【7月3日号】 新潟県柏崎市の広報改革の取り組みを紹介する広報コンサルタント小田順子氏の月曜隔週連載「増殖する広報パーソン─こちょこちょ課の1000日戦争」の今回のテーマは、ホームページ(HP)。同市は小田氏の指導の下、公式HPを2015年1月にリニューアルし、全国の自治体HPの使い勝手を調査するA.A.O.ウェブサイトクオリティ実態調査で県内トップに躍進した。リニューアルのポイントは、絞り込み検索の機能充実や目に見えない人も利用できる「代替テキスト」の充実だった。
【7月4日号】 発達障害の子どもたちは、障害のない子どもに比べ、音や色、触覚などがより敏感なことが少なくない。食べ物の好き嫌いが激しい子どもが多いことにも同様の過敏性が背景にあり、こうした子どもは学校給食が原因で不適応に至ることも少なくないとみられる。発達障害者の学校給食に関する困難の実態について、高橋智東京学芸大学教授と田部絢子大阪体育大学准教授が実施した調査の結果を4回に分けて紹介する。
【7月7日号】 発達障害などのある子どもが小学校から中学校へ、中学校から高校へと進学する際、こうした子ども達について、その特徴や必要な配慮の情報を提供するなど、学校の垣根を越えた連携が求められる。小中学校間では連携が進んでいるが、中高間ではあまり進んでいないことが全日本中学校長会のまとめた調査で分かった。
【7月4日号】 巻頭言は、さわやか福祉財団会長で弁護士の堀田力氏。全国の市町村に誕生しつつある「生活支援コーディネーター」。地域で助け合い活動を広めることを任務とする人たちで、年齢、職業などはバラバラだ。では、どんな人がコーディネーターに向くのか。筆者は「地域を愛する純粋な心」を持った人を挙げ、「ただそれだけが動機の人は、やさしくて、強い」と説く。
「元編集長、音大生になる」の第2回は、「日本語に泣き、英語に笑う」。入学直後の楽典の試験。「いわば音楽における文法のようなもの」で「入学前に多少は勉強して行ったものの、試験の結果はさんざん」だった。ネックとなったのは「日本語」だったとか。その理由とは──。
【7月7日号】 巻頭言は、日本尊厳死協会理事長の岩尾總一郎氏。慶応大医学部創設100年記念シンポジウム・式典に参加し、「塾員としての誇りを感じる時間」を過ごす。ノーベル賞学者の山中伸弥氏の講演や、6万人を超える百寿者のフォローアップ研究の話などを聞き、「人間は病気では死ななくなるのではと思ってしまう」と感慨深げに記している。
特集記事は、北海道豊富町の「湯治留学」を取り上げた。日本最北の温泉郷、豊富温泉はアトピー性皮膚炎などに対する効能で知られ、症状に悩む人々が全国から湯治に訪れる。過疎化・少子化の悩みを抱える同町はこの「財産」を生かし、アトピーに悩む子どもを対象に湯治留学の試みを始めた。将来の移住・定住にもつなげたいという。
【7月4日号】 「ニュース詳報」は、15年の国民生活基礎調査結果について報じた。所得順位の中央にいる人に比べ所得が半分未満という低所得者の割合を示す「貧困率」が3年前に比べ0.5ポイント低下の15.6%に改善したものの、OECD加盟国平均の11.4%を大幅に上回る。それだけ経済格差が拡大していることを感じさせた。ほかに、高齢者世帯が4分の1を超え、喫煙率が初めて2割を下回ったとのデータも興味深い。「私の苦心」では、東日本大震災からの復興に励む宮城県山元町の税務納税課を紹介している。
【7月7日号】 「ニュース詳報」は3本立てで、まず相続税の算定基礎となる路線価を報じた。標準宅地の基準額は前年比0.4%増と堅調。ただ、価格が上昇した都道府県は13団体で、熊本地震の影響で1県減った。ほかに、安倍政権が初めて選挙で苦杯をなめた都議選の結果と、衆参両院が公表した16年の国会議員の所得報告の概要を記録した。「私の苦心」は、高知県東洋町の税務課を紹介している。
【7月3日号】 キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹による解説「動きだした米抜きTPP」を掲載した。山下氏は本誌2016年12月12日号で「米国抜きの新TPPを実現せよ」と訴えていた。当時の日本政府にはそのような機運はなかったが、その後情勢は一変。山下氏の主張通り、日本政府が主導し米抜きTPP実現へ関係国を説得する展開となっている。山下氏は、日本市場から駆逐されるのを恐れる米国は「TPP協定に加入申請をせざるを得なくなる」と推測する。
【7月6日号】 金融庁は「金融仲介の改善」を掲げ、預金がたまる一方の銀行に新規融資を促しているが、コラム「本石町」で筆者は「仲介機能は円滑に働いている」と反論する。預金が多いのは低成長・低インフレの長期化、貸出低迷は経済低迷をそれぞれ反映した結果であり、銀行の怠慢によるものではないと主張。余ったカネを銀行は国債購入に当てているが「円滑に購入したからこそ低金利が実現したとも言える」と解説する。一方、もう一つのコラム「照一隅」はその銀行に対し「質屋のオヤジになれ」と苦言を呈す。どういうことかと言うと、運用難に陥っている銀行がこのところ、無担保で個人に貸し付ける消費者ローンを急拡大させていることを批判。「にこにこ顔の高利貸しのような商売にまい進するのは褒められた話ではない」として、借り手のためには質屋のように渋々カネを貸す存在になるべきだと主張する。