【5月8日号】 明治大公共政策大学院ガバナンス研究科の山下茂教授が執筆する月曜連載「ガバナンスの視点から」が佳境を迎えた。本号では、道州議論拾遺(その4)として、府県を残す形の道州制の公選職数抑制策について言及。国会議員や首長がその地位にとどまったまま州議会議員になれる仕組みなどを提唱した。道州制議論が進まない一因に、特徴ある「お国コトバ」や高校野球に見られる府県の根強い連帯感があると見て、府県を残した形の道州制を真剣に検討すべきだと主張している。
【5月9日号】 文部科学省がまとめた2014年度の就学援助実施状況等調査によると、経済的に困難を抱える家庭の児童生徒に学用品費などを支給する就学援助制度の対象となった全国の小中学生は、前年度比1.3%減の149万5485人だった。児童生徒全体に占める割合は0.03㌽減の15.39%。過去最高だった12年度(15.64%)以降、高止まりの状態が続いている。
【5月12日】 文部科学省は4月28日、2016年度の教員勤務実態調査の結果を公表した。それによると、1週間当たりの学内総勤務時間が「過労死ライン」とされる60時間を超える人の割合が、小学校教諭の33.5%、中学校教諭の57.7%に達することが分かった。業務内容別や年齢別の結果などを詳しく紹介する。
【5月9日号】 巻頭言「打診」は、明治大学教授の青山佾氏が「後藤新平と社会福祉」と題し、後藤が東京市長時代に取り組んだ社会福祉対策を紹介。方面委員(民生委員の前身)の増員や、労働職業紹介所の設置などサービス・施設の拡充に力を入れたという。安易な金銭給付ではなく、働くための条件整備を体現した100年前の社会福祉に「私たちが学ぶことは多い」と結んでいる。
35回の長期連載となった特集「第7次医療法改正をめぐって」は今回が最終回。同法改正に盛り込まれた地域医療連携推進法人の認定制度が4月2日にスタートしたが、数件の法人が認定された一方で、法人の認定を見送ったり、調整を継続したりする地域も見られる。こうした動きに焦点を当て、設立された法人の事業内容や、設立に至らなかった地域の事情などを解説している。
【5月9日号】 「ニュース詳報」は春の日銀展望リポート。景気判断に「緩やかな拡大」と9年ぶりに拡大の文字を入れたものの、物価上昇見通しは19年度に1.9%にとどめた。「18年度ごろ」とした物価目標2%の達成は正念場を迎えつつある。「都道府県・政令市の税収見通し」の第13回は、石川県、岐阜県、兵庫県を掲載。「私の苦心」には、福島県の税務課長が登壇。東日本大震災を受けて約4万人減少し、6年たってもなお回復が見込めない中で、人口減少対策として三世代同居だけでなく2キロ以内の近居住宅取得も対象とした税軽減措置を打ち出した経緯を紹介している。
【5月12日号】 「ニュース詳報」では、総務省がふるさと納税の返礼割合を3割以下に抑えるよう求める通知を出してから1カ月たち、各自治体の反応を探った。15年度に寄付額全国トップとなった宮崎県都城市が、これまで最高約6割あった返礼を6月から3割以下に変更する方針を固めるなど、さまざまな動きが出始めている。また、「私の苦心」は茨城県境町のまちづくり推進課を紹介。熊本地震の際に災害支援の一環として、ふるさと納税の「代理受付」を実施。同制度が全国の助け合いツールとして役立つことを実証した話は興味深い。地方自治体の税収見通しは新潟市、静岡市、熊本市を掲載した。
【5月8日号】 日銀の課長らにインタビューする「日銀の現場から」は40回掲載し終了したが、締めくくりとして中曽宏副総裁に話を聞いた。中曽副総裁は「中央銀行の神髄は現場にある」と指摘。国民の中央銀行に対する信用は、現場で業務に携わる日銀職員によって支えられていると強調した。JR東日本の冨田哲郎社長へのインタビューは、国鉄民営化30年を振り返り「あのタイミングしかなかった」と語る。国鉄時代は、自身も含めて「お客さま」という言葉すらなかなか言えなかったとして、意識改革を進めたという。
【5月11日号】 JR西日本の来島達夫社長はインタビューで「鉄道の再生を果たすという観点では着実に成果を挙げられた」と、民営化30年を振り返った。同社は本州3社の中では事業基盤が脆弱(ぜいじゃく)だったが、山陽新幹線の競争力強化などで黒字化を果たした。「News Eye」は金融庁による地方銀行・第二地方銀行に対する立ち入り検査を取り上げた。外国債券投資への傾斜が目立つ資産運用部門に特化した検査で、米国金利の上昇により含み損を抱えている地銀の運用状況を把握し、経営健全化を促すのが狙い。