【12月11日号】 月曜連載「トラジション・マネジメントの時代」(筆者・松浦正浩明治大ガバナンス研究科教授)が始まった。トラジジョン・マネジメントとは、全体の合意形成を優先するのではなく、持続可能な社会に貢献する技術ニッチの小規模な試行の繰り返しにより、最終的に持続可能な社会へと導くこと。筆者は、補助金やイベントによる地域の盛り上げより、技術ニッチの地道な試行錯誤が大切だと訴える。初回は、コミック「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のドタバタのまちおこし事例などを引きながら、イベントで疲弊するまちおこしの限界を指摘する。
【12月14日号】 文部科学省担当者による木曜連載「廃校でまちおこし〜廃校は『終わり』ではなく『始まり』」が5回連載の最後を迎えた。今回は廃校活用事例として、築60年の木造校舎が最先端のITオフィスとなった島根県浜田市の旧後野小を紹介。今なお1260もの廃校校舎が活用用途未定となっているとの調査結果を踏まえ、廃校を保有する自治体と活用ノウハウを持つ事業者とのマッチングを呼び掛けた。
【12月12日号】 スポーツ庁はこのほど、2017年度「運動部活動等に関する実態調査」の結果(速報値)を取りまとめた。運動部の主担当顧問を務める教員に部活動に関する悩みを複数回答で聞いたところ、公立中学校では「校務が忙しくて思うように指導できない」(54・7%)、「自身の心身の疲労・休息不足」(51・8%)、「校務と部活動の両立に限界を感じる」(47・9%)、「自身のワークライフバランス」(45・3%)、「自身の指導力の不足」(45・1%)などを挙げた割合が高かった。
【12月15日号】 大学入試センターは4日、「大学入学共通テスト」の導入に向けて11月に実施した試行調査(プレテスト)の問題と、マークシート式問題の正答率(速報値)を公表した。今回の試行調査では、「国語」と「数学Ⅰ・数学A」の2科目で記述式問題を出題。マーク式問題でも▽数を特定せずに当てはまる選択肢をすべて選ばせる▽前後の問題で解答が連動している▽「解なし」の選択肢を含む──など出題形式を工夫した。公表内容を3回に分けて詳しくお伝えする。
【12月12日号】 巻頭言は、明治大学教授の青山佾氏。市場原理にもよらず税による行政でもない「第3の分野」が存在する。その代表格に挙げられるのが社会福祉法人で、利益を追求しない社会的目的のために、行政とは異なる規律で活動している。筆者は、「世界に誇る仕組み」であり、「社会福祉法人が中核となってこそ日本の地域福祉が充実する」と訴える。
改正個人情報保護法が、本年5月30日全面施行された。個人情報の保護と利用について共通ルールを定めた法律で、今回の改正では適用範囲の大幅な拡大や罰則の新設など多くの変更点が盛り込まれた。そのポイントなどについて、特集記事(2回連載)で詳しく解説する。
【12月15日号】 巻頭言は、日本尊厳死協会理事長の岩尾總一郎氏。夜の8時過ぎに「ピンポーン」とドアホンの音。玄関前に立っていたのは電報配達人だった。現代社会では、情報のみなら電話やメールで十分だし、慶弔用電報は式場に届く。自宅宛てに電報が配達されるというのは、筆者にとっても想定外の出来事だった。さて、何が起こったのか──。
口の中を清潔にして健康長寿を延ばそうと、福岡県豊前市は主に高齢者を対象にした口腔ケア事業に取り組んでいる。平成27年度の事業開始から3年。「生涯現役のまちづくり」を掲げる後藤元秀市長は「外部からばい菌が入るのは口、目、耳、鼻が一番大きい。ここを清潔にして内部に入る異物、毒物が少なくなれば健康につながる」と、口腔ケアに着目した理由を語る。詳しくは「インタビュールーム」で。
【12月12日号】 土地や家屋などの固定資産評価をめぐり、来年は3年に1度の評価替えの年。このほど平成30基準年度版の固定資産評価基準が公表されたのを受け、連載「家屋評価の仕組み」では8日号と今回号で、これまで掲載した木造家屋の6部分の評価点の積算実例について、新基準で積算し直した。その結果、改正前に比べ約12%の上昇となり、特に外壁や天井が2割超も増加した。資材や労務費の上昇傾向が背景にあるようだが、ある戸建て住宅についての試算であり、全体の傾向とは限らないと断っている。「私の苦心」では、岐阜県北方町の税務課を紹介した。
【12月15日号】 ニュース詳報は、安倍政権が閣議決定した「人づくり革命」と「生産性革命」の政策パッケージを報じた。「直言苦言」欄では、給与所得の年末調整をめぐり、先に本誌フォーラム欄で申請者のプライバシーを扱う源泉徴収担当者に守秘義務が十分担保されていないのでは、との指摘があったことについて、11年に改正された国税通則法などにより国税・地方税の徴収の一環として守秘義務が課せられていると読める、と実務経験者が解説している。「私の苦心」では青森市の納税支援課長が、滞納整理のノウハウを継承していく工夫について語っている。
【12月11日号】 「探針」は、民間研究機関が最新の国勢調査を基に2045年の人口状況を予測した「持続可能性市町村リスト」を紹介した。過疎市町村のうち、約4割は人口を安定化させることができるとしており、いわゆる増田リポートとは一線を画した内容となっている。解説コーナーには、日本総合研究所の岩崎薫里上席主任研究員寄稿の「日本のスタートアップが胎動」を掲載。欧米に比べてなかなか育たない日本のスタートアップ(ベンチャー企業)だが、リスクマネーや政策面からの支援が出そろうなど、事業環境が大きく改善しているという。
【12月14日号】 「巻頭言」は、ライフネット生命保険の岩瀬大輔社長による「性はグラデーション」。「ジェンダーは『男・女』というようにバイナリー(2進法)ではなく、多義的であり色のグラデーションのようでもある」と説く。一橋大の野口悠紀雄名誉教授が「貿易立国から投資立国へ」と題する解説を寄稿。製造拠点の海外移転により貿易黒字が減少するのは必然であり、悲しむべきことではないと強調。日本は世界最大の対外純資産を保有しており、今後は対外資産の収益率を高めることを求めるべきだとしている。 以上