持つ児童生徒らに対する配慮が必要になると指摘。大学では既に障害者差別解消法に基づく「合理的配慮」が求められているが、小中高校ではそうした配慮はさらに必要となるとし、「準備は出来ているか?」と警鐘を鳴らす。愛知県教委のプロジェクトチームは、教員の多忙化解消のための提言をまとめた。提言は、タイムレコーダー導入やパソコンの使用履歴のチェックなどにより、教員の在校時間を把握することをはじめ、教員以外の専門スタッフの積極的な導入、部活動指導員の配置などの具体策を提言している。
【1月17日号】 災害時に設置される避難所での生活を住民に体験してもらう1泊2日のプログラムを栃木県が始めた。大震災などの際、被災者は避難所の小中学校体育館などに集まり、直後は主体的に運営に取り組むことになる。1〜2日後には行政やボランィアから食料など支援物資が届き始め、自治体主導の運営に移行するが、避難が長期化するにつれ住民主体の運営に戻る、という経験は各地で積まれてきた。栃木県のプログラムは、住民が主体的に避難所運営に取り組むことを考えてみようという試み。宇都宮支局の加古雅樹記者が報じた。
【1月20日号】 明治期の歌人が詠んだ「…ぢっと手を見る」の句にあるように、ワーキングプアの問題は今に始まったことではないらしい。昨今は行政改革の一方で、非常勤など官製ワーキングプアの増加も指摘されている。総務省クラブの森裕紀子記者からのリポートによると、同省は自治体に勤務する臨時・非常勤職員の待遇改善を目指し、地方公務員法と地方自治法の改正法案を通常国会に提出する方針という。同一賃金・同一労働が日本でスローガン化されて久しく、考えさせられる。
【1月17日号】 解説面で、資産評価政策学会など3学会が合同で昨年11月開いた研究大会をリポートした。注目されるのは「所有者不明土地問題」。所有者が分からず、相続登記も行われないままの土地が地方で増加しており、東日本大震災の被災自治体が復興・移転事業などに取り組む上で障害になっていることを報告。討論では、所有者を知るために納税者情報を活用させてほしいとの要望が相次いだ。固定資産評価制度が複雑過ぎて市町村が苦悩している問題についても、広域で評価共同化を図る具体策が議論された。「私の苦心」では、IT化の進展に伴って多様な新業態が出現し、個人事業税の業種認定が困難になりつつあるとして、東京都の課税指導課長が基準見直しの必要性を語っている。
【1月20日号】 税制・税務のコーナーは、総務省が先にまとめた個人番号カードの普及と利用促進を目指す行動計画などについて報じた。「私の苦心」は、富山税務署長が登壇。若手職員が発言しやすい環境づくりを説明している。
【1月19日号】 前財務官の山崎達雄氏へのインタビュー記事「トランポノミクスは米国版『3本の矢』」を掲載。トランプ米大統領の経済政策の3本柱である「規制緩和、財政政策、通商政策」を分析した。この中で、通商政策が一番のポイントであるとして「世界貿易を縮小させて、米国経済・雇用にとってプラスにならない可能性がある」と警鐘を鳴らす。地球温暖化対策の新枠組みである「パリ協定」について、2本の記事を掲載した。一つは、日本が温暖化交渉で存在感を発揮できなかったことや、温暖化対策に批判的なトランプ大統領の登場の影響をまとめた「岐路に立つパリ協定」。もう一つは、その内容を4ページにわたり詳細に紹介した解説記事「パリ協定の読み方」。併せて読むと、協定の仕組み、国際社会の取り組みがよく見えてくる。