【12月25日号】 精緻な税収分析から東日本大震災の被災自治体のまちづくりを考える月曜連載「税収水準分析で考える復興市町村の地域づくり」は今回が最終回。特徴的な税収状況を示す自治体を個別に取り上げ、将来の地域の在り方を展望した。例えば、宮城県松島町については、同じく日本三景の名勝を抱える京都府宮津市、広島県廿日市市と、同一の円グラフで税目別の水準比較を試み、償却資産に「伸長の余地」があることに着目。「地域ブランドを設定した戦略的な観光まちづくりを再確認し、宿泊、飲食、物販などの施設整備を通じて資産課税を充実させ、……最終的に個人所得の維持向上につなげるという方向は考えられる」などと分析した。
【12月26日号】 奈須正裕上智大学教授による連載「新学習指導要領と授業づくり」は第4回「子どもの心は『白紙』ではない」。「深い学び」とはまずなによりも「有意味な学び」であることを、小学校高学年の算数でつまずきやすい「割合」(降水確率)を題材に、解説する。
【12月26日号】 巻頭言は、誠志会砥部病院長の中城敏氏による「本当の責任の取り方」。初代南極観測越冬隊長の西堀榮三郎がヤルン・カン遠征隊長を務めたとき、1人の隊員の命が失われた。西堀は責任をどう取るか、さんざん悩んだ末に親友に相談したところ、「本当の責任とは事が起こる前に取るものである」と言われたそうだ。筆者は「医療の現場でも然り」と強調、「医療事故が起こってからでは『本当の責任』を取ることはできない」と指摘する。
医療ガバナンス研究所理事長・上昌広氏による「OPINION」第2回を掲載。筆者は、わが国の医師不足対策を考える場合、「全国一律の議論は意味がない。各地方の実情に応じたきめ細かい対応が必要」だが、厚生労働省に「そのつもりはない」と断言する。今後、地方都市での医療機関閉鎖は加速し、その意味するところは「地方都市の死だ」と指摘。「このまま無策を決め込めば、日本の衰退は止まらない」と訴える。
【12月26日号】 特集では、上場企業の9月中間決算(金融を除く)に関するまとめ記事を掲載した。円安基調などを背景に、経常利益は平均21.2%増の大幅増益。約3割の企業が通知予想を上方修正しており、北朝鮮の核・ミサイル開発問題のような特殊な不安定要素を除けば、企業収益の拡大は当面続きそうだと分析している。ニュース詳報では、18年度から国民健康保険の財政運営が都道府県に移管されるのを前に、自治体の対応について時事通信社が実施した調査結果を掲載。市町村ごとに異なる保険料の統一を検討しているのは7道府県という結果だった。地方銀行協会が公表した地方経済天気図では、景況判断は「持ち直しの動きが広がる」を維持した。「私の苦心」には長崎市の税理士法人代表が登壇。円滑な「事業承継」に向けた心構えとして、「承継するのは自分ではなく、他人であることを受け入れる」など3点を伝授しており、参考になる。