早読み行政誌

組織編成、目標明示と仕事分割が重要―岡本内閣官房参与(6月26日―30日号)

地方行政

【6月26日号】 内閣官房参与岡本全勝氏の月曜連載「明るい公務員講座(中級編)」が、「組織論」に踏み込んだ。これまでの「仕事の管理」と「職員の指導」の観点より一段上の「組織を動かし指導していく立場」から筆を進めている。2001年の省庁再編を控え中央省庁等改革推進本部の事務局で組織の減量を担当し、復興庁立ち上げに事務方の責任者として関わった経験を踏まえ、組織編成のポイントとして「組織が成し遂げなければならない目標の明示と、仕事の分割」の重要性を説いている。

【6月29日号】 地域再生プランナー久繁哲之介氏が木曜連載「働き方と、意識を改革せよ」で、地域おこし協力隊の人材育成について論じた。地域おこし協力隊を「問題だらけの制度」と批判する久繁氏。独自に考案した「地域おこし協力隊の採用(配属)5分類」を提示し、「職能」採用によるしっかりした育成や、地域に雇用が生まれる経営者育成を奨励している。

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内外教育

【6月30日号】 国立教育政策研究所がまとめた「高校中退調査」の結果から、入学直後の高1の4月〜7月の間に、生徒の学校生活や学業に対する適応の度合いを示すデータが大きく下落するポイントがあることが分かった。同センターは「高校1年生の1学期の間の働き掛けが非常に重要」とし、中退するかどうかというボーダーライン上の生徒に手を差し伸べる予防策を考える際の参考にしてほしいとしている。

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厚生福祉

【6月27日号】 「巻頭言」は、北海道芽室町長・宮西義憲氏の「農業小学校」。農業が基幹産業の同町では、毎年「めむろ農業小学校」を開校している。今年は49人の児童が入校し、秋の収穫を目指して「学級の畑」で野菜を育てているという。同小学校の校長でもある宮西町長。コラムの結びでは「このまちで『農業小学校楽しかったね!』『農業大好きです!』と言ってくれる子どもたちが、一人でも増えるといいな」と記した。
 京都府は、産業廃棄物のリサイクルを促進するため、今夏にもIoT(モノのインターネット)技術を活用した実証実験を始める。産廃の最終処分量の削減につなげるのが目的で、実際に実験を行うのは全国で初めてという。この話題を特集記事で取り上げ、実験の内容や期待される成果などを詳しく伝えた。

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税務経理

【6月27日号】 毎年恒例の企画として、大手銀行の17年3月期決算と日銀の16年度決算について解説記事を掲載した。日銀の異次元金融緩和の結果、日銀が保有する国債が発行額全体の4割を占める異常事態となり、総資産額は500兆円に達した。一方で、金融政策を正常化させる場合には金利上昇となって日銀に跳ね返る危険性が高いと警鐘を鳴らしている。「ニュース詳報」は、閉幕した通常国会で成立した主な法律の概要と、わずかながら低下した16年の「合計特殊出生率」を報じた。半年ぶりに景気判断を引き上げた6月の月例経済報告も掲載。「私の苦心」では、秋田県の税務課徴収特別対策室を紹介している。

【6月30日号】 上場企業の17年3月期決算のまとめ記事を掲載。18年3月期も好調が継続され、6期連続の増益となる可能性が高い。全国地方銀行協会が公表した6月の地方経済天気図も、景気判断を「持ち直し」に引き上げた。「ニュース詳報」では、時事通信の調査で、都道府県と政令市の7割超が地球温暖化対策に引き続き取り組んでいることを報じた。「私の苦心」は、国税局退職後に岡山県で税理士を開業した人物が登壇し、徴収・調査といった強権があった現役時代から脱皮し、独立する苦労を語っている。

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金融財政ビジネス

【6月26日号】 日銀ウオッチャーの上野泰也みずほ証券チーフマーケットエコノミストが、日銀の金融政策を解説した。「想定と現実乖離の黒田日銀」と題し、長期化する大規模金融緩和を軌道修正できない日銀を批判。さらに、黒田東彦総裁は来年4月に任期満了となるが、政府が大規模緩和の継続を求めていることから、再任の可能性が強まっていると指摘する。コラム「照一隅」は「こども保険に賛成」。自民党の若手議員が提案したこの保険について①子どもを持たない世帯による高齢者向け社会保障制度へのただ乗りを防ぐことができる②財源としては消費税やこども国債より優れている─と解説する。

【6月29日号】 解説コーナー、「照一隅」「NewsEye」でそれぞれ、大規模金融緩和を終了させる「出口」問題を取り上げた。解説コーナーでは「米国の出口戦略は着実に進んでいる」と評価。「照一隅」は「出口への距離感は先行する米国とそれに続くユーロ圏、日本とかなり違いがある一方で、基本的な出口戦略は手法や順序といった面で皆、米国の先例に倣うという前提で議論されている」と問題点を指摘。「NewsEye」は、黒田東彦総裁が記者会見で「デフレマインドの転換には時間がかかる」と述べたことを紹介し、出口を見いだせない日銀の苦悩を伝えている。

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