【10月12日号】 不定期で掲載している土岐寛・大東文化大名誉教授の連載「景観ワンポント講座」は、今回が14回目。筆者も回答を寄せた1995年の「都市の魅力について都市専門家・有識者調査」(日本経済新聞社)をひも解いた。当時、有識者の多くが「個性のなさ」「景観の醜さ」「生活者優先になっていないこと」「大人の男女が遊べる場が少ないこと」を日本の都市の問題点と指摘していたが、この指摘は「(20年以上経過した)今日にそのまま適合する」と筆者。パリなど海外の魅力的な都市で感じられる〝美しさへの敬意〟が、まちづくりの重要な要素となることを訴えた。
【10月10日号】 文部科学省は2016年度「学校教員統計調査」(中間報告)を発表した。それによると、学校教員の平均年齢は小学校が43・4歳、中学校が43・8歳で、どちらも前回調査(13年度)を下回った。特に小学校教員の場合、9年前の07年度の44・4歳に比べてちょうど1歳分下がり、「教育現場の若返り」を示す顕著な値となっている。一方、高校は45・4歳で前回から0・1歳上昇。また幼稚園教員の平均年齢も上がり、前回比0・4歳アップの36・3歳だった。
【10月13日号】 文部科学省は9月15日、「高校生のための学びの基礎診断」の枠組みで民間試験を認定する際の要件案(たたき台)を策定し、有識者でつくる検討ワーキンググループ(WG)に示した。要件案では、学習指導要領を踏まえていることや一定数の文字を記述させる記述式問題を出題すること、事後の学習改善に資する結果提供がなされることなどを事業者に求めている。今後は、2018年度夏ごろの申請と初冬の初認定に向け、各事業者が測定ツールの開発を進める。
【10月13日号】 巻頭言は済生会理事長の炭谷茂氏が、「トリエステの奇跡」と題し、イタリアのトリエステで精神科医バザーリアが40年前に行った精神医療改革を紹介している。筆者は8月上旬にトリエステを訪問。この改革は映画にもなっており、「今さら調査する意味があるのか」と思いながら出発したという。しかし、「収穫は大きかった」。スケジュールがぎっしり詰まった3日間で「改革の精神をたっぷりと吸収」して帰国した。
三浦直美氏による「元編集長、音大生になる」の5回目は「ボランティア体験、そして失敗」。夏休み中、ボランティア演奏に参加する機会を何度か得た筆者。チェロを弾く先輩にギターの弾き語りで同行し、がん病棟を訪問した。がん病棟ということで、その前のデイサービスよりも緊張感を持っていたが、あまり意識せず、普通に音楽を楽しんでもらおうと考えていた。しかし、そこで失敗をしでかした。
【10月13日号】 恒例の特集として、主要各省別に見た18年度税制改正要望の連載が始まった。3回連載の予定で、初回は厚労省、環境省、文科省を取り上げた。ニュース詳報は今回の衆院選で、各党が掲げる消費税、原発など主要政策の対立点を整理した。16年度地方税収決算見込みは、埼玉県と福井県を掲載。「私の苦心」は、松山市の納税課を紹介している。「直言苦言」欄は、外国人等の個人住民税課税問題を取り上げた。個人住民税の賦課期日に海外出張していた人や、日本に滞在していた外国人に対する課税をめぐって市町村に戸惑いがあると指摘。既に廃止された基準だが、「1年以上居住することを通常必要とする職業を有する場合」という基準で認定するのが最も合理的だと提案している。
【10月12日号】 「照一隅」とインタビューコーナーはそれぞれ金融庁改革を取り上げた。照一隅は、1997年の金融危機が「トラウマ」になり、金融不安が払拭(ふっしょく)された後も「守りのマインドセットが形成され、成長に懸ける攻めの金融への転換が妨げられてしまった」と悔やむ。金融庁は2018年度に検査局を廃止するが、官民とも環境変化に適応した意識改革を実行するよう求めている。五味広文・元金融庁長官へのインタビューでは、金融庁の象徴とも言える検査局の廃止について「金融行政に信用が出てきたということで、感慨深い」と述べた。ただ「機構をいじるのが目的ではない」として、金融機関に対し金融の円滑化、企業価値の引き上げを求めている。