早読み行政誌

高校の次期必履修科目「公共」でシンポ―公民教育学会(4月24日―28日号)

地方行政

【4月24日号】 内閣官房参与岡本全勝氏の月曜連載「明るい公務員講座(中級編)」の今回のテーマは、「困った職員への対応」。能力に劣る職員、積極性に欠ける職員には、「〇〇日までに、××を仕上げること」など、なすべき仕事を明確に認識させることが必要だという。評価の悪い職員は忠告を受け入れたがらないという問題もあるが、「この人なら話を聞く」という相手に助言してもらう手もあると説く。飲み屋で、その場にいない部下のことも褒め、その話が本人に伝わると「面と向かって褒めるより、効果がある」と、岡本流の人心掌握術を披露した。

【4月27日号】 2015年3月の北陸新幹線金沢開業から2年。開業に沿線自治体はどう変わったのか、石川県企画振興部企画課の林健太郎さんに寄稿してもらった。17年1月1日の公示地価で、金沢駅金沢港口が上昇率20.0%となるなど石川県経済は引き続き好調。金沢港へのクルーズ船誘致など、新幹線との相乗効果を狙った観光振興策の現状なども併せて紹介している。

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内外教育

【4月25日号】 現在改訂作業が進められている高校の次期学習指導要領では、必履修科目「公共」が新設される。これを踏まえ、日本公民教育学会がこのほど「新科目『公共』に何を期待するか」をテーマにシンポジウムを開催した。文部科学省の担当者や大学の研究者などが参加した同シンポジウムの内容を紹介する。

【4月28日号】 全国高校NIE研究会の第15回全国大会がこのほど明治大学付属中野高校(東京都)で開催された。今大会は「人間と社会を学ぶ高校NIE」がテーマ。主権者教育と関連させた活動や、文章、発表、活動の評価方法の工夫など、各地の高校の教諭らが取り組みを発表し、活発な意見交換を行った。

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厚生福祉

【4月25日号】 巻頭言「打診」に寄せた医療法人病院院長の中城敏氏の「ときめき」と題する一文が秀逸だ。旦那芸の一つも覚えようと、妻に内緒で料亭に通い、美人女将から都々逸の手ほどきを受けた。通うたびにときめきを覚えた。ところが、女将が店をたたんでからもときめきは起きる。心電図を取ってみると、発作性心房細動が起きていた。それを「ときめき」と勘違いしていた。手術後の退院の日、妻が総胆管結石で搬送され、私の療養のための3日間は、妻の付き添い入院となってしまった。女将にうつつを抜かしたせいである。妻に気づかれまいと、鳴かずの私は心筋を焦がし、妻に付き添う間に「ときめき」は完全に消え去ってしまったー。ユーモアとともに教訓的な含蓄を感じさせられる。
 京極高宣氏による特集「社会福祉法人の経営戦略」が佳境に入ってきた。今号では、特養、児童養護、保育所などで社会福祉法人の占める割合の大きさをデータで示して解説。その上で、「これからの社会福祉法人は単体の施設を量的に拡大するのではなく、地域住民の福祉ニーズの多様化に応えて、例えば児童、障害者、高齢者、低所得者など全般に対応する法人に発展させていく必要がある」と提唱している。

【4月28日号】 知的障害者施設長の堤保敏氏による巻頭言「牡丹桜」が読ませる。「シジュウカタ、飛んできた」から始まり、シジュウカラが飛んできた牡丹桜の木が元気ないが、自分の年齢を考えて新しい苗木を植える決心がつかない。そんな中、電車で読んだ文庫本から「健全なる農夫は、自分がその果実を見ることのない樹を植える」というラテン語の成句に出会い、柿も葡萄も牡丹桜も苗木から育てることにした、という内容。「健全なる農夫は」の成句には考えさせられるものがある。

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税務経理

【4月25日号】 「税制・税務」面では、公務員の退職給付が民間を3%上回っているとして、人事院が給付水準の引き下げを政府に求めたことや、人事院勧告に向けた民間給与調査が5月から始まることなどを報じた。「ニュース詳報」は、米国のペンス副大統領が来日して行われた日米経済対話の初会合を取り上げた。協議テーマを決める程度に終わったが、同行閣僚が自由貿易協定(FTA)交渉に意欲を示すなど、火種もちらついている。「都道府県・政令市の税収見通し」の第11回は北海道、青森県、山梨県、京都府、千葉市を掲載。「私の苦心」では、節度あるふるさと納税を目指す高松市の税務部を紹介している。

【4月28日号】 「税制・税務」面で、18年度の固定資産税制度見直しの展望や、地方消費税の都道府県間清算基準の見直しに総務省が着手したことなどを報じた。全国地方銀行協会が発表した4月の地方経済天気図では、「緩やかな持ち直し」の景況判断を維持した。地方自治体の税収見通しは熊本県、さいたま市、京都市、広島市を掲載。「私の苦心」は、岐阜県の県税事務所徴収課長が定年を迎え、徴収事務の最重要課題はやはり人材育成に尽きると振り返っている。

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金融財政ビジネス

【4月24日号】 中国関連の記事を4本そろえた。解説記事「世界で膨らむ中華ナショナリズム」では、なぜ中国人は時として粗暴な行動に出るのか、その歴史的な背景も含めて彼らの行動パターンを分析した。「チャイナ・ウオッチ」は、中国の習近平国家主席とトランプ米大統領の初めての会談を取り上げた。シリアのアサド政権に対する米国の軍事制裁に「理解」を示した習主席は「米側に抑え込まれた形となった」としている。

【4月27日号】 中央大法科大学院の森信茂樹教授による「デジタルエコノミーと税制」は、税関を通らないオンラインサービスと税収を確保したい税務当局のせめぎ合いを伝えている。経済協力開発機構(OECD)などで課税ルールをどうすべきか検討が行われてきたが、米系多国籍企業の間で、グループ子会社の事業を再編成することにより税負担を軽減させるタックスプラニングが増えているという。しかし、筆者は「違法すれすれのアグレッシブな租税回避を試みる米国型経営とは一線を画すことが、日本型のコーポレートガバナンスであろう」と結んでいる。

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