【3月6日号】 月曜連載「明るい公務員講座(中級編)」で筆者の岡本全勝内閣官房参与が「別の組織で働いてみる」ことを勧めている。公務員の仕事は住民が相手だから「人知れず仕事をしている」では困る、組織の外に出て「他人の飯を食う」ことで自分の組織の欠点が見えてくる、と岡本氏。「できれば、民間出向のような仕事の仕方が違う職場を経験してほしい」と呼び掛けた。
【3月9日号】 木曜連載「地域おこし協力隊卒業生は語る」は最終の8回目。筆者の川口幹子さんは学術機関の研究者を辞して長崎県対馬市の「島おこし協力隊」に志願し、その任期後も対馬市に残った。環境保全に関わる一般社団法人の専務理事として、将来の資源枯渇を見据え、人間生活を生態系の循環の中で位置付けるプロジェクトに取り組む。「コストを掛けずに資源にアクセスできる」「地方は宝の山」「次なる時代の豊かさの定義は、私たちの世代がつくる」。ひと味違った観点で、田舎の魅力を説いた。
【3月7日号】 日本高等学校教職員組合(日高教・麹町)が組合員などを対象に実施した調査で、教育職の11%が週20時間以上の残業をしていることが分かった。厚生労働省の示す「過労死ライン」は月80時間。こうした教員はこれを超える可能性がある。この割合を年齢別に見ると、29歳以下と30〜39歳の教員がいずれも26%で、若い教員の残業時間が長いことが分かる。
【3月10日号】 文部科学省がまとめた2016年度「公立学校教員採用試験の実施状況調査」によると、地方自治体が実施した採用試験の競争倍率は3年連続で低下。小学校が3.6倍、中学校が7.1倍、高校が7.0倍などとなり、栄養教諭などを含む全採用区分の合計は5.2倍(前年度は5.4倍)だった。競争倍率がピークだった00年度の13.3倍に比べ大幅に低下しており、このままこの傾向が続けば、教員の資質の低下につながりかねないと懸念されている。
【3月7日号】 巻頭言「打診」で、さわやか福祉財団会長で弁護士の堀田力氏が、介護保険制度で「B型」(要支援者などに対する助け合いによる生活支援サービス)が広がらない、と問題提起している。介護保険制度発足前は、各地の有償ボランティア団体が生活に困っている高齢者の生活を支えていたが、制度ができてからはそうした団体は減っていった。保険によりある程度カバーされるので、「やろう」というインセンティブが湧いてこないからでは、と分析。そこで新しいインセンティブとして「生きがいの創造」を提唱する。助け合いはサービスと違って、助けられる方も残っている能力を生かして、人や自分に役立つ活動をすることができるようになり、双方に生きがいと尊厳が生まれる、と説く。日本型福祉の在り方について考えさせられる。
【3月10日号】 編集局沼野容子記者が、障害児保育などに取り組む東京都内のNPO法人をリポートした。新生児医療の発達に伴い、以前なら助からなかった超低出生体重児や先天的な疾病を持つ子どもらが救われるケースが多くなった、結果として、医療的ケアを必要とする必要とする子どもたちが増えているが、既存の保育園で受け入れてもらえるケースは少なく、このNPOの障害児保育園、障害児訪問保育の取り組みは注目されるとの内容。既存制度を組み合わせた運営により成り立っていると指摘しており、各地域に広がっていく可能性を思わせる。
【3月7日号】 都道府県と政令市の17年度当初予算案が出そろい、「ニュース詳報」でまとめを報じた。教職員給与負担事務が都道府県から政令市に移譲された影響が大きく、40都道府県で予算規模が縮小し、34都府県で税収が減少した。政令市では、16年度前半の円高が企業業績に響き、4市の税収がマイナスの見通しとなっている。「税制改正と今後の展望」の第4回は、地方法人課税関係。「私の苦心」には福島県の会津地方振興局県税部が登場している。
【3月10日号】 全支社局網を通じて取材する恒例の「都道府県・政令市の税収見通し」の連載がスタートした。初回は神奈川県と川崎市を掲載。「税金周辺情報のコーナー」では、先に厚労省が発表した16年の賃金構造基本統計調査を資料付きで報じた。月収は前年度比横ばいだったが、非正規社員の伸びが目立ち、小幅ながら正社員との格差が縮まっている。「税制改正と今後の展望」第5回は車体課税関係を解説。「私の苦心」では、石川県かほく市の収納対策室を紹介。収納率向上のための「3本の矢」について説明している。
【3月6日号】 お騒がせ状態が続くトランプ米大統領だが、米国の景気の足取りはしっかりしているようだ。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの研究員は、今後も「景気の拡大ペースは緩やかに加速していく」と見通す。これは、トランプ大統領の政策が功を奏しているわけではなく、米経済が昨年夏以降、自律的に加速する過程に戻ったのが要因。もっとも、大統領が掲げる保護主義が最大のリスクであるとして「米国第一主義の考え方は雇用創出などの面で一時的にプラスとなるが、コスト高を通じて企業収益の悪化やインフレが進む」と警告する。
【3月9日号】 「照一隅」によると、花形職業であるアナリストやエコノミストの将来は厳しい。「転機の金融リサーチ」と題したそのコラムは「リサーチの在り方を揺るがす地殻変動が起きつつある」と警鐘を鳴らす。リサーチに高いカネを払っても、それに見合うリターンが少ないというのが理由。欧州で始まりつつある証券会社に対する規制強化も一因という。しかし、その結果「価格メカニズムが機能してリサーチをめぐる競争環境はより厳しくなり、質の向上も期待できる」として、投資家にとっては歓迎すべき変化であるとする。アナリスト・エコノミストが生き残るには、腕を磨くしかないようだ。