早読み行政誌

新連載「学習指導要領のポイント」開始―文科省担当者が解説(4月3日―7日号)

地方行政

【4月3日号】 北海道東川町に電話すると、オペレーターが「『写真の町』東川町でございます」と応える。東川町は写真文化首都「写真の町」をコンセプトに独自の地域づくりに取り組んでいる。さまざまな識者が人口減少時代の地域振興を論じる月曜隔週連載「地方で稼ごう」の今回の筆者は、東川町の松岡市郎町長。「文化力を引き出し、魅力へと転換し、多くの人が魅せられて『動く』ことが、地方創生の起点になる」と持論を語った。

【4月6日号】 地域再生プランナー・久繁哲之介氏の新連載「働き方と、意識を改革せよ」がスタートした。筆者が各都市の現場に赴き体験・対話したこと、そこから得た示唆を失敗例も隠さず記すことで、公務員の働く姿勢と意識に〝喝〟を与える企画だ。初回タイトルは、「公務員の『縦割主義=専門バカ病』は、意識改革で治る」と刺激的。経済産業省が選定する「がんばる商店街30選」の成功例紹介の「欠陥」を引き合いに、自分の担当・専門に直接関係のある情報にしか関心を持てない公務員体質を批判した。

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内外教育

【4月4日号】 学校の授業に新聞を活用するNIE(教育の新聞を)の取り組みを紹介する新コーナー「わたしたちのNIE」がスタートした。トップバッターは、京都学園中学高等学校の伊吹侑希子教諭(国語科・学校図書館司書教諭)。同校では、「源氏物語」や「源氏物語図」(伝・俵屋宗達)などを題材に、文化面の誌面(記事)を作るといった授業を展開している。

【4月7日号】 次期学習指導要領の告示を受け、文部科学省の担当者に教科等別に解説してもらう新連載「学習指導要領のポイント」がスタート。第一回は、大杉住子初等中等教育局教育課程課教育課程企画室長による「総則の全体像とカリキュラム・マネジメント(上)」。この中で大杉室長は、次期指導要領の総則は、各学校のカリキュラム・マネジメント上の課題がどこにあるのか、それを考える際のチェックリストとしても機能する、と解説している。

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厚生福祉

【4月4日号】 日本では昔から「腹八分目」という言い伝えがよく知られている。世界の多くの地域でも同様の伝承があるようだが、巻頭言「打診」で、神奈川県立保健福祉大学学長の中村丁次氏が「腹八分目食は、全ての人に有効ではない」と記している。サルを使った実験で異なる結果が出たことから、アメリカの大学と研究所がそれぞれのデータを共同で見直し、その報告書を今年発表。結論は「成長後の成人期にはエネルギー制限食は長寿に結びつくが、小児期や中高年からの制限は結びつかなかった」「長寿効果があったサルも、高齢になると骨密度低下が観察され、長寿だが要介護サルをつくっていたのではという心配も出てきた」という。「食」とともに、飲むほうはどうなのかも気になるところではある。

【4月7日号】 共用品推進機構専務理事の星川安之氏が「アクセシブルデザインの世界」で、骨の基となる軟骨細胞が成熟する前に骨化してしまう「軟骨無形成症」を取り上げている。手足伸縮を伴い低身長となり、平均で男子は約130センチ、女子が124センチという。日本では約6000人が生活しており、患者や家族でつくる「つくしの会」が会員らに行った調査では、「ジロジロ見られた」「疾患のためバイトを断られた」といった無形の差別に加え、「券売機やATM等タッチパネルの画面が角度の関係で見えにくい」「洗面所の蛇口に手が届かない」などの回答が寄せられたとあり、考えさせられる。記事には、沖縄の小学校での、蛇口位置を軟骨無形成症の子どもが届くよう改良した写真も添えられている。

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税務経理

【4月4日号】 「ニュース詳報」では、政府が策定した働き方改革実行計画について報じた。残業時間の上限規制や同一労働同一賃金の実現が掲げられたが、長距離トラック輸送や建設現場でも週休2日や労働時間短縮を求められるため、工費増加を招けばマンション価格などは一段と値上がりしかねないと指摘している。なお、今号で巻頭言「フォーラム」を執筆した川人博弁護士は、残業規制強化のきっかけとなった大手広告代理店の新入社員過労自殺問題で訴訟代理人を務めた人。国・地方公務員の働きぶりについて「緊急災害時にはやむを得ないだろうが、現実には短縮可能な長時間労働が大多数ではなかろうか」と指摘している。他に、3月の地方経済天気図も掲載した。「都道府県・政令市の税収見通し」の第6回は長野県、高知県、浜松市、神戸市。「私の苦心」では、静岡県清水町の税務課を紹介している。

【4月7日号】 相続手続きが行われない所有者不明土地が増加している問題で、土地所有者を把握するために課税情報を活用したいとの要望が出ていることを本誌1月17日号の解説面で紹介したが、これを受けて国交省が、所有者情報を市町村が外部提供する場合のガイドライン試案をまとめたことを「税制・税務面」で報じた。「本人の同意」があれば個人情報保護法に抵触しないとの見解を示しているが、今後の市町村の取り組みが課題となりそうだ。他に、3月の日銀短観など。地方自治体の税収見通しは、山形県、富山県、鳥取県、岡山県、相模原市を掲載。「私の苦心」は、徳島県税務課を紹介している。

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金融財政ビジネス

【4月3日号】 米国在住の青木武グローバルリサーチ研究所代表による解説「トランプ大統領の登場と影響」を読むと、なぜ暴言大統領が依然として一定の支持を得ているのかよく分かる。オバマ前大統領は「善い人」だったが、国のリーダーとしては力不足で、トランプ大統領は多少汚い手段を使ってでも本当の「チェンジ」をやり遂げてくれるのではないかと期待されているという。「何かと問題の多いトランプ大統領にすがらざるを得ないほど、米国人は困っていた」との分析は、米国在住ならではだろう。

【4月6日号】 わが国は今、「働き方改革」が叫ばれているが、この改革の先進国ドイツの取り組みは学ぶべきものが多い。在独ジャーナリストの熊谷徹氏の「ドイツで過労自殺が起きない訳」によると、同国では過労自殺の統計すら見当たらないという。労働時間が他の先進国に比べ、大幅に短いことがその理由とみられ、有給休暇の取得も徹底している。わが国とは企業文化も違い、そのまま取り入れるのは難しいだろうが、悲劇を繰り返さないためにも思い切った取り組みが求められている。

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