早読み行政誌

隔週連載・ドラッカーを行政経営に「シミュレーション」(11月27日-12月1日号)

地方行政

【11月27日号】 ビジネスマンに多大な影響を与え続けている経営学者ドラッカー。「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」がアニメ化され一大ブームとなったのは、記憶に新しい。本号から始まった月曜隔週連載「ドラッカーを参考に、行政経営のイノベーション」は、ドラッカーの言葉を行政経営に当てはめたらどうなるかをシミュレーションし、公務員に意識改革を訴える。筆者は関西学院大経営戦略研究科教授の松藤保孝氏。ドラッカーの「金言」を散りばめながら、論旨を展開する。

【11月30日号】 木曜連載「議員提案政策条例の現状・課題・展望」がスタートした。首長側が提案する条例案を通すだけの議会から、自らの発案により政策理念やルールを明文化する議会へ。近年、各地で広がりを見せる議員提案政策条例制定の動きを紹介しながら、自治体議会がこれまで以上に地域づくりに関わっていく方策を考察する。関東学院大准教授の牧瀬稔氏が、各地の自治体議会関係者と共に執筆する。

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内外教育

【11月28日 中央教育審議会初等中等教育分科会の「学校における働き方改革特別部会」は11月6日、第7回の会合を開いた。同日は、2016年度教員勤務実態調査のデータを分析していた筑波大学研究チームの笹原信一朗准教授が、教員のストレス状況に関する結果を報告。それによると、抑うつや不安を測る指標の値は小中学校ともに校長、教頭よりも教諭の方が高く、高ストレス状態とされる水準を上回った。また、教諭について年代別に見ると、若い人ほど指標の値が高く、メンタルヘルスの状況が「不良」となった。男女別では、女性の方がより強くストレスを感じていた。

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厚生福祉

【11月28日号】 巻頭言は、元スウェーデン大使の渡邉芳樹氏。今年の社会保障の特色について、「何と言ってもいわゆる『こども保険』論議」だったと指摘する。自民党有志が打ち上げ、「消費増税が政治的に期待できないなら、経済界が負担する社会保険料で財源確保をしようというもの」だ。ところが、突然の衆議院解散で事態は急変。官邸は、消費税10%引き上げ財源を保育・教育の無償化に充てることを打ち出した。「政局次第の社会保障財源論」と題し、社会保障をめぐる政治の動きを追った。
 新シリーズが始まった。NPO法人「医療ガバナンス研究所」理事長・上昌広氏の「OPINION」で、初回は深刻な医師不足がテーマ。医師は西高東低の形で偏在しているが、これは西日本に医学部が多いからで、その遠因は戊辰戦争後に新政府が佐幕藩を冷遇した戦後処理だと指摘。問題の根は深く、一朝一夕では解決しないと訴える。

【12月1日号】 巻頭言はFMS綜合研究所代表取締役の三輪宏子氏。会食に行くと必ずと言っていいほど見かけるのが、「出されるメニューを片っ端からスマートフォンで撮影する人」。この光景を見ていて筆者が思い出すのは、子供たちがオマケ欲しさにチョコレートを買い、肝心のチョコは食べずに捨てられ、「ちょっとした社会問題になった」ことだ。「『インスタ映え』などと」と題し、インスタ映えを狙った安易な販促手段に走る食産業従事者に警鐘を鳴らす。
 「とげぬき地蔵尊」で知られる東京・巣鴨の高岩寺。「おばあちゃんの原宿」が愛称の地蔵通り商店街とともに年間800万人が訪れる人気スポットだが、その一帯では「きれいな空気こそ、おもてなし」と禁煙活動が活発だ。その仕掛け人は、現役の医師でもある来馬明規住職。特集記事で来馬住職の取り組みを紹介する。

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税務経理

【11月27日号】 経理のページで、主要地方銀行20行の9月中間決算を報じた。マイナス金利政策の影響で、13行・グループの実質業務純益が前年同期比でマイナス。全体で1割の減益となっており、「地域金融機関の基礎体力が徐々に奪われていく」との懸念を伝えている。地方銀行協会が発表した11月の地方経済天気図では、景気判断DIが59.4と高水準を維持。判断も「持ち直しの動きが広がる」を据え置いた。「私の苦心」は福島県南相馬市の「震災復興に向けた税務課奮闘記」を掲載している。

【12月1日号】 ニュース詳報は、11カ国による新TPPと日欧経済連携協定(EPA)が合意されたことを受けて、政府が農林水産業や中小企業向けの追加支援策を決めたことを報じた。牛肉の場合、関税率は段階的に低下し、16年後には4分の1以下の9%となる。消費者への恩恵が期待されるが、国内生産への対策も急がれる。「私の苦心」には香川県の税務課長が登壇。1993年に稼働した税務オンラインシステムがマイナンバー施行でシステム再構築を迫られ、19年10月の税制改正をにらんで作業を進めていることを語っている。

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金融財政ビジネス

【11月27日号】 「巻頭言」は吉國眞一金融広報中央委員会会長の「渋沢イズムとノーベル賞」。渋沢イズムとは、金融広報中央委員会の前身、貯蓄増強中央委員会の初代会長を務め、経済における人の「こころ」の大切さを訴えた渋沢敬三の思想。そして、今年のノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大のセイラー教授の考え方にも通じると説く。「経済東奔西走」は、世界銀行が今年発表した世界190カ国・地域の「事業のしやすさ」を評価したビジネス環境報告(2018年版)で、ロシアが前年の40位から35位に順位を上げた謎を取り上げた。

【11月30日号】 「巻頭言」は中川洋損保ジャパン日本興亜顧問が「財政民主主義は機能するか」と題し、財政悪化に対する国民の危機意識の低さを嘆く。打開策として、国民が自分たちのための行政コストや社会保障への公正な対価を支払う気持ちになる必要があると強調。それができなければ、世代間不公平による社会の分断や衰退、債務問題のハードランディングが待っている、と警告する。国際協力銀行の山本留美子ワシントン駐在リサーチャーが、米トランプ政権と産業界の微妙な関係を解説した。産業界は、協調の是非を見極めつつ、政権とプラグマティック(実利的)な関係を模索しているという。

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