【3月22日号】 国は2015年度から5カ年計画で進めている地方創生について、17年12月に中間報告を公表した。それによると、各種施策は着実に実施されつつあるが、焦点となっている人口の東京一極集中には歯止めがかかっていない。地方創生の動きだし時にも本誌に「『人口獲得競争』の勝者は一握り」を寄稿したみずほ総研主任研究員・岡田豊氏が中間報告を詳細に分析。地方創生の取り組みについて、「若い女性の地方への定着という視点を欠いているのは残念」と指摘し、「いつ効果が発揮できるか分からない大都市への人の流れの抑止策に拘泥するよりも、……大都市での出生や育児の環境整備の方がより優先すべき政策課題では」と訴えた。
【3月23日号】 大学入試センターは14日、「大学入学共通テスト」の導入に向けて2月から3月にかけて実施した、外国語科(英語)の試行調査(プレテスト)の問題と正答率(速報値)を公表した。共通テストの英語試験については、「聞く」「読む」「話す」「書く」の英語4技能を総合的に評価するため、民間の資格・検定試験を活用する方針が決まっている。センターが作問する英語試験も2023年度までは実施するが、今回の試行調査ではセンター試験の筆記問題で出題していた発音やアクセントなどに関する問題は盛り込まず、「聞く」「読む」に特化した内容とした。53・8%の答案の採点を終えた段階の正答率は、「筆記(リーディング)」が6・2〜93・1%、「リスニング(バージョンA)」が12・6〜89・9%、「リスニング(バージョンB)」が3・2〜92・5%となった。現行のセンター試験の正答率は公表していないが、「10数%〜9割程度」。難易度の高い「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」B1レベルの問題も出題したが、センターの大杉住子審議役によると「作問者が意図したより正答率は高かった」という。
【3月23日号】 仙台市医師会の永井幸夫会長は、市内で開催された内外情勢調査会宮城支部懇談会で「『終末期医療』を考える―延命治療と緩和ケア―」と題して講演。高齢化社会が急速に進む中で、「死」とどのように向き合うべきか、医師としての経験や肉親との別れを踏まえて、自らの率直な思いを語った。(詳報「永井幸夫・仙台市医師会会長講演」)
【3月20日号】 「税制改正と今後の展望」の第9回は、市町村税の前編を掲載。高所得の給与所得層に対する所得税増税や公的年金控除の見直しに伴う市町村の個人住民税の改正点などを解説している。「事例で読み解く滞納整理」の第17回では、共有名義の固定資産税が滞納となった場合の、共有者に対する督促や滞納処分の手続きなどを取り上げている。都道府県と政令市の税収見通しの第3回は、千葉市、浜松市、北九州市を掲載。ニュース詳報は18年春闘の大手企業集中回答について、前年を超えるベースアップが多かったものの、安倍首相が要請した「3%以上」に達した企業は少なかったと報じた。「私の苦心」では、北海道石見沢市に所在する空知総合振興局の納税課を紹介している。
【3月19日号】 かつて「アジアの病人」とやゆされたフィリピン経済の現状と見通しについて、日本総合研究所の研究員が解説した。フィリピン経済をけん引するのは業務処理の外部委託「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」(BPO)産業だが、他国からのソフトウエア開発の受託など、より高付加価値な分野にシフトする必要があると指摘する。米グローバルリサーチ研究所の青木武代表が、米金融界に「ネットフリックスモーメント」が来る可能性について解説した。米国では、動画配信大手ネットフリックスが人気となり、大手ビデオ・DVDレンタルのブロックバスターが倒産した。金融界にも、フィンテック関連企業の進出が著しいだけに、既存の金融機関は生き残れるかどうか関心を集めている。「IPレーダー」のコーナーでは、金沢工業大大学院の杉光一成教授が「SDGs(持続可能な開発目標)」と知的財産の関係について解説。「SDGsは実は知財と密接に関係する上、それこそが目標実現の鍵となる」と説く。