早読み行政誌

中国人の「爆留学・就職」が新潮流に(1月23日―27日号)

地方行政

【1月23日号】 明治大公共政策大学院ガバナンス研究科の講師陣による「現代のガバナンスを考える」(月曜連載)は、本号が最終回。市川宏雄研究科長が「国の形─統治はどうあるべきか」と題し、長らく地方分権論のキーワードとなってきた道州制を考察した。市川氏は、地方制度調査会答申で示された9、11、13道州という区割案について、空間の一体化より財政バランスに腐心したと批判。東京と名古屋をつないだ拡大東京圏の確立などスケールメリット重視の国土形成を提唱した。

【1月26日号】 一転して、条件不利地の活性化を論じる「地域おこし協力隊卒業生は語る」(木曜隔週連載)がお薦め記事。岡山県美作市の協力隊活動を経て、北海道奈井江町の地方創生シティマネージャーとなった東大史・一般社団法人村楽理事が、映画「君の名は。」やドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」など祭礼や伝統芸能といった地方の無形遺産を取り込んだ作品のヒットと結び付けながら、量的拡大より質的充足を目指す「地方の価値観」について考察した。

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内外教育

【1月24日号】 近く告示される次期学習指導要領では、小学校の高学年で外国語が新たに教科となり、中学年でも外国語活動が行われる。文部科学省は新指導要領実施へ向け、児童用の冊子・デジタル教材、年間指導計画例、学習指導案例、教師用指導書などの開発・整備を進めている。同省の外国語教育推進室長に、こうした新教材等の開発・整備と学校現場への配布のスケジュール(2017年2月〜18年3月)などを解説してもらった。

【1月27日号】 小野田正利大阪大学大学院教授による人気連載「モンスターペアレント論を超えて」は「浮かれてていいのかアクティブ・ラーニング」(下)。小野田教授は、アクティブ・ラーニング(AL)はもともと大学教育の改善として始まったものだが、初等中等教育に降りてきた段階で「ねじれた意味」になってしまった、と指摘。新指導要領は「盛りすぎ」で、学校は「パンク」し、「お手上げ状態」になりはしないか、と懸念を示している。

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厚生福祉

【1月24日号】 巻頭言「打診」に、元東京都副知事の青山佾・明治大学教授より「ホームレスがゼロになる日」と題して寄稿いただいた。かつて、ニューヨークでホームレス支援活動をしているロザンヌ・ハガティ氏が日本の事情を調べに来て、山谷で「青山」の名を聞いて副知事室に面会に現れた。その時に「山谷の簡易宿泊所もさることながら、日本のワンルームマンションのようなものをつくったらどうか」と進言したところ、氏はタイムズスクエアに、コンロ、流し、トイレ・シャワー、ベッド、机のある数百室の個室を擁するホームレスホテルを開設したという。ニューヨーク、パリ、ロンドンなどに比べ、日本の大都市ではホームレスは少ないので、ゼロにするモデルを世界に示す可能性をもっているのではないか、と青山教授は記している。

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税務経理

【1月24日号】 解説面は、17年度与党税制改正大綱。女性の働き方に左右されない公平な税制という目標を掲げて配偶者控除見直しに着手したはずが、結局はフルタイム勤務の妻に比べてパート勤務の妻が優遇される構造が残り、それどころかパート勤務者の控除枠は年103万円から150万円まで拡大した。目標から程遠い決着となった経緯を中心に解説した。「私の苦心」では、神奈川県が市町村と連携して徴収対策に取り組んできた経過について神奈川県税事務所長が振り返っている。

【1月27日号】 「管理監督者と一般職員のための滞納整理」の連載を再開した。一昨年4月まで7回にわたり連載した人気シリーズだが、筆者がもう一本連載物を抱えていて執筆が滞ったため、いったん休載していた。今回の復活に当たり、過去掲載分の要約を2回に分けて載せることになり、その前半分を掲載した。地方銀行協会が発表した1月の地方経済天気図では、景況判断で「緩やかな持ち直し」を維持した。「私の苦心」は鹿児島県錦江町の住民税務課長。機械化が進んだ今こそ、そろばん時代に教えられた税務の基本を後輩たちに伝えたいと語っている。

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金融財政ビジネス

【1月23日号】 みずほ総合研究所の矢野和彦理事・主席エコノミストによる「17年の内外経済展望」を掲載した。最大の波乱要因はやはり、トランプ米大統領の登場だが「全体としては上向きの方向で新しい年を迎えた」と分析。日本経済については、世界経済の底打ちなど外部要因のサポートなしでは「力強い回復を見込むのは難しそうだ」と予想する。

【1月26日号】 ジャーナリストの中島恵氏が、日本を訪れる中国人の実像に迫るリポートを寄稿した。爆買いは一服しつつあるが、今度は爆留学・就職が新たな潮流になっているという。中国の学生はなぜ、日本に留学し、就職するのか。そこには、日本へのあこがれに加え、特に富裕層にとってはステップアップの場として活用されている事情があるという。

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