【12月4日号】 東日本大震災被災地の経済状況を市町村の税収を基に分析し、復興の先の地域づくりを展望する月曜連載「税収水準分析で考える復興市町村の地域づくり」が本号から始まった。宮城県庁で長年、税・財政畑を歩んできた伊藤哲也同県東京事務所長が執筆する4回連載。初回は、震災前の税収水準を回復し、全国他地域と格差が縮小してきた税収の全体状況を概観する。
【12月7日号】 地域再生プランナー久繁哲之介氏が全国の自治体で行っている研修の一端を紹介する木曜連載「働き方と、意識を改革せよ」は、本号から長野県下諏訪町編に入った。久繁氏は同町に対し、「職員の顔写真付き配置図」の写真を仏頂面から笑顔に変えることを提案したという。「『付け入る隙がある(面白さ、親しみやすさ)』を意図的に創るべき。なぜなら、公務員は、サービス業だから」と久繁氏。住民から気軽に話し掛けてもらえる隙を公務員の側があえてつくることが、住民・公務員の本音で語り合いの第一歩になると訴えた。
【12月5日 人工知能(AI)の急速な進化が子どもたちの将来や教育に大きな影響を与えることが予測される中、教科書会社や情報端末メーカーなどを会員とする一般社団法人デジタル教科書教材協議会はこのほど、東京・霞が関でシンポジウム「AI時代の教育を考える」を開催した。一線の研究者や企業の発表に、約100人が参加した同シンポジウムの模様を詳報する。
【12月8日 小中学校の児童生徒の保護者に学級担任が出す学級通信について聞いたところ、86%が「必要」と答え、「必ず読む」も72%に上る──公益財団法人理想教育財団(羽山明理事長、東京都港区)がまとめた「学校における各種通信の実態と教育効果に関する調査研究報告」(速報版 第二弾)でこんなデータを示している。教師からは「保護者が読んでいるのか疑問に感じる」など業務としての手応えに乏しいとする声も聞かれるが、意外に学級通信は読まれているという実態が調査結果から浮かび上がった。
【12月5日号】 巻頭言は、全国身体障害者施設協議会顧問の徳川輝尚氏。施設職員による障害者や高齢者への虐待は増加し、児童施設でも虐待が絶えない。筆者は、虐待を根本からなくすには、「人権教育を徹底し、互いに尊敬し合い、共に生きる同胞愛の精神を養うことが不可欠」と説く。近代日本の社会福祉を築いた先人たちにはこの精神があった。福祉事業の営利化が進む中、「先人たちの心がよみがえることを切に願う」と訴える。
団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて医療提供体制を定める「地域医療構想」が、今年3月までに全都道府県で作成された。だが、構想には「病床削減による医療費適正化」と「切れ目のない提供体制構築」という二つの目的が混在している。「目的があいまい」な同構想を「解剖」し、制度の全体像把握を目指す新連載がスタートした。(6回連載)
【12月8日号】 巻頭言は、南魚沼市立ゆきぐに大和病院顧問で特養ホーム八色園顧問の斎藤芳雄氏。相模原市で起きた「津久井やまゆり園」事件から1年。殺害された19人は今でも「匿名」のままだ。筆者は「これでは容疑者が言う『障害者は不幸をつくることしかできない』をまさに是認してしまう」と危惧し、「事件後1年たっても『死者の匿名性』を強いる社会とは一体何なのだろう」と憤る。
視覚障害者がボールから発せられる音やチームメイトの声を頼りにゴールを狙うブラインドサッカー。企業研修や体験学習でその普及を目指しているのが、NPO法人「日本ブラインドサッカー協会」だ。2020年東京パラリンピックでは金メダルを目標にしている。「インタビュールーム」で、協会の松崎英吾事務局長にブラインドサッカーの魅力や東京パラ大会に向けた抱負などを聞いた。
【12月5日号】 特集は、北海道拓殖銀行と山一証券の破綻から20年たったことを機に、金融危機は去ったのかなどと、経済情勢を多角的に分析した。大手銀行の再編を経て、地方銀行に「第2の再編」の波が迫っている。「社説を読む」は、18年度税制改正に向けた与党内の検討が本格化するまでの各紙社説が対象。観光庁が創設を目指す観光促進税(出国税)に対して「安直で拙速」「必要性があいまい」といった批判が相次いでいることを報じた。「私の苦心」では、水戸税務署長が国税庁のICT化の課題を説明している。
【12月8日号】 ニュース詳報では、厚生労働省がまとめた17年度賃金改定調査結果を報じた。社員1人当たりの平均月額賃金の引き上げ幅はベアを含め5627円で、過去最高となった。併せて、今回の税制改正で所得税改革がテーマとなっているため、国税庁が公表した16年分民間給与実態統計の抜粋を掲載。年収800万円超の給与所得者は人数では8.9%、給与総額は24.9%にすぎないが、その税額は62.4%を占めるという実情を紹介した。「私の苦心」は愛知県岡崎市の資産税課を紹介している。
【12月4日号】 「探針」は、2025年国際博覧会(万博)の大阪開催を目指す政府の取り組みを紹介した。18年初めに博覧会国際事務局(BIE)の調査団が来日するが、日本視察の際には安倍晋三首相が出迎える方向で調整している。「風向計」は「安倍3選は盤石か」と題し、安倍晋三首相を取り巻く微妙な空気を解説した。自民党内から安倍首相の政権運営に批判的な声を上げる場面も出始めているとして、「安倍3選をめぐる自民党内の政局が今後、本格化しそうな気配だ」と結んでいる。
【12月7日号】 「巻頭言」は、みずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミストによる「余剰資金と労働市場改革」。余剰資金とは、いわゆる企業の内部留保のこと。ため込み過ぎ批判がよく聞かれるが、これは「企業は儲(もう)かっている間に賃金に回すべき資金の一部を積み立てておき、苦しい時にそのバッファーを取り崩して雇用を守る」習慣があるためだと擁護。ただ、こうした「雇用保険」を伴う長期雇用の在り方は、時代に合わなくなってきており、正社員の働き方を無限定型からジョブ型に変えるなどの変革が必要と訴える。北海道大大学院公共政策学研究センターの西本紫乃研究員が、インターネット利用が急激な勢いで進む中国の現状をリポートした。インターネット交流サイト(SNS)を使い日本を紹介するサービスが中国人の間で好評で、訪日中国人の取り込みなどに活用できると説く。